ボーナスと正しく向き合う 臨時出費、備える原資に
ボーナスの使い方(1)
今月は会社員の年2回の楽しみである「ボーナス」について考えてみます。今年は企業によって明暗が分かれるボーナスとなっているようですが、支給通知が出たところでその使い方の「ルール」を考えてみましょう。
まとまった収入は、家計管理の切り札
毎月の家計というのはいつもタイトです。貯蓄をしている人はその分を引いた残りの金額でやりくりしますし、そうでなくても限られた月収から1カ月の生活費をどうやりくりするかは苦労の連続です。
基本的には毎月ギリギリのやりくりを続けている人が多いことでしょう。そんなとき、日常の生活費とは別に、まとまった金額をもらうチャンスがボーナスです。
ボーナスは標準的には年2回支払われます。夏のボーナスと冬のボーナスです。もし給与の2カ月分を2回もらえば、年収の4/16つまり25%に相当します。3カ月分相当なら、年収の6/18つまり33%にもなります。
仮にボーナスの半分を貯金できたとしたら、それだけで年収の10%以上を貯蓄する力になるわけです。貯蓄や投資原資を確保するために、高額の支出をやりくりするためにボーナスは大活躍します。
高額出費をするだけがボーナスの役割ではない
私も20歳代のころやってしまったことですが、あまりお勧めしたくないボーナスの使い方は「ボーナス支給日にすぐ買い物!」です。
確かに、たまりにたまったストレスを解消するのに高額消費は役立ちます。ストレスを解消して「またがんばるか!」と言い聞かせることも時には必要かもしれません。
しかし、無計画かつ刹那的なボーナス出費は何も残りません。しばしば「お金を使うことそのもの」にストレス解消を求めてしまうため、後から振り返ってみるとあまり意味のない買い物をしてしまうからです。
数回しか着ずにクローゼットの肥やしとなってしまう服、パッケージも開封していない「積みゲー」などに大事なボーナスを使ってしまうのはもったいないことです。
「向こう半年」の備えと位置づけて残す
若い世代にアドバイスしておきたいのは「次のボーナスまでの備え」としてボーナスを残す感覚を持つことです。
結婚したり子育てが始まったりすると、ボーナスをすぐ使わずに「今後の出費に向けて残す」ようになります。例えば、子どもの大学の学費が秋に引き落とされるなら、夏のボーナスの多くを残しておきます。
若い人も「次のボーナスまでの支出」を見据えてお金を残しておく習慣をつけてみましょう。
まずは冠婚葬祭のために10万円くらい残しておくことを考えてみます。親しい知人の結婚式を除けば、結婚式やお葬式はいきなり連絡がきます。そしてそれなりの支出になります。実家が遠い場合は交通費も織り込んでおく必要があります。月給だけでやりくりするのは大変ですから、ボーナスからの蓄えでこれを捻出できるようにするのです。
また、家電の急な買い替えで生じる費用も、こうした半年の備えとして考えたいものです。家電の故障はいきなりやってきますが、ついついクレジットカードを使って次のボーナスから払ってしのぎがちです。先送りする習慣を改めるチャンスとしたいものです。例えば5万~10万円くらいを残しておきます。
備えるお金はメインバンクには残さず、別の口座に移しておくといいでしょう。日常生活費の口座に「いつも10万円は残しておく」と考えるより「別の口座に10万円は移して、残高ゼロにならないように1カ月過ごす」と考えるほうがシンプルです。それに取り崩しの誘惑を避けることができます。
半年使わずに済めば、そのお金はあなたの貯蓄となります。半年分の備えをすることの次のステップに、さらに将来に向けた貯蓄や投資の習慣があるのです。
ボーナスが出ないときに備えるのもボーナス
この夏、ボーナスが出なかったという会社もあるでしょう。ボーナスは会社の業績に連動する傾向が強いため、業績悪化時には無支給となることもあります。
この夏、ボーナス減あるいは無支給だった場合、臨時出費などは我慢して乗り切る必要があります。苦しいでしょうが家計を引き締めがんばってください。
20歳代ではまだピンとこないでしょうが、長い目でみるとボーナスは少ないときもあれば多いときもあります。実は金額が多く、いろんな支出に充てていくボーナスは、不安定なものなのです。
先ほど「向こう半年に備えてボーナスを残す」といいましたが、長い目でみれば「たくさんもらえたときはしっかり残して、減ったときにもやりくりできるようにする」というような長期的な視点も必要になってきます。業績がいいときも悪いときも、平均的にボーナスをくれるほうがやりくりは楽です。しかし現実はそうではない以上、個人として対策が必要です。
ボーナス(多いとき)のお金を、未来のボーナス(少ないとき)のために残しておくことができるようになると、あなたのマネープランは安定的なものになっていきます。ボーナスときちんと向き合うことは、自分のお金の長期的なプランニングを意識していくステップアップなのです。
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「FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「大人になったら知っておきたいマネーハック大全」(フォレスト出版)など。http://financialwisdom.jp
ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏が若年層に向けて、「幸せな人生」を実現するためのお金の問題について解説するコラムです。毎週月曜日に掲載します。