【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線システムの端末局のソフトウェア更新に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やPHSなどに代表されるように、無線移動通信システムが急速な勢いで発展を続けている。実用化されている無線移動通信システムとして、無線通信回線の制御を行う制御局と、この制御局の制御のもとに無線端末局(無線移動端末局または無線固定端末局)間の無線通信の中継とサービスエリアの維持を行う1つ或いは複数の無線基地局と、この無線基地局を介して無線通信を行う複数の無線端末局とから構成される無線移動通信システムが知られている。このような無線移動通信システムでは、無線端末局が他の無線端末局と無線通信を行う場合、発呼局は無線基地局が無線通信可能範囲を維持するサービスエリア内において、無線基地局を介し、制御局により制御される無線通信回線(通信チャネル)を使用して無線通信を行う。
【0003】
また、無線通信機器は維持管理が必要であり、特に新機能の追加、或いは不具合の修正等を行う際、ソフトウェアの更新をする必要がある。ソフトウェアの更新は、保守員が無線通信機器の設置場所へ赴き、図5に示すように無線機内部の、プログラムが書き込まれたROMそのものを交換、或いは図6のように無線通信機器と保守機器とを有線で接続し、プログラムの書き込まれたフラッシュメモリに新しいソフトウェアをローディングすることで可能である。図6のローディング方式について以下に説明する。
【0004】
まずブートプログラム(電源立ち上げ時、またはリセット時に動作するプログラム)601により、PC604から受信した書き込み制御プログラム605AをRAM603へ転送し、書き込み制御プログラム605A受信完了後にフラッシュメモリ602の全エリアを消去する。消去完了後、ブートプログラム601からRAM603に転送された書き込み制御プログラム605Aに切り替える。保守機器(PC)604から受信したアプリケーションプログラム605Bをフラッシュメモリ602へ書き込む。書き込みが完了したら、無線機を再起動することで、新しいアプリケーションプログラム605Bが読み込まれ、更新が完了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
通常、図3に示すように、無線通信機器はグループ(部署)毎に分かれていたり、それぞれ異なる場所に設置されていたりする。また、端末局は1つのシステム内には複数台存在する。従って、前述のように保守員がソフトウェアの更新など、保守を行うためには、現地へ直接赴いて無線通信機器の設置場所を転々としなければならない。更にメンテナンスを行う際には、複数台の無線通信機器と保守機器とを一つ一つ有線で繋いでメンテナンスを行う必要があり、大変な労力を要する。
【0006】
本発明はこれらを改善し、図4に示すように、保守員が無線通信機器の設置場所に赴くことがなく、一度に複数台のソフトウェア更新を可能にすることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は無線システムの無線回線を用いて無線通信機器のソフトウェアをダウンロードし、更新が可能なように構成したものである。
【0008】
また、更新の際は現行ソフトウェアを退避させておき、万が一、新版ソフトウェアを導入して正常動作しなかった場合は退避しておいた現行ソフトウェアを復旧させるように構成したものである。
【0009】
さらに更新が成功したか失敗したかにかかわらず、更新を試みて処理を完了したら、常に転送元へバージョン情報を通知するように構成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のリモートメンテナンス方法を、図1のフローチャートと図2の無線機構成図を用いて、以下に説明する。
【0011】
まず、転送元は、ソフトウェア更新が可能であるという情報を無線端末局に対して通知する(ブロック101)。端末局は通知を受信したら新版ソフトウェアのダウンロードを開始する(ブロック102)。なお、ダウンロードするソフトウェアは必ずバージョン情報エリアを持ち、バージョンアップする毎に更新する。
【0012】
ダウンロードに成功(誤り無し)し、誤り訂正符号方式によりダウンロード用メモリ201に正常に格納できたと判定した場合は、ソフトウェア更新モードに移行(ブロック104)、失敗した場合は転送元へ再送要求を出し(ブロック110)、再度ダウンロードを試みる。
【0013】
ソフトウェアのダウンロードが完了し、ソフトウェア更新モードに正常に移行できたら、ソフトウェアの更新を行う(ブロック104)。この時、新しいソフトウェアをプログラム領域203に書き込む前に、現行ソフトウェアをプログラム領域203から退避用メモリ202に転送する。
【0014】
