JP5669034B2 - 電磁波反射部材 - Google Patents
電磁波反射部材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5669034B2 JP5669034B2 JP2014001187A JP2014001187A JP5669034B2 JP 5669034 B2 JP5669034 B2 JP 5669034B2 JP 2014001187 A JP2014001187 A JP 2014001187A JP 2014001187 A JP2014001187 A JP 2014001187A JP 5669034 B2 JP5669034 B2 JP 5669034B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- retardation
- electromagnetic wave
- layer
- film
- wavelength
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Optical Filters (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
しかしながら、コレステリック液晶は、左螺旋ピッチを有するものは自然界にほとんど存在せず、光学的合成手法によりコレステリック液晶を製造する必要があるため非常に高価である。その結果、左円偏光成分を反射するコレステリック液晶膜と右円偏光成分を反射するコレステリック液晶膜とを積層した選択反射部材も高価なものとなるため、工業的に安価に生産するのが困難である。これに対し、図13bのようなλ/2板を介して一対のコレステリック液晶膜を積層した構造の選択反射部材は、いずれのコレステリック液晶膜も右円偏光成分を反射する右螺旋構造を有するコレステリック液晶膜を使用することができる利点を有する。
入射した電磁波に対して、波長がλである右または左円偏光成分の電磁波のみを反射する第一の選択反射層と、位相差層と、波長がλである右または左円偏光成分の電磁波のみを反射する第二の選択反射層と、をこの順で備え、
前記位相差層が、下記式:
Re={(2n+1)/2±0.2}・λ
(式中、Reはリタデーションを表し、λは波長を表し、nは1以上の整数を表す)
を満足する平均リタデーションを有することを特徴とするものである。
本発明において使用する位相差層は、平均リタデーションが、下記式(1):
Re={(2n+1)/2±0.2}・λ (1)
を満たす必要がある。なお、式(1)中、Reはリタデーションを表し、λは波長を表し、nは1以上の整数を表す。なお、本明細書中、位相差層のリタデーションとは、位相差層中で最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)と位相差層の厚み(d)とにより、下記式(2):
Re=(nx−ny)×d (2)
によって定義されるものであり、平均リタデーションとは、位相差層の任意の200mm幅の間について、均等間隔(10mm)で20点のリタデーションを測定し、それら各値を平均したものと定義する。なお、リタデーションは、例えば王子計測機器製のKOBRA−WX100/IR等により測定(測定角0°)することができる。
本発明において使用する選択反射層は、層の一方の面から入射する電磁波のうち左円偏光成分又は右円偏光成分を選択反射し、残りの成分を透過する機能を有している。このように特定の波長のみを反射できる材料として、コレステリック液晶材料が知られている。コレステリック規則性を有する液晶材料は、液晶のプレーナー配列のヘリカル軸に沿って入射した光(電磁波)の右旋および左旋の2つの円偏光のうち一方の偏光を選択的に反射する性質を有している。この性質は、円偏光二色性として知られ、コレステリック液晶分子の螺旋構造における旋回方向を適宜選択すると、その旋回方向と同一の旋光方向を有する円偏光が選択的に反射される。この場合の最大旋光偏光光散乱は、下記式(3):
λ=nav・p (3)
において選択波長λで生じる。なお、式(3)中、navはヘリカル軸に直交する平面内の平均屈折率であり、pは液晶分子の螺旋構造におけるヘリカルピッチである。
Δλ=Δn・p (4)
で表される。なお、式(4)中、Δnは、コレステリック液晶材料の複屈折率である。すなわち、コレステリック規則性を有する液晶材料からなる選択反射層は、選択波長λを中心とした波長バンド幅Δλの範囲の光(電磁波)の右旋または左旋の円偏光成分の一方を反射し、他方の円偏光成分と他の波長領域の無偏光の光(電磁波)とを透過させる。
