地球温暖化防止
基本的な考え方
UACJグループは、地球温暖化防止のため、省エネルギー活動を経営の最重要課題の一つと考えています。エネルギー管理統括者である執行役員を最高責任者として、毎年、エネルギー原単位を前年度比で削減するという活動目標を掲げ、できることから着実に実行するという方針で取り組んでいます。中長期的には、省エネ法※1の努力目標である、年平均1%以上の原単位改善を目指しています。環境委員会(旧気候変動対策推進委員会)の活動の一部として、取り組みを進めております。
※1 省エネ法:エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律
2023年度の実績
2023年度は、グループのエネルギー使用量が17.2百万GJとなり、2022年度よりも13.1%減少しました。
グループのCO₂排出量はScope1が467千t-CO₂、Scope2(参考値:マーケット基準)が366千t-CO₂、合計833千t-CO₂で、2022年度よりも約175千t-CO₂減少しました。
また、グループのCO₂排出量原単位は0.917t-CO2/製品tとなり、2022年度より8.1%減少しました。
なお、Scope2のロケーション基準におけるCO₂排出量は、446千t-CO₂となりました。
原単位が改善した主な理由として、2023年度は生産量が減少したことによる原単位悪化分を、再エネ電力240百万kWhの購入や各種改善活動により、挽回することが出来たためと考えられます。
UACJグループのCO2排出量推移(国内+海外)
2019年度 実績 |
2020年度 実績 |
2021年度 実績 |
2022年度 実績 |
2023年度 実績注1 |
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Scope1 CO2排出量 (千t-CO2) | ー | 514 | 493 | 557 | 528 | 467 |
Scope2 CO2排出量 (千t-CO2) | ロケーション基準 | 492 | 446 | 479 | 480 | 446 |
参考値: マーケット基準注4 |
ー | ー | ー | ー | 366 | |
Scope1+2 CO2排出量 (千t-CO2) | ロケーション基準 | 1,005 | 939 | 1,037 | 1,008 | 913 |
参考値: マーケット基準注4 |
ー | ー | ー | ー | 833 | |
CO2排出量 原単位注2 (t-CO2/製品t) | ロケーション基準 | 1.118 | 1.109 | 0.999 | 0.998 | 1.001 |
参考値: マーケット基準注4 |
ー | ー | ー | ー | 0.917 |
- 注1: 集計範囲は、
【国内】 UACJ(名古屋、福井、深谷)、UACJ押出加工名古屋(名古屋、安城)、UACJ押出加工小山、UACJ押出加工滋賀、UACJ押出加工群馬、UACJ製箔(滋賀、野木、伊勢崎)、日金(埼玉)、UACJ鋳鍛、UACJ金属加工(仙台、成田、恵那、滋賀、広島、郡山)、UACJアルミセンター(宇都宮カラーアルミ、深谷、滋賀、奈良)、泉メタル、鎌倉産業、UACJ Marketing & Processing
【海外】 UACJ (Thailand) Co., Ltd.、UACJ Extrusion Czech s.r.o.、UACJ Extrusion (Thailand) Co.,Ltd.、UACJ Foundry & Forging (Vietnam) Co., Ltd.、UACJ Foil Malaysia Sdn. Bhd.、UACJ Automotive Whitehall Industries, Inc.(6th Street、Madison、Progress Drive、Paducah、Flagstaff、Mexico)、UACJ Metal Components Mexico, S.A. de C.V.、UACJ Metal Components Central Mexico, S.A. de C.V.、UACJ Metal Components (Thailand) Co., Ltd、P.T. Yan Jin Indonesia - 注2: 集計範囲は、
【国内】 UACJ(名古屋、福井、深谷)、UACJ押出加工名古屋(名古屋、安城)、UACJ押出加工小山、UACJ押出加工滋賀、UACJ押出加工群馬、UACJ製箔(滋賀、野木、伊勢崎)、UACJ鋳鍛、UACJアルミセンター(宇都宮カラーアルミ)
【海外】 UACJ (Thailand) Co., Ltd.、UACJ Extrusion Czech s.r.o.、UACJ Extrusion (Thailand) Co.,Ltd.、UACJ Foundry & Forging (Vietnam) Co., Ltd.、UACJ Foil Malaysia Sdn. Bhd.、UACJ Automotive Whitehall Industries, Inc.(6th Street、Madison、Progress Drive、Paducah、Flagstaff、Mexico) - 注3: 上記会社名は2024年9月30日時点の会社/事業場名で記載しています。
- 注4: 海外事業場は電力会社別排出係数未入手のため、国別排出係数で代用
UACJのCO2排出量推移(単体)
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | ||
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Scope1 CO2排出量 (千t-CO2) |
ー | 363 | 338 | 309 |
Scope2 CO2排出量 (千t-CO2) |
ロケーション基準 | 243 | 234 | 228 |
