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農業でマインドセット。ヘアスタイリスト・木村あつ子の究極のデトックス術【5ビューティーエッセンシャル】

表参道の人気サロン「SENSE OF HUMOUR」でヘアスタイリストとして高い支持を得ている木村あつ子さん。自分のスタイルを確立しながらも、肩の力が抜けたムードが印象的な彼女。その魅力の源は、バランス感覚のいいインナーケアにあった。File6はこちらから。

File7:木村あつ子/SENSE OF HUMOUR ヘアスタイリスト

── ビューティーは生活の中でどんな存在ですか?

私にとってビューティ=マインドセットです。ビューティーというカテゴリーの中にも色々あると思いますが、私はなによりもインナーケアを大切にしています。根本的な部分が整っていない状態でどれだけ外側をカバーしても、逆に状況が悪くなって色んな形で不調が現れてきてしまうと感じていて。実際に内側のケアを意識するようになってから、体も楽になって気持ちの乱れもなくなりました。

── 気持ちの面でどんな変化が?

元々あまり細かいことを気にするタイプではなかったのですが、以前よりもさらに前向きなことにエネルギーを使えるようになりました。体調が悪いときは色々なことにとらわれてイライラして、ネガティブな気持ちになってしまう。でも逆にインナーケアを意識し始めてからは気分が優れないときが減って、よりプラス思考になっているように感じます。

【フード】健康とマインドのために農業を開始。

── 今回の5つの要素の中で一番こだわっているものは?

食べ物ですね。1年半ほど前から、千葉県の八一農園というところで無農薬の野菜を育てています。そこで採れたものを使って、キムチなどの発酵食品や柚子胡椒などの調味料を自分で作ることもあります。この農園は農地を耕さずに作物を栽培する不耕起栽培という農法にこだわっていて、動力機械や農薬や肥料も使っていないんです。すごく味が濃くて美味しい野菜が育つんですよ。私一人ではなく皆で野菜を育てているのですが、月に2回くらいは畑に通っています。その他にも、五膳貪という千葉の農家で玄米も育てています。

── どうして農業を始めようと思ったのですか?

健康のためというのもありますが、一番は自分のマインドチェンジのためかもしれないです。東京は、生きるために働くという感覚が強いと感じていて。年齢を重ねると、お金の概念も変わってくるし、生活水準も自ずと上がってきてしまう。でも、自分の力で生きられるようになれば、東京での暮らしも無理しなくてよくなるんじゃないかなと思ったんです。自分が生きていくために必要なものを作れていれば、その他の時間で自分が本当に好きなことにしっかり向き合えるのではないかと。そこで、畑で無農薬野菜を育ててみたいと思い調べた結果、不耕起栽培に辿り着きました。

── 実際に野菜やお米を育て始めて、何か変わりましたか?

今は、いい感じに気持ちの抜けが作れている気がします。精神的にデトックスされているというか。畑で野菜を育てることは、やっぱり難しくて。どれだけ東京でキャリアを積んでも、こういう場所では自分はポンコツなんだなと思い知りましたね(笑)。もちろん、普段の食事も変わりました。畑で採れた野菜を消費しないといけないので、家では野菜ばかり食べています。お菓子やジャンクフードを食べたいと思わなくなりましたね。以前よりも格段に体が楽で疲れにくくなったと実感しています。

【コスメ】メイクはポイントカラーで楽しむ。

── メイクアップのこだわりは?

私は顔のパーツが濃くて印象が強くなりやすいので、基本的にメイクをしすぎないようにしています。肌は日焼け止めだけで、アイラインと軽くマスカラをする程度。その分、気分によってリップで遊ぶことはあります。お気に入りはラ ブーシュ ルージュと榮倉奈々さんがコラボした「ルバウム コト」と、ドリス ヴァン ノッテンのリップファンデーションを塗っていないぶん、シアーなリップが肌との相性がいいので、特にルバウム コトはよく使っています。ポイントでバイレードアイシャドウを入れることもありますね。

ブラシは、メイク直しのときにパウダーをはたく際に使っているもの。しっかりめにパウダーをのせたいときは「ラ ブーシュ ルージュ ブロンザー パウダーブラシ」を、もう少し軽い気分のときは「ラ ブーシュ ルージュ ハイライターブラシ」を使っています。パウダーはナーズの「ライトリフレクティングセッティングパウダー」を愛用して、テカリを解消しています。

【スキンケア】モイスティーヌでファンデーション知らずの肌に。

── お肌がとても綺麗ですが、どんなスキンケアを?

スキンケアは、5年くらいモイスティーヌというブランドのものをメインに使っています。このブランドは、ファンデーションをしない肌を作ろうというコンセプトがあって。このブランドに出合う前まではポイントでファンデーションやコンシーラーを塗っていたのですが、使い始めてからは実際に日焼け止め以外は必要なくなりました。

── 具体的にどんな風に肌に合うと感じたのですか?

私はおそらく元々化粧水を吸い込みにくいタイプの肌質なんだと思います。でも乾燥はしてしまうので少し重ためのものをつけるようにしていたのですが、それが逆に栓になっていて。吹き出物や、白い小さなブツブツが出来てしまっていました。でも、モイスティーヌの使用法に沿って朝晩に洗顔とクレンジングをして、美顔器で化粧水を導入するようになってから肌がしっとりして、くすみがなくなりました。使い始めて大体1ヶ月くらいで、肌が変化したことを感じた記憶があります。スキンケアの最後は、リヴァルナの「コラーゲンセラムスプレー」を吹きかけるようにしています。このスプレーも想像以上に良くて。朝起きてからのぷるっと感が、以前とは全然違うように感じています。

【香り】自然な香りで、リラックスした空間作りを。

── 香りはどんな風に楽しんでいますか?

以前は毎日香水もつけていたのですが、コスメや食事の習慣が変わるとともに段々と香りに対する向き合い方も変わってきました。あまり着飾りたくないという気持ちになってきて、今は香水というよりも家で香りを楽しんでいます。家で使う香りも、天然素材のものや自然を感じさせる香りが多いですね。

センス・オブ・ヒューモアの「インセンス ワシペーパー(和紙のお香) 」は和紙に天然香料を含ませているお香で、私はセージの香りがお気に入り。持ち運びしやすくてマットもついているので、旅先に持っていくときも重宝しています。アップステイト ストックのキャンドルは、ウッディで少しスパイシーな香りが好き。夜に一息つきたいときや、お友達が家に来たときなどにつけています。玉藻のお香も天然素材のみで作られているもの。朝のリフレッシュに使っています。

【フィットネス】昨年から始めたヨガで、自分を再発見。

── 運動はしますか?

以前はジョギングをしていました。それだけだと腰が痛くなってしまうので、ローラーでほぐしたり、マッサージをしたり。でも昨年の10月に知人に誘われてヨガの教室に行って以来、今は週に2〜3回通っています。ヨガに出合ってからは、自分の体の歪みが分かってきて、腰痛や肩こりが改善して呼吸もしやすくなりました。立っていても地に足がしっかりついているというのを感じるように。まだ通い始めて間もないですが、土踏まずも復活してきたような気がしています。今はまだまだ苦手なポーズがあるので、それをできるようになることが目標です。

話を聞いたのは……

木村あつ子さん
VOGUE JAPANでも度々登場している「SENSE OF HUMOUR」のヘアスタイリスト。都内のヘアサロン2店舗を経て現在のサロンに。エッジィなセンスに定評があり、ファッション誌で私服の取材を受けることも。
https://www.instagram.com/kimura_achikoh/

Editor:Airi Nakano, Kyoko Muramatsu