生と死を見つめる自画像(2)レオン・スピリアールト「イーゼルに向かう鏡の前の自画像」
生と死を見つめる自画像(2)レオン・スピリアールト「イーゼルに向かう鏡の前の自画像」
ベルギーの画家スピリアールトは21歳年長のアンソールと同じく北海に面した町オーステンデに生まれ、生涯同地にとどまり風景や静物、人物を描いた。支持体として紙を好み、抑えた色彩、光と闇の表現、強調された遠近法によって、身近な事物で構成される日常世界を不穏な幻想空間に変貌させた。作品からは、病弱で不眠症だったとされる画家の張りつめた神経と孤独が伝わってくる。
スピリアールトは20代の頃にたびたび自画像…