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酸化ナトリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
酸化ナトリウム
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識別情報
CAS登録番号 1313-59-3
特性
化学式 Na2O
モル質量 61.979
外観 白色結晶
密度 2.27 g/cm3
融点

1132℃

沸点

1950℃で分解

への溶解度 激しく化学反応して水酸化ナトリウムとなる
構造
結晶構造 立方晶系
配位構造 8-配位
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −414.22 kJ mol−1[1]
標準モルエントロピー So 75.06 J mol−1K−1
標準定圧モル比熱, Cpo 69.12 J mol−1K−1
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 1653
GHSピクトグラム 腐食性物質
主な危険性 水に激しく化学反応する。侵食性あり。
NFPA 704
0
3
1
引火点 不燃性
関連する物質
その他の陽イオン 酸化セシウム;酸化ルビジウム;酸化カリウム;酸化リチウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

酸化ナトリウム(さんかナトリウム、Sodium oxide)とは、組成式 Na2O で表される無機化合物である。ナトリウム酸化物で、外見は白色の固体。水と激しく化学反応して水酸化ナトリウムに変わる。

生成

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ナトリウムと適量の酸素を混ぜて化学反応させると生成する。

ナトリウムを過剰の空気中で加熱すると酸化ナトリウムと過酸化ナトリウム(約20%)を生成する。

ナトリウムを300℃で水酸化ナトリウムと化学反応させ、未反応のナトリウムを蒸留により除くと比較的純度のよいものが得られる[2]

液体ナトリウムは硝酸ナトリウムと化学反応し酸化ナトリウムと窒素を生成する。

反応

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水と激しく化学反応して水酸化ナトリウムに変わる。

空気中で加熱すると過酸化ナトリウムに変わる。

岩石の風化作用のとき、大気中の二酸化炭素に溶けて岩石中に含まれる長石中の酸化ナトリウム成分と化学反応して炭酸水素ナトリウムに変わる。

酸化ナトリウムは二酸化炭素を吸収して炭酸ナトリウムになる。

結晶の性質

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酸化ナトリウムの粉末。

酸化ナトリウムの結晶は立方晶系に属し、逆蛍石型構造で、フッ化カルシウムカルシウムイオンの位置に酸化物イオン、フッ化物イオンの位置にナトリウムイオンが配置している。格子定数はa = 5.55Åである[3]

参考文献

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  1. ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
  2. ^ 日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成II』 丸善、1977年
  3. ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年

関連項目

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外部リンク

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