JP3780568B2 - Control device for hybrid vehicle - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハイブリッド車両に係り、特に、エンジンを動力源とする走行時に所定の条件下で電動モータによるトルクアシストを行うハイブリッド車両の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料の燃焼によって作動するエンジンと、電気エネルギーで作動する電動モータとを車両走行時の動力源として備えており、運転者によって操作されるアクセル操作手段のアクセル操作量に応じて前記エンジンおよび前記電動モータの作動状態をそれぞれ電子制御するとともに、そのアクセル操作量の増加時、すなわちエンジンのスロットル弁開度に対してアクセル操作量が大きい時には、スロットル弁開度の変化を制限するとともに電動モータによるトルクアシストを行うハイブリッド車両が、例えば特開昭63−284030号公報に記載されている。このようなハイブリッド車両によれば、エンジンのスロットル弁開度の急な増大が回避されるため、NVH(騒音、振動、乗り心地)や燃費、エミッション等が向上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにアクセル操作量の増加時に常に電動モータによるトルクアシストを行うと、電動モータの使用頻度や電力消費量が多くなるため、蓄電装置の蓄電容量を大きくしたり、エンジンによる充電機会を多くしたりするなどの対策が必要であるとともに、電動モータの耐久性が損なわれるという問題があった。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、NVHや燃費、エミッション等に対する要求を満足させつつ電動モータの使用頻度や電力消費量をできるだけ少なくすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、燃料の燃焼によって作動するエンジンと、電気エネルギーで作動する電動モータとを車両走行時の動力源として備えており、運転者によって操作されるアクセル操作手段のアクセル操作量に応じて前記エンジンおよび前記電動モータの作動状態をそれぞれ電子制御する一方、そのエンジンを動力源とする走行時には、前記アクセル操作量の増加時に加速運転時の補正係数による燃料噴射量の増量を行うハイブリッド車両の制御装置において、(a) 前記加速運転時の燃料噴射量の増量補正が所定値を超えないように制限して前記エンジンの急激な出力変化を抑制するとともに、その増量補正の制限に伴うトルクの不足分を前記電動モータによって補うアシスト制御手段を有する一方、(b) 前記電動モータの使用不可時には、前記加速運転時の燃料噴射量の増量補正を制限しないことを特徴とする。
第2発明は、第1発明のハイブリッド車両の制御装置において、(a) 前記加速運転時の燃料噴射量の増量補正は、クランク角同期噴射制御における加速運転時の補正係数FACによる補正で、(b) 前記アシスト制御手段は、その加速運転時の補正係数FACが所定値FAC * を超えないように制限するとともに、その加速運転時の補正係数FACの制限に伴うトルクの不足分を前記電動モータによって補うものであることを特徴とする。
第3発明は、第1発明のハイブリッド車両の制御装置において、(a) 前記加速運転時の燃料噴射量の増量補正は、急加速時に臨時に行われるクランク角非同期噴射による補正で、(b) 前記アシスト制御手段は、そのクランク角非同期噴射の噴射量TB が所定値TB * を超えないように制限するとともに、そのクランク角非同期噴射の噴射量TB の制限に伴うトルクの不足分を前記電動モータによって補うものであることを特徴とする。
【0008】
【発明の効果】
本発明のハイブリッド車両の制御装置は、加速運転時の燃料噴射量の増量補正が制限されるとともに、その増量補正の制限に伴うトルクの不足分を電動モータによって補うようになっているため、NVHや燃費、エミッションを大きく損なうことなく電動モータの使用頻度や電力消費量が低減される。燃料噴射量は基本的にはアクセル操作量に応じて制御されるため、電動モータによるアシスト量は比較的小さくて済むのである。
【0009】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明は、例えばクラッチにより動力伝達を接続、遮断することによって動力源を切り換える切換タイプや、遊星歯車装置などの合成、分配機構によってエンジンおよび電動モータの出力を合成したり分配したりするミックスタイプなど、エンジンと電動モータとを車両走行時の動力源として備えている種々のタイプのハイブリッド車両に適用され得る。電動モータを駆動輪毎に配設することも可能である。
【0010】
本発明はエンジンを動力源とする走行時の制御に関するもので、エンジンのみで走行する場合は勿論であるが、エンジンおよび電動モータの両方を用いて走行する場合にも適用され得る。なお、アクセル操作量や車速、蓄電装置の蓄電量(蓄電状態)SOCなどの運転状態により、電動モータのみを動力源として走行するモータ運転モードなど他の運転モードが実施されるようになっていても良い。
