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シャイニング・スターからのメッセージ── 『VOGUE JAPAN』2024年2月号、エディターズレター

「シャイニング・スター」をテーマに掲げた今号では、「2024年の輝く光」にフォーカス! 表紙には、幼い頃からスターパワーを発揮してきたセレーナ・ゴメスが初登場。東西占術で2024年を読み解く恒例の占星術特集や開運小物カタログほか、スター(星)からのメッセージが詰まった1冊に。

2024年の水瓶座は「勝負事に強いとき。さまざまなことに挑戦を」とのこと。私もさらなる挑戦を続けたいと思います。

今月号は私にとって、ヴォーグジャパンのヘッド・オブ・エディトリアル・コンテントになってちょうど2周年という節目になりました。着任したときに私の手もとに、未来を占える水晶玉があったら、きっと胸がときめいたことでしょう──それほど、この2年間は素敵なファッションとの多くの出合いがあり、刺激を与えてくれる人に恵まれ、しかも仕事やバランス感覚など、たくさんのことについて、生きていくうえで大いに役立つ教訓を得ました。私の日本語も上達している……といいのですが、どうでしょう?

そして今は一年のなかでも、新たにスタートを切るタイミングです。本誌の占星術スペシャル(p.132)も、すっかりこの時期の定番になっていますね! 序章では、鏡リュウジさんが2024年をダイナミックに読み解き、来る年の運気を東西の占星術家が丁寧に解説、アドバイスします。加えてこの号では、2024年の運気をアップする12星座別のラッキーアイテム図鑑もご用意しました(p.145)。ウォレットや時計キャンドルなどをピックアップしたこの開運小物カタログで、運命のアイテムと巡り合えるかもしれませんよ! 冗談はさておき、星占いは私たちの心を活気づかせ、明るく輝く未来へと誘ってくれる、魅力的な道しるべであることは間違いないでしょう。個人的には、星占いは、心の奥底でわかっていることを言い当ててくれて、自分の感覚に間違いはなかったのだと、改めて信頼感を深める機会になっています。

そして2月号の表紙にも夜空の星に負けないほど、輝くスターがいます。「パーフェクトじゃないけれど、そこがパーフェクト」という言葉がぴったりのパッチワークのコートをまとい、きっぱりとした視線でこちらを見つめるその人は、セレーナ・ゴメスです。皆さんもご存じの通り、幼いころからスターパワーを発揮してきたセレーナは、今では複数のジャンルでその才能を花開かせています。子役時代から常にパパラッツィに追いかけられる、ループス腎炎(全身性エリテマトーデス)という難病を患い、腎臓移植サバイバーであり、メンタルヘルスの危機がメディアで盛んに取り上げられる──しかも、これらすべてを30歳になる前に体験したのです。そのすさまじさは、今の一文を書いている間、私自身もその目まぐるしさに息を呑んでしまったほど。そんな彼女が自身のこれまでとこれからについて、今回の記事で実に率直に語ってくれたことに、本当に感謝しています(p.41)。

今ではソーシャルメディアで自分をさらけ出すのは、誰でもやっている、当たり前のことになりました。でも自分の生活のほとんどの部分が人目にさらされ、毎分毎秒を詮索されたら、と想像してみてください。でもよい意味で驚きなのは、セレーナを愛するファンが、こんな激動の時期にもまったく動揺しなかったことです。インスタグラムのフォロワーだけでも、彼女には4億2900万人のファンがいます。ここまでの共感を呼ぶのは、私たちの誰もが自分を投影できる部分を、セレーナが持っているからではないでしょうか。ミュージシャン、俳優、実業家と、複数の肩書を持つ彼女は今、自らのビューティー・ブランド「レア・ビューティー」が大成功を収め、以前からの念願だった、メンタルヘルスの問題に悩む若い女性のサポートも、同ブランドのチャリティ部門であるレア・インパクト基金で実現しつつあります。彼女は人生をかけるべきミッションを見つけたようです。その根底にあるのは、確固とした自我、そして自分への信頼に裏打ちされた、人を助けたいという思いです。

私と同じ水瓶座の人も、あるいはほかの星座の人も、セレーナのように目的意識を持ち、自らを導く光として、2024年を生きてほしい──それが新年を迎えるにあたっての、私の願いです。

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Text: Tiffany Godoy Translation: Tomoko Nagasawa Artwork: saeko