その後、新版ソフトウェアをプログラム領域203に書き込み(ブロック105)、書き込みが完了したら、通信機器を再起動し(ブロック106)、新しいソフトウェアを読み込む。再起動が完了し、正常に動作したら端末局から基地局に対して、バージョン情報の通知を行い(ブロック108)、処理を完了する(正常に動作するか否かの判定は、WDT(ウォッチドッグタイマー)205がCPU204を監視することにより行う。)。
【0015】
また、プログラム更新の際には、WDT(ウォッチドッグタイマー)205が監視を行い、もしソフトウェアが正常に動作しなかった場合、その通知ができるようにしておく。WDT205を用いた監視により、エラーが発生した場合はソフトウェアの更新に失敗した、或いはソフトウェアに問題があったと判断し、旧版のソフトウェアを復旧させる(ブロック109)。
【0016】
復旧は前述の退避用メモリ202からプログラムを読み込み、プログラム領域203に書き込むものとする。
【0017】
旧版ソフトウェアへ復旧した場合は、再度ソフトウェアの更新を行う。
図7は本発明の実施例を、図6の従来技術に対比して記したものである。図7について、以下に説明する。
【0018】
まず、ブートプログラム701により、送受信部501から送られる書き込み制御プログラム605AをRAM704に転送する。この後、受信完了後にRAM705に格納されている書き込み制御プログラム605Aを消去する。
【0019】
消去完了後、ブートプログラム701からRAM704に転送された書き込み制御プログラム605Aに切り替え、書き込み制御プログラム605Aにより、送受信部501から送られたアプリケーションプログラム605BをRAM705に書き込む。
【0020】
続いてRAM705のデータの誤りチェックを行い、誤りがなければプログラムメモリ702の現行ソフトをプログラムメモリ703に転送する。
【0021】
続いて新しいソフトウェア(アプリケーションプログラム605B)をRAM705からプログラムメモリ702に転送し、無線機を再起動する。
【0022】
再起動が完了し、新しいソフトウェアが正常にロードされたら、ソフトウェアの更新が完了する。
【0023】
【発明の効果】
本発明により、保守員が現地へ行って一台一台保守機器と無線端末を有線で接続してソフトウェアの更新を行うのではなく、一度の動作で、複数の端末のソフトウェアを一括に更新することが可能となる。
【0024】
また、プログラムを待避させておき、エラー発生時は元に戻すことができるように構成するため、更新失敗による通信障害を防ぐことが可能である。
【0025】
さらに、バージョン情報を転送元に通知することで、転送元でバージョンを管理し、様々なバージョンの機器が乱立することを防ぐことができる上、更新が成功したか、失敗したかの判断も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるリモートメンテナンス方式の動作を示すフローチャート。
【図2】本発明の一実施例であるリモートメンテナンス方式における通信機器の構成を示すブロック図。
【図3】従来の一例であるメンテナンス方式を示す図。
【図4】本発明の一実施例であるリモートメンテナンス方式を示す図。
【図5】従来の一例であるメンテナンス方式における無線機の構成を示すブロック図(ROM交換方式)。
【図6】従来の一例であるメンテナンス方式における無線機の構成を示すブロック図(有線によるフラッシュメモリへのローディング方式)。
【図7】本発明の一実施例であるリモートメンテナンス方式における無線機の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
101:ソフトウェア更新通知処理ブロック、102:ソフトウェアダウンロード処理ブロック、103:ダウンロード正常完了判断ブロック、104:ソフトウェア更新モード移行処理ブロック、105:ソフトウェア更新処理ブロック、106:機器再起動処理ブロック、107:正常起動判断ブロック、108:バージョン情報通知処理ブロック、109:旧版ソフトウェアロード処理ブロック、110:ソフトウェア再送要求処理ブロック、201:ダウンロード用メモリ、202:退避用メモリ、203:プログラム領域、204:CPU、205:WDT、301:基地局(転送元)、302A〜302C:グループ(部署)、303:保守員、501:送受信部、502:MPU、503:プログラムメモリ(ROM)、504:RAM、505:操作部、601:ブートプログラム、602:プログラムメモリ(フラッシュメモリ)、603:RAM、604:PC(保守機器)、605:プログラムデータ、605A:書き込み制御プログラム、605B:アプリケーションプログラム、701:ブートプログラム、702:プログラムメモリ(プログラム領域)、703:プログラムメモリ(退避用領域)、704:RAM、705:RAM、706:WDT(ウォッチドッグタイマ)。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to updating software of a terminal station of a wireless system.
