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酸化ニッケル(III)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
酸化ニッケル(III)
識別情報
CAS登録番号 1314-06-3
特性
化学式 Ni2O3
モル質量 165.39 g/mol
外観 黒色粉末
密度 4.84g/cm3
融点

600

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

酸化ニッケル(III)(さんかニッケル さん、Nickel(III) oxide)はニッケル酸化物のひとつであるが、文献に記されてはいるものの、はっきりとは確認されていない化合物である[1]。ブラックニッケルオキシドはしばしば Ni2O3 と書かれる。しかし、供給元によると組成はニッケル含有量77%付近であるのに対し、Ni2O3のニッケル含有量は70.98%であるため、実際は不定比酸化ニッケル(II)であると考えられる[1]

ニッケルの表面にNi2O3が微量に存在する、または、Ni2O3はニッケルの酸化の中間体であるという文献が存在する[2][3]

オキシ水酸化ニッケル

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関連化合物のオキシ水酸化ニッケル NiO(OH) は水中で塩化ニッケル(II)次亜塩素酸ナトリウムを反応させることによって合成でき、酸化剤として使われる。ベンジルアルコール安息香酸への酸化または3-ブテン酸からフマル酸への二重酸化において、理論量の漂白剤とともに触媒量で使われる[4]

ベンジルアルコールのオキシ水酸化ニッケル酸化

3-ブテン酸のオキシ水酸化ニッケル酸化

脚注

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  1. ^ a b グリーンウッド, ノーマン; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン英語版. ISBN 978-0-08-037941-8
  2. ^ An oxide of tervalent nickel , P. S. Aggarwal, A. Goswami, J. Phys. Chem.; 1961; 65(11); 2105-2105, doi:10.1021/j100828a503
  3. ^ Chemical vapor deposition of nickel oxide films from Ni(C5H5)2/O2, Jin-Kyu Kang, Shi-Woo Rhee, Thin Solid Films, 391, 1, (2001),57-61, doi:10.1016/S0040-6090(01)00962-2
  4. ^ An Efficient and Practical System for the Catalytic Oxidation of Alcohols, Aldehydes, and ,-Unsaturated Carboxylic Acids Joseph M. Grill, James W. Ogle, and Stephen A. Miller J. Org. Chem.; 2006; 71(25) pp 9291 - 9296; (Article) doi:10.1021/jo0612574

外部リンク

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