【0011】
本発明のアシスト制御手段は、燃料噴射量の増量補正が所定値を超えないように構成され、電動モータによるトルクアシスト量とエンジン出力の抑制量(本来の増加からの低減量)とは略同じであることが望ましいが、それ等の間に多少の差があっても差し支えない。
【0012】
アシスト制御手段は、例えばエンジンおよび電動モータを動力源とする走行時には電動モータのモータトルクを通常よりも大きく上昇させ、エンジンのみを動力源とする走行時に電動モータがフリー回転している場合は電動モータに回転トルクを与え、エンジンのみを動力源とする走行時に電動モータが発電機として充電制御を行っている場合はモータトルク(回生制動トルク)を低下させるなど、電動モータの作動状態に応じて種々の態様で実施できる。
【0013】
アクセル操作量の増加時の加速運転時の燃料噴射量の増量補正としては、クランク角同期噴射および非同期噴射の2種類が知られており、その何れか一方のみに適用する場合であっても良いが、両方に適用することも可能である。同期噴射の増量補正は、例えばアクセル操作量の変化から予測される負荷変化量やエンジン水温などをパラメータとして求められ、非同期噴射の増量補正は、例えばアクセル操作量の変化から予測されるスロットル弁開度の変化率などをパラメータとして求められる。負荷変化量は、例えば吸入行程1回当たりの吸入空気量の変化量ΔQ/NE などである。
【0014】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である制御装置を備えているハイブリッド車両のハイブリッド駆動装置10の骨子図である。このハイブリッド駆動装置10はFR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両用のもので、燃料の燃焼によって作動するエンジン(ガソリンエンジンなど)12と、電動モータおよび発電機として使用されるモータジェネレータ14と、シングルピニオン型の遊星歯車装置16と、自動変速機18とを車両の前後方向に沿って備えており、出力軸19から図示しないプロペラシャフトや差動装置などを介して左右の駆動輪(後輪)へ動力を伝達する。遊星歯車装置16は機械的に力を合成分配する合成分配機構で、モータジェネレータ14と共に電気式トルコン24を構成しており、そのリングギヤ16rは第1クラッチCE1 を介してエンジン12に連結され、サンギヤ16sはモータジェネレータ14のロータ軸14rに連結され、キャリア16cは自動変速機18のインプットシャフト26に連結されている。また、サンギヤ16sおよびキャリア16cは第2クラッチCE2 によって連結されるようになっている。なお、エンジン12の出力は、回転変動やトルク変動を抑制するためのフライホイール28およびスプリング、ゴム等の弾性部材によるダンパ装置30を介して第1クラッチCE1 に伝達される。第1クラッチCE1 および第2クラッチCE2 は、何れも油圧アクチュエータによって係合、解放される摩擦式の多板クラッチである。
【0015】
自動変速機18は、前置式オーバードライブプラネタリギヤユニットから成る副変速機20と、単純連結3プラネタリギヤトレインから成る前進4段、後進1段の主変速機22とを組み合わせたものである。具体的には、副変速機20はシングルピニオン型の遊星歯車装置32と、油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる油圧式のクラッチC0 、ブレーキB0 と、一方向クラッチF0 とを備えて構成されている。主変速機22は、3組のシングルピニオン型の遊星歯車装置34、36、38と、油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる油圧式のクラッチC1 , C2 、ブレーキB1 ,B2 ,B3 ,B4 と、一方向クラッチF1 ,F2 とを備えて構成されている。そして、図2に示されているソレノイドバルブSL1〜SL4の励磁、非励磁により油圧回路44が切り換えられたり、シフトレバー40に機械的に連結されたマニュアルシフトバルブによって油圧回路44が機械的に切り換えられたりすることにより、係合手段であるクラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 ,B4 がそれぞれ係合、解放制御され、図3に示されているようにニュートラル(N)と前進5段(1st〜5th)、後進1段(Rev)の各変速段が成立させられる。なお、上記自動変速機18や前記電気式トルコン24は、中心線に対して略対称的に構成されており、図1では中心線の下半分が省略されている。
【0016】
