2024-25年秋冬シーズンでひと際視線を集めたのが、意匠を凝らしたバックデザインの数々。前と後ろで異なる表情を見せるルックは、モデルたちが登場してからランウェイを去る最後の瞬間まで私たちの視線を釘付けにした。
ロク(ROKH)やドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)では、昨年に引き続き前後ろを逆にしたようなデザインが展開され、トム フォード(TOM FORD)やジャンバティスタ ヴァリ(GIAMBATTISTA VALLI)などのイブニングウェアのそれとは違う日常的な魅せ方が焦点に。トム ブラウン(THOM BROWNE)では、リボンで縁取られたコントラストジャケットの裏にエドガー・アラン・ポーの詩「大鴉」からの一節「Nevermore」が描かれたり、アンダーカバー(UNDERCOVER)のメンズウェアコレクションでは「SAD SONG LOVERS CLUB」のタイピングが施されるなど、背面から放たれるメッセージに注目が集まった。
ここからは、サカイ(SACAI)のシグネチャーであるハイブリッドデザインやヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)のギャザーディテール、プラダ(PRADA)の二面性に着目したデザインなど、2024-25年秋冬コレクションのなかで特に印象的だったバックデザインを振り返ってみよう。
Text: Laird Borrelli-Persson Adaptation: Motoko Fujita
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