業界概要
学術・産業から環境・医療など利用分野が拡大分析機器とは、物質の組成や性質、構造、状態などを定性的、定量的に測定するための機械器具や装置をいう。用途別にみると、電気化学分析装置や光分析装置、電磁気分析装置、分離分析装置、分解・蒸留・分離・濃縮装置、熱分析・熱測定装置などがある。学術研究をはじめ、産業や生活環境、地球環境、医療などの先端分野で利用が着実に増えており、それに伴い多種多様な分析機器が開発されている。分析機器は製造業だけでなく、バイオ・医療やエネルギー・環境など幅広い業界の企業が活用する。販売先は主に民間企業のほか、大学や国の研究機関などがある。(2024/09/20調査)
計測・分析機器のレポート
業界レポートを閲覧することで、最新の業界動向・競合環境を簡単に理解・把握できます
市場動向
生化学分野の国際競争力強化が課題新エネルギー・産業技術総合開発機構（ＮＥＤＯ）の技術戦略研究センターが２０１８年に公表したレポート「計測分析機器分野の技術戦略策定に向けて」によると、１３年の世界の計測分析機器市場は約４兆円で、０１年から年平均約５％で成長している。計測分析機器市場シェアのトップは米国で、２位を日本とドイツが争っており、日本のシェアは１０％程度。日本は電子顕微鏡やＸ線分析装置で強い競争力を持つ一方、最も市場規模が大きく成長が予想されるライフサイエンス機器では国際競争力が弱い。研究開発面でも大規模な研究投資や政策的支援の不足、開発を担う大学や企業への支援も足りないなど、課題があるとされる。
安倍元政権の新成長戦略（基本方針）のなかでは、政策的・社会的意義が高い先端的研究開発が支援対象となり、理工系や生物・医学系の幅広い研究領域が予算化された。計測・分析機器はそうしたイノベーションを生み出す基盤を担っているため、これら機器の技術革新についても高い関心を集めている。(2024/09/20調査)
安倍元政権の新成長戦略（基本方針）のなかでは、政策的・社会的意義が高い先端的研究開発が支援対象となり、理工系や生物・医学系の幅広い研究領域が予算化された。計測・分析機器はそうしたイノベーションを生み出す基盤を担っているため、これら機器の技術革新についても高い関心を集めている。(2024/09/20調査)
競合状況
島津製作所、メキシコに販売子会社分析装置の国内大手は日立ハイテク（旧日立ハイテクノロジーズ）。電子デバイスや医療など幅広い分野で高いシェアを占める。日立ハイテクは２０２５年１月にヘルスケア関連の新工場を稼働させると発表した。茨城県ひたちなか市の工場の建屋と土地を取得し、個別化医療に不可欠な体外診断・分子診断向けの分析装置などを製造する。２２年７月には車載リチウムイオン電池の劣化状態を遠隔で把握するサービスを開発したと発表した。日立製作所は日立ハイテクを完全子会社にし、２０年５月に上場廃止にした。
横河電機は２４年２月、インドの流量計メーカー大手、アデプト・フルイダインを買収すると発表した。３月末までに同社の全株式の取得を完了する予定だ。インドでは生産拠点の新設やインフラの整備が進み、工場や水道インフラ向けに液体や気体などの流量を測る計器の需要が高まるとみて、買収によって製品や現地生産を増やす。アデプト・フルイダインは１９８３年に設立し、電磁流量計や超音波流量計を開発、製造、販売している。インド全土に販売網を持ち、２５カ国以上に製品を輸出している。横河電機は８７年にインドに現地法人を設立し、エネルギー産業などのプラント向け制御システムや計測機器を提供する。インドには研究開発センターなども展開している。(2024/09/20調査)
横河電機は２４年２月、インドの流量計メーカー大手、アデプト・フルイダインを買収すると発表した。３月末までに同社の全株式の取得を完了する予定だ。インドでは生産拠点の新設やインフラの整備が進み、工場や水道インフラ向けに液体や気体などの流量を測る計器の需要が高まるとみて、買収によって製品や現地生産を増やす。アデプト・フルイダインは１９８３年に設立し、電磁流量計や超音波流量計を開発、製造、販売している。インド全土に販売網を持ち、２５カ国以上に製品を輸出している。横河電機は８７年にインドに現地法人を設立し、エネルギー産業などのプラント向け制御システムや計測機器を提供する。インドには研究開発センターなども展開している。(2024/09/20調査)
関連業界
| 業界名 | 関連企業 | 概要 |
|---|---|---|
| 光学レンズ・機器・周辺部品 | カメラ用レンズ、望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡等、光学機器・レンズ・光学機器用の反射鏡を製造する。 | |
| 検査機器 | 工業製品向けの検査機器、試験機器を製造する。半導体用、太陽電池用を除く。 | |
| 遺伝子検査・解析機器 | 染色体、ＤＮＡの分析、解析、検出の際に使用する機器装置を製造する。 |
関連企業
関連するビジネステーマ
| ビジネステーマ名 | 概要 | 関連企業 |
|---|---|---|
| 熱中症指数計 | 熱中症の危険度を示す指標である「暑さ指数（WBGT）」を測定する機器「熱中症指数計」に関するビジネステーマ | |
| 地震観測関連機器 | 地震計など地震の観測を行うための関連機器およびシステムの開発に関連するビジネステーマ | |
| バッテリー管理システム | 電池の状態を監視・制御するバッテリー管理システムに関するビジネステーマ |