図3のクラッチ、ブレーキ、一方向クラッチの欄の「○」は係合、「●」はシフトレバー40がエンジンブレーキレンジ、すなわち「3」、「2」、または「L」レンジ、或いは「DM(ダイレクトモード)」レンジへ操作された場合に係合、そして、空欄は非係合を表している。その場合に、ニュートラルN、後進変速段Rev、及びエンジンブレーキレンジは、シフトレバー40に機械的に連結されたマニュアルシフトバルブによって油圧回路44が機械的に切り換えられることによって成立させられ、シフトレバー40がD(前進)レンジへ操作された場合の1st〜5thの相互間の変速やDMレンジでのエンジンブレーキの有無はソレノイドバルブSL1〜SL4によって電気的に制御される。また、前進変速段の変速比は1st(第1変速段)から5th(第5変速段)となるに従って段階的に小さくなり、4thの変速比i4 =1(直結)である。図3に示されている変速比は一例である。
【0017】
シフトレバー40は、図8に示すように「P(パーキング)」、「R(リバース)」、「N(ニュートラル)」、「D(ドライブ)」、「DM(ダイレクトモード)」、「4」、「3」、「2」、「L」の計9つの操作レンジへ操作することが可能で、このうち図の上下方向(車両前後方向)に位置する6つの操作位置に対応してマニュアルシフトバルブは移動させられ、その6つの操作位置はシフトポジションセンサ46によって検知される。「DM」レンジは、前記5つの前進変速段(エンジンブレーキ作動)を手動で切換操作できるレンジで、「DM」レンジへ操作されたことはダイレクトモードスイッチ41(図2参照)によって検出されるようになっている。「DM」レンジでは、前後方向(図の上下方向)へシフトレバー40を操作することが可能で、「DM」レンジでのそのシフトレバー40の前後操作が+スイッチ42および−スイッチ43によって検出されるとともに、自動変速機18は+スイッチ42の操作回数に応じてアップシフトされ、−スイッチ43の操作回数に応じてダウンシフトされる。
【0018】
油圧回路44は図4に示す回路を備えている。図4において符号70は1−2シフトバルブを示し、符号71は2−3シフトバルブを示し、符号72は3−4シフトバルブを示している。これらのシフトバルブ70、71、72の各ポートの各変速段での連通状態は、それぞれのシフトバルブ70、71、72の下側に示している通りである。なお、その数字は各変速段を示す。
【0019】
2−3シフトバルブ71のポートのうち第1変速段および第2変速段で入力ポート73に連通するブレーキポート74に、第3ブレーキB3 が油路75を介して接続されている。この油路にはオリフィス76が介装されており、そのオリフィス76と第3ブレーキB3 との間にダンパーバルブ77が接続されている。このダンパーバルブ77は、第3ブレーキB3 にライン圧PLが急激に供給された場合に少量の油圧を吸入して緩衝作用を行うものである。
【0020】
符号78はB−3コントロールバルブであって、第3ブレーキB3 の係合圧を制御するようになっている。すなわち、このB−3コントロールバルブ78は、スプール79とプランジャ80とこれらの間に介装したスプリング81とを備えており、スプール79によって開閉される入力ポート82に油路75が接続され、またこの入力ポート82に選択的に連通させられる出力ポート83が第3ブレーキB3 に接続されている。さらにこの出力ポート83は、スプール79の先端側に形成したフィードバックポート84に接続されている。一方、上記スプリング81を配置した箇所に開口するポート85には、2−3シフトバルブ71のポートのうち第3変速段以上の変速段でDレンジ圧(ライン圧PL)を出力するポート86が油路87を介して連通させられている。また、プランジャ80の端部側に形成した制御ポート88には、リニアソレノイドバルブSLUが接続され、信号圧PSLU が作用させられるようになっている。したがって、B−3コントロールバルブ78は、スプリング81の弾性力とポート85に供給される油圧とによって調圧レベルが設定され、且つ制御ポート88に供給される信号圧PSLU が高いほどスプリング81による弾性力が大きくなるように構成されている。
【0021】
図4における符号89は、2−3タイミングバルブであって、この2−3タイミングバルブ89は、小径のランドと2つの大径のランドとを形成したスプール90と第1のプランジャ91とこれらの間に配置したスプリング92とスプール90を挟んで第1のプランジャ91とは反対側に配置された第2のプランジャ93とを有している。2−3タイミングバルブ89の中間部のポート94に油路95が接続され、また、この油路95は2−3シフトバルブ71のポートのうち第3変速段以上の変速段でブレーキポート74に連通させられるポート96に接続されている。油路95は途中で分岐して、前記小径ランドと大径ランドとの間に開口するポート97にオリフィスを介して接続されており、上記ポート94に選択的に連通させられるポート98は油路99を介してソレノイドリレーバルブ100に接続されている。そして、第1のプランジャ91の端部に開口しているポートにリニアソレノイドバルブSLUが接続され、また第2のプランジャ93の端部に開口するポートに第2ブレーキB2 がオリフィスを介して接続されている。
【0022】