[0002]
[Prior art]
In recent years, wireless mobile communication systems, such as mobile phones and PHSs, have been rapidly developing. As a wireless mobile communication system that has been put into practical use, a control station that controls a wireless communication line and, under the control of the control station, wireless communication between wireless terminal stations (wireless mobile terminal stations or wireless fixed terminal stations). 2. Description of the Related Art A wireless mobile communication system including one or a plurality of wireless base stations that perform relay and maintenance of a service area and a plurality of wireless terminal stations that perform wireless communication via the wireless base stations is known. In such a wireless mobile communication system, when a wireless terminal station performs wireless communication with another wireless terminal station, the calling station transmits the wireless base station via the wireless base station within a service area in which the wireless base station maintains a wireless communication range. Wireless communication using a wireless communication line (communication channel) controlled by the control station.
[0003]
In addition, the wireless communication device requires maintenance and management, and in particular, it is necessary to update software when a new function is added or a defect is corrected. To update the software, the maintenance staff goes to the installation location of the wireless communication device and replaces the ROM itself in which the program is written as shown in FIG. 5 or the wireless communication device and the maintenance device as shown in FIG. Can be connected by wire, and new software can be loaded into the flash memory in which the program has been written. The loading method of FIG. 6 will be described below.
[0004]
First, the write control program 605A received from the PC 604 is transferred to the RAM 603 by a boot program (a program that operates at power-on or reset), and the entire area of the flash memory 602 is erased after the reception of the write control program 605A. After the erasure is completed, the program is switched from the boot program 601 to the write control program 605A transferred to the RAM 603. The application program 605B received from the maintenance device (PC) 604 is written to the flash memory 602. When the writing is completed, the wireless device is restarted, so that the new application program 605B is read, and the update is completed.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Normally, as shown in FIG. 3, the wireless communication devices are divided into groups (departments) or are installed at different locations. Further, a plurality of terminal stations exist in one system. Therefore, as described above, in order for maintenance personnel to perform maintenance such as updating software, it is necessary to go directly to the site to change the installation location of the wireless communication device. Furthermore, when performing maintenance, it is necessary to perform maintenance by connecting a plurality of wireless communication devices and maintenance devices one by one by wire, which requires a great deal of labor.
[0006]
An object of the present invention is to improve the above and to allow a maintenance person to update a plurality of software at a time without having to go to a location where a wireless communication device is installed as shown in FIG.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is configured so that software of a wireless communication device can be downloaded and updated using a wireless line of a wireless system.
[0008]
In addition, the current software is saved at the time of updating, and in the unlikely event that the new software is introduced and does not operate normally, the saved current software is restored.
[0009]
In addition, regardless of whether the update has succeeded or failed, when the update is attempted and the processing is completed, the version information is always notified to the transfer source.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The remote maintenance method of the present invention will be described below with reference to the flowchart of FIG. 1 and the wireless device configuration diagram of FIG.
[0011]
First, the transfer source notifies the wireless terminal station that the software can be updated (block 101). Upon receiving the notification, the terminal station starts downloading new software (block 102). The software to be downloaded always has a version information area, and is updated every time the version is upgraded.