参考値:マーケット基準 | ー | ー | 195 | |
Scope1+2 CO2排出量 (千t-CO2) |
ロケーション基準 | 606 | 571 | 537 |
参考値:マーケット基準 | ー | ー | 504 | |
CO2排出量 原単位 (t-CO2/製品t) |
ロケーション基準 | 1.041 | 0.969 | 0.967 |
参考値:マーケット基準 | ー | ー | 0.910 |
2023年度UACJグループのCO2排出量(スコープ3 国内+海外)
項目 | CO2排出量 (千t-CO2) |
---|---|
カテゴリー1:購入した製品・サービス | 4,524 |
カテゴリー2:資本財 | 116 |
カテゴリー3:Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 | 143 |
カテゴリー4:輸送、配送(上流) | 106 |
カテゴリー5:事業から出る廃棄物 | 0.4 |
カテゴリー6:出張 | 1 |
カテゴリー7:雇用者の通勤 | 2 |
カテゴリー12:販売した製品の廃棄 | 0.1 |
合計 | 4,893 |
カテゴリー8~11、13~15については、影響が微小である等の理由で、算定の対象外としました。
生産工程における主な取り組み
新省エネ分科会
UACJグループでは、従来から事業場横断的に省エネ活動を推進する省エネ分科会を定期的に開催していました。2022年度からは、GHG排出量低減及び省エネ推進を目的とした活動とするために構成員や開催頻度を見直すことで、「新省エネ分科会」としてリニューアルし、より一層の活動活性化を図っています。
省エネ活動
UACJグループにおいて、2023年度に実施した主要な省エネ活動は下表の通りです。このほかにも、加熱炉の加熱制御変更、電気機器更新、蒸気·エアの漏れ是正などの省エネ施策をグループ内の各事業場で実施しています。
CO2削減事例(2023年度実施テーマ)
事業場名 | テーマ名 | CO2削減効果 (t‐CO2/年) |
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名古屋製造所 | 加熱炉失火時の再着火改善 | 800 |
複数事業場 | 照明のLED化 | 400 |
名古屋製造所 | 溶解炉の再着火時のダンパ制御改善 | 300 |
名古屋製造所 | RO膜低圧膜化更新 | 200 |
生産工程の熱源をLNGへ転換
LNGと重油を同等の発熱量で比較した場合、LNGを熱源とした方がCO2排出量が約3割少ないことからUACJでは生産工程における熱源をLNGへ計画的に転換しています。
2023年度末時点における当社3製造所の燃料におけるLNG(都市ガスを含む)使用比率は、発熱量ベースで約90%です。
再エネ電力の導入
UACJグループでは、再生可能エネルギー電力(再エネ電力)を計画的に導入しております。2023年度は、オンサイトPPA, 再エネ電力メニュー、非化石証書の利用により、国内と海外を合わせて約240,000千kWhの再生可能エネルギー電力を購入しました。これにより削減されるCO2排出量は、年間約105千t-CO2に相当します※2。特に、国内の20事業場※3においては、再エネ電力100%事業場に転換いたしました。
- ※2 CO2排出係数を、2022年度の国内全国平均値である、0.438kg-CO2/kWh を使用して計算した。
- ※3 UACJ押出加工名古屋安城製作所、UACJ押出加工群馬、UACJ押出加工滋賀、UACJ鋳鍛、UACJ金属加工(仙台工場、成田工場、恵那工場、滋賀工場、広島工場、郡山工場)、UACJアルミセンター(宇都宮カラーアルミ工場、滋賀工場、奈良工場)、UMP、鎌倉産業、泉メタル(山形物流センター、栃木物流センター、野田物流センター、川崎物流センター、八潮物流センター)
- 注: 上記会社名は2024年9月30日時点の会社/事業場名で記載しています。
物流工程における主な取り組み
UACJは、物流工程における省エネルギー化に取り組んでいます。省エネ法※4に定められた「特定荷主」※5である当社は、輸送トンキロあたり5年間平均の原単位で1%の向上を改善目標に掲げ、活動を推進しています。
2023年度の販売量あたり輸送エネルギー原単位は、2022年度比で1.7%改善しました。その要因は、積載率向上や船舶輸送の増加等の改善活動が効果を上げたためと考えています。
また、2001年からアルミニウム押出製品の一部で同業他社と業務提携し、共同物流による運送の効率化を進めることでCO2排出削減を推進しています。
- ※4 省エネ法:エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律。貨物輸送事業者に発注する立場の「荷主」に対しても、省エネルギー計画の策定、エネルギー消費低減の努力を求めている
- ※5 特定荷主:自らの貨物の輸送量が年間3,000万トンキロ以上の荷主
販売量あたり輸送エネルギー原単位の推移
- 注: 定期報告書 届出値より
オフィスにおける主な取り組み
オフィスの省エネルギー活動
UACJでは、オフィスの省エネルギー活動としてクールビズやスーパークールビズを実施し、空調機器の温度コントロールを行うとともに照明機器・電子機器などの不使用時電源OFFを徹底するなど省電力に積極的に取り組んでいます。
本社オフィスでは、2022年1月にフリーアドレス制を導入し、個人の机を廃止することでこれまで以上に在宅勤務を促進しています。さらに、2022年7月には、関係会社の本社機能を大手町に集約しました。これらにより、オフィスの空間効率を向上し、空調、照明、電子機器の省エネルギーを図っています。
オフィスの環境保全活動
オフィスで使用する事務用品について、グリーン購入法適合商品やエコマーク商品を積極的に採用しています。