上記した第一および第二選択反射層は、位相差層を基材として、その両面にコレステリック液晶材料を適用することにより形成してもよいが、各層の間に接着剤層を介在させて積層されていてもよい。接着剤層としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の親水性接着剤や、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤等を好適に使用することができるが、これらに限定されるものではなく、所望の波長を透過できれば、いずれも粘着剤も接着剤層として使用することができる。また、図4に示すように、位相差層2’上に選択反射層1を設けたものと、位相差層2上に選択反射層3を設けたものとを、選択反射層1と、位相差層2とが重なり合うように積層した構成とすることもできる。このような構成とすることにより、塗布による選択反射層の形成工程と各層の接着工程とを各1回行うだけで電磁波反射部材を形成できるため、電磁波反射部材をより簡易かつ安価に得ることができる。なお、選択反射層1の下部に設けられた位相差層2’側から光が入射する場合、入射光は無偏光であるため、図4に示す構成の電磁波反射部材であっても、図1に示す構成の電磁波反射部材と全く同様の光学的作用を有する。
上記したような本発明による電磁波反射部材は、コレステリック液晶材料の選択反射波長λを用途に応じて適宜選択することにより、特定波長を反射する光反射板や熱線反射板として使用することができる。例えば、近赤外線ないし熱線域を反射するようにλを選択した電磁波反射部材を二枚のガラスで挟み込んだものは、自動車用の熱線反射ガラスとして用いることができる。このような場合においても、本発明による電磁波反射部材を用いることにより、ガラス面全体で均一な反射特性と高効率な反射特性とを併せ持つ熱線反射ガラスが安価に製造することができる。
<位相差層の準備>
位相差層として、ポリエチレンテレフタレートからなる二軸延伸フィルム(ルミラー(登録商標)U35、東レ株式会社製)を準備した。このフィルムの厚みは、188μmであり、平均リタデーションを王子計測機器製のKOBRA−WX100/IRを用いて測定(測定角0°、波長1200nm)したところ、約4083nmであった。よって、上記式(1)においてn=3を満足するものであった。また、この2軸延伸フィルムのTD方向のリタデーション面内分布、およびMD方向のリタデーション面内分布は、図6および図7に示す通りであった。
両末端に重合可能なアクリレートを有するとともに中央部のメソゲンと前記アクリレートとの間にスペーサを有する、液晶性モノマー分子(Paliocolor(登録商標) LC1057(BASF社製))97.2部と、両側の末端に重合可能なアクリレートを有するカイラル剤分子(Paliocolor(登録商標) LC756(BASF社製))2.8部とを溶解させたシクロヘキサノン溶液を準備した。なお、前記シクロヘキサノン溶液には、前記液晶性モノマー分子に対して2.5重量%の光重合開始剤(イルガキュア184)を添加した(固形分40重量%)。
位相差層として、実施例1で用いた二軸延伸フィルムを用いた。この二軸延伸フィルムの一方の面上に、実施例1と同様にして選択反射層を形成し、次いで、この二軸延伸フィルムの他方の面上にも、上記と同様にして選択反射層を形成することにより、電磁波反射部材を作製した。得られた電磁波反射部材の反射特性を、分光光度計を用いて測定(正反射角5°で測定)したところ、図8(実線)に示した反射特性と同様の特性であった。
位相差層として、実施例1で用いた二軸延伸フィルムに代えて、ポリエチレンテレフタレートからなる二軸延伸フィルム(ルミラー(登録商標)T60、東レ株式会社製)を用いた。このフィルムの厚みは、38μmであり、平均リタデーションを王子計測機器製のKOBRA−WX100/IRを用いて測定(測定角0°、波長1200nm)したところ、約1944nmであった。よって、上記式(1)においてn=1を満足するものであった。また、この2軸延伸フィルムのTD方向のリタデーション面内分布、およびMD方向のリタデーション面内分布は、図9および図10に示す通りであった。
位相差層として、実施例1で用いた二軸延伸フィルムを用い、この二軸延伸フィルムの一方の面上に実施例1と同様にして選択反射層を形成した。この二軸延伸フィルム上に選択反射層を設けた部材と全く同様の部材を作製し、両部材を、一方の部材の二軸延伸フィルムと他方の部材の選択反射層とが重なり合うように積層することにより、図4に示すような層構成の電磁波反射部材を作製した。得られた電磁波反射部材の反射特性を、分光光度計を用いて測定(正反射角5°で測定)したところ、図8(実線)に示した反射特性と同様の特性であった。
実施例1で用いた二軸延伸フィルムを2枚重ねた以外は実施例1と同様にして、電磁波反射部材を作製した。二軸延伸フィルムを2枚重ねたことにより、位相差層の平均リタデーションは約8160nmとなり、上記式(1)のn=6.5であり式(1)を満足しないものであった。得られた電磁波反射部材について、実施例1と同様にして反射特性を測定したところ、図8(破線)に示す通りであった。
実施例1で用いた二軸延伸フィルムに代えてガラス(リタデーション0)を用いた以外は、実施例1と同様にして電磁波反射部材を作製した。得られた電磁波反射部材について、実施例1と同様にして反射特性を測定したところ、図12(破線)に示す通りであった。なお、図12中の実線は、実施例1の電磁波反射部材の反射特性を表す。
2、2’ 位相差層
3 第二の選択反射層
11 コレステリック液晶層(右旋光)