前記油路87は第2ブレーキB2 に対して油圧を供給・排出するためのものであって、その途中には小径オリフィス101とチェックボール付きオリフィス102とが介装されている。また、この油路87から分岐した油路103には、第2ブレーキB2 から排圧する場合に開くチェックボールを備えた大径オリフィス104が介装され、この油路103は以下に説明するオリフィスコントロールバルブ105に接続されている。
【0023】
オリフィスコントロールバルブ105は第2ブレーキB2 からの排圧速度を制御するためのバルブであって、そのスプール106によって開閉されるように中間部に形成したポート107には第2ブレーキB2 が接続されており、このポート107より図での下側に形成したポート108に前記油路103が接続されている。第2ブレーキB2 を接続してあるポート107より図での上側に形成したポート109は、ドレインポートに選択的に連通させられるポートであって、このポート109には、油路110を介して前記B−3コントロールバルブ78のポート111が接続されている。尚、このポート111は、第3ブレーキB3 を接続してある出力ポート83に選択的に連通させられるポートである。
【0024】
オリフィスコントロールバルブ105のポートのうちスプール106を押圧するスプリングとは反対側の端部に形成した制御ポート112が油路113を介して、3−4シフトバルブ72のポート114に接続されている。このポート114は、第3変速段以下の変速段で第3ソレノイドバルブSL3の信号圧を出力し、また、第4変速段以上の変速段で第4ソレノイドバルブSL4の信号圧を出力するポートである。さらに、このオリフィスコントロールバルブ105には、前記油路95から分岐した油路115が接続されており、この油路115を選択的にドレインポートに連通させるようになっている。
【0025】
なお、前記2−3シフトバルブ71において第2変速段以下の変速段でDレンジ圧を出力するポート116が、前記2−3タイミングバルブ89のうちスプリング92を配置した箇所に開口するポート117に油路118を介して接続されている。また、3−4シフトバルブ72のうち第3変速段以下の変速段で前記油路87に連通させられるポート119が油路120を介してソレノイドリレーバルブ100に接続されている。
【0026】
符号121は第2ブレーキB2 用のアキュームレータを示し、その背圧室にはリニアソレノイドバルブSLNが出力する信号圧PSLN に応じて調圧されたアキュームレータコントロール圧Pacが供給されるようになっている。2→3変速時に前記2−3シフトバルブ71が切り換えられると、第2ブレーキB2 には油路87を介してDレンジ圧(ライン圧PL)が供給されるが、このライン圧PLによってアキュムレータ121のピストン121pが上昇を開始する。このピストン121pが上昇している間は、ブレーキB2 に供給される油圧(係合圧)PB2は、スプリング121sの下向きの付勢力およびピストン121pを下向きに付勢する上記アキュムレータコントロール圧Pacと釣り合う略一定、厳密にはスプリング121sの圧縮変形に伴って漸増させられ、ピストン121pが上昇端に達するとライン圧PLまで上昇させられる。すなわち、ピストン121pが移動する変速過渡時の係合圧PB2は、アキュムレータコントロール圧Pacによって定まるのである。
【0027】
アキュムレータコントロール圧Pacは、第3変速段成立時に係合制御される上記第2ブレーキB2 用のアキュムレータ121の他、図示は省略するが第1変速段成立時に係合制御されるクラッチC1 用のアキュムレータ、第4変速段成立時に係合制御されるクラッチC2 用のアキュムレータ、第5変速段成立時に係合制御されるブレーキB0 用のアキュムレータにも供給され、それ等の係合・解放時の過渡油圧が制御される。
【0028】
図4の符号122はC−0エキゾーストバルブを示し、さらに符号123はクラッチC0 用のアキュームレータを示している。C−0エキゾーストバルブ122は2速レンジでの第2変速段のみにおいてエンジンブレーキを効かせるためにクラッチC0 を係合させるように動作するものである。
【0029】
このような油圧回路44によれば、第2変速段から第3変速段への変速、すなわち第3ブレーキB3 を解放すると共に第2ブレーキB2 を係合する所謂クラッチツウクラッチ変速において、入力軸26の入力トルクなどに基づいて第3ブレーキB3 の解放過渡油圧や第2ブレーキB2 の係合過渡油圧を制御することにより、変速ショックを好適に軽減することができる。その他の変速についても、リニアソレノイドバルブSLNのデューティ制御によってアキュムレータコントロール圧Pacを調圧することにより、クラッチC1 、C2 やブレーキB0 の過渡油圧が制御される。
【0030】
ハイブリッド駆動装置10は、図2に示されるようにハイブリッド制御用コントローラ50及び自動変速制御用コントローラ52を備えている。これらのコントローラ50、52は、CPUやRAM、ROM等を有するマイクロコンピュータを備えて構成され、アクセル操作量センサ62、車速センサ63、インプットシャフト回転数センサ64、パターンセレクトスイッチ65からそれぞれアクセル