金NY先物、2日ぶりに最高値更新 米利下げが追い風
金(ゴールド)価格の上昇が止まらない。国際指標となるニューヨーク先物(中心限月)は18日、一時前日比34.8ドル(1.3%)高い1トロイオンス2627.2ドルと最高値を更新した。16日には一時2617.4ドルと3営業日連続で最高値を付けており、高値の更新は2日ぶりとなる。米利下げが金相場の追い風となっている。
18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は0.5%の幅で4年半ぶりの利下げを決め、金利が付かない金に資金が流入した。ドル離れによる中央銀行の買いや中国・インドなどの現物需要も相場を支えている。
国際調査機関のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、現物の金を裏付けとする上場投資信託(ETF)は8月、4カ月連続で流入超過だった。短期マネーの流入も顕著で、米商品先物取引委員会(CFTC)によると、8月27日時点の投機筋の買い越し幅が約29.4万枚と20年3月以来の高水準だった。9月10日も28.3万枚と高水準が続く。
マーケットアナリストの豊島逸夫氏は「大幅な利下げを受けて金利を生まない金の保有妙味が高まった。景況感後退が利下げ実施の背景となっており、景気の先行き懸念から不況に強い金が買われた」と指摘する。
日本貴金属マーケット協会の池水雄一代表理事は「まだ利下げサイクルに突入したばかりで、次の利下げ実施や期待などでさらなる高値を追う可能性がある。価格に敏感でない中銀の買いが続いており、ここ何カ月も高止まりして投資家も買い安心感が広がっている」とみている。
18日の相場は一時前日比19.9ドル(0.8%)安の2572.5ドルを付けるなど下落も見られたが、昨年末終値に比べて約500ドル高い水準だ。楽天証券経済研究所の吉田哲コモディティアナリストは「一部利益確定売りも出ているが、それでも歴史的高値で高止まりしている」と指摘する。