12 コレステリック液晶層(左旋光)
13 コレステリック液晶層(右旋光)
14 λ/2板(位相差層)
10 電磁波反射部材
20 位相差層(λ/2板)
21 位相差層(λ/4板)
Claims (7)
- 特定波長の電磁波を反射する電磁波反射部材であって、
入射した電磁波に対して、波長がλである右または左円偏光成分の電磁波のみを反射する第一の選択反射層と、位相差層と、波長がλである右または左円偏光成分の電磁波のみを反射する第二の選択反射層と、をこの順で備え、
前記位相差層が、下記式:
Re={(2n+1)/2±0.2}・λ
(式中、Reはリタデーションを表し、λは波長を表し、nは2以上の整数を表す)
を満足する平均リタデーションを有する延伸した高分子フィルムからなり、
前記高分子フィルムのリタデーション面内分布が、±25nm以上であることを特徴とする、電磁波反射部材。 - 前記反射波長λが、400nm〜20μmの範囲内にある、請求項1に記載の電磁波反射部材。
- 前記高分子フィルムのリタデーション面内分布が、平均リタデーションの±10%以下である、請求項1または2に記載の電磁波反射部材。
- 前記高分子フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁波反射部材。
- 前記選択反射層が、カイラルネマチック液晶を固定化したものを含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電磁波反射部材。
- 前記反射波長λが750nm以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電磁波反射部材。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電磁波反射部材を備えた熱線反射ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014001187A JP5669034B2 (ja) | 2009-02-26 | 2014-01-07 | 電磁波反射部材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009043751 | 2009-02-26 | ||
JP2009043751 | 2009-02-26 | ||
JP2014001187A JP5669034B2 (ja) | 2009-02-26 | 2014-01-07 | 電磁波反射部材 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009134135A Division JP5455019B2 (ja) | 2009-02-26 | 2009-06-03 | 電磁波反射部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014098922A JP2014098922A (ja) | 2014-05-29 |
JP5669034B2 true JP5669034B2 (ja) | 2015-02-12 |
Family
ID=50940924
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014001187A Active JP5669034B2 (ja) | 2009-02-26 | 2014-01-07 | 電磁波反射部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5669034B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101694257B1 (ko) * | 2016-06-20 | 2017-01-10 | 에스케이씨 주식회사 | 편광자 보호 필름, 이를 포함하는 편광판, 및 이를 구비한 표시 장치 |
KR101694258B1 (ko) * | 2016-06-20 | 2017-01-09 | 에스케이씨 주식회사 | 편광자 보호 필름, 이를 포함하는 편광판, 및 이를 구비한 표시 장치 |
JP6945529B2 (ja) * | 2016-06-22 | 2021-10-06 | 富士フイルム株式会社 | 導光部材および液晶表示装置 |
WO2021060407A1 (ja) * | 2019-09-27 | 2021-04-01 | 富士フイルム株式会社 | 投映像表示用部材、ウインドシールドガラスおよびヘッドアップディスプレイシステム |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2841377B2 (ja) * | 1988-08-25 | 1998-12-24 | 住友化学工業株式会社 | 位相差板 |
DE19745647A1 (de) * | 1997-10-15 | 1999-04-22 | Basf Ag | Wärmeisolationsbeschichtung |