[0012]
If the download is successful (no error) and it is determined that the data was successfully stored in the download memory 201 by the error correction coding method, the mode shifts to the software update mode (block 104). If the download failed, a retransmission request is issued to the transfer source. (Block 110), download is attempted again.
[0013]
When the software download is completed and the mode can be normally shifted to the software update mode, the software is updated (block 104). At this time, before writing new software in the program area 203, the current software is transferred from the program area 203 to the save memory 202.
[0014]
Thereafter, the new software is written into the program area 203 (block 105). When the writing is completed, the communication device is restarted (block 106) and the new software is read. When the restart is completed and operates normally, the terminal station notifies the base station of version information (block 108), and the processing is completed (WDT (watchdog) The timer 205 monitors the CPU 204.)
[0015]
Also, at the time of updating the program, a WDT (watchdog timer) 205 performs monitoring, and if the software does not operate normally, a notification can be made. When an error occurs by monitoring using the WDT 205, it is determined that the software update has failed or there is a problem with the software, and the old version of the software is restored (block 109).
[0016]
For recovery, it is assumed that a program is read from the evacuation memory 202 and written to the program area 203.
[0017]
When the software is restored to the old version, update the software again.
FIG. 7 shows an embodiment of the present invention in comparison with the prior art of FIG. FIG. 7 is described below.
[0018]
First, the write control program 605A sent from the transmission / reception unit 501 is transferred to the RAM 704 by the boot program 701. Thereafter, the write control program 605A stored in the RAM 705 is erased after the reception is completed.
[0019]
After the erasure is completed, the boot program 701 is switched to the write control program 605A transferred to the RAM 704, and the application program 605B sent from the transmission / reception unit 501 is written to the RAM 705 by the write control program 605A.
[0020]
Subsequently, the data in the RAM 705 is checked for errors, and if there is no error, the current software in the program memory 702 is transferred to the program memory 703.
[0021]
Subsequently, new software (application program 605B) is transferred from the RAM 705 to the program memory 702, and the wireless device is restarted.
[0022]
Once the reboot is complete and the new software has been successfully loaded, the software update is complete.
[0023]
【The invention's effect】
According to the present invention, instead of a maintenance person going to the site and connecting the maintenance device and the wireless terminal one by one and updating the software by one wire, the software of a plurality of terminals is updated collectively by one operation. It becomes possible.
[0024]
Further, since the program is saved so that it can be restored when an error occurs, it is possible to prevent a communication failure due to an update failure.
[0025]
In addition, by notifying the transfer source of the version information, it is possible to manage the versions at the transfer source, prevent inconsistency of devices of various versions, and determine whether the update was successful or failed It is.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flowchart showing the operation of a remote maintenance system according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram showing a configuration of a communication device in a remote maintenance system according to an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a diagram showing a maintenance method as an example of the related art.
FIG. 4 is a diagram showing a remote maintenance method according to an embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a block diagram showing a configuration of a wireless device in a maintenance system, which is an example of the related art (ROM replacement system).
FIG. 6 is a block diagram showing a configuration of a wireless device in a maintenance system as an example of the related art (wireless loading system to a flash memory).
FIG. 7 is a block diagram showing a configuration of a wireless device in a remote maintenance system according to an embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
101: software update notification processing block, 102: software download processing block, 103: download normal completion determination block, 104: software update mode transition processing block, 105: software update processing block, 106: device restart processing block, 107: normal Start determination block, 108: version information notification processing block, 109: old version software load processing block, 110: software retransmission request processing block, 201: download memory, 202: save memory, 203: program area, 204: CPU, 205 : WDT, 301: base station (transfer source), 302A to 302C: group (department), 303: maintenance personnel, 501: transmitting / receiving unit, 502: MPU, 503: program memory (ROM), 50 : RAM, 505: operation unit, 601: boot program, 602: program memory (flash memory), 603: RAM, 604: PC (maintenance equipment), 605: program data, 605A: write control program, 605B: application program, 701: boot program, 702: program memory (program area), 703: program memory (backup area), 704: RAM, 705: RAM, 706: WDT (watchdog timer).