JP2000028827A (ja) * | 1998-07-10 | 2000-01-28 | Nitto Denko Corp | 光学フィルタおよびプラズマディスプレイ表示装置 |
JP2000162419A (ja) * | 1998-11-26 | 2000-06-16 | Toyobo Co Ltd | 位相差フィルム |
JP4644916B2 (ja) * | 2000-07-25 | 2011-03-09 | 東レ株式会社 | 偏光フィルム貼り合わせ用ポリエステルフィルム |
JP4814419B2 (ja) * | 2000-09-18 | 2011-11-16 | 日東電工株式会社 | 光学素子、面光源装置及び液晶表示装置 |
JP4039605B2 (ja) * | 2001-11-08 | 2008-01-30 | 大日本印刷株式会社 | コレステリック液晶フィルター |
-
2014
- 2014-01-07 JP JP2014001187A patent/JP5669034B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014098922A (ja) | 2014-05-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10890777B2 (en) | Electromagnetic wave reflecting member | |
WO2011077809A1 (ja) | 赤外線反射部材 | |
KR101162789B1 (ko) | 다층 콜레스테릭 액정 광학체의 제조 방법 | |
JP2000284126A5 (ja) | ||
EP1599749B1 (en) | Methods of manufacture of cholesteric liquid crystal optical bodies | |
JP3745221B2 (ja) | 円偏光抽出光学素子及びその製造方法、偏光光源装置、液晶表示装置 | |
WO2015030176A1 (ja) | 応力表示部材および応力表示部材を用いたひずみ測定方法 | |
WO2004063779A1 (ja) | 広帯域コレステリック液晶フィルム、その製造方法、円偏光板、直線偏光子、照明装置および液晶表示装置 | |
JP5669034B2 (ja) | 電磁波反射部材 | |
JP2005037657A (ja) | 光学積層体、その製造方法及び輝度向上フィルム | |
JP6479699B2 (ja) | 車両用画像表示機能付きミラーおよびその製造方法 | |
JP4345312B2 (ja) | 広帯域1/4波長板原反、広帯域円偏光板原反、光学素子原反及び表示装置 | |
JP2003294948A (ja) | 帯域フィルタ及びこれを用いた面光源装置 | |
JP2006064758A (ja) | 光学積層体、その製造方法及び輝度向上フィルム | |
JP3811465B2 (ja) | 偏光素子、偏光光源およびそれらを用いた画像表示装置 | |
US20150168622A1 (en) | Infrared-ray reflective member | |
JPWO2005026830A1 (ja) | 照明装置及び液晶表示装置 | |
JP5025121B2 (ja) | 円偏光分離シート及びその製法、並びにそれを用いた液晶表示装置 | |
JP2011137855A (ja) | 電磁波反射部材の製造方法 | |
JP2011145705A (ja) | 円偏光分離シート及びその製法、並びにそれを用いた液晶表示装置 | |
JP2003294940A (ja) | 光学フィルタ及びこれを用いた面光源装置 | |
JP5202096B2 (ja) | 積層偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP5202095B2 (ja) | 積層偏光板、液晶表示装置、並びに偏光散乱板 | |
JP7463521B2 (ja) | 光学素子および反射シート | |
JP2007047218A (ja) | 円偏光分離シート及びその製法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140917 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140919 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141027 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141121 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141204 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5669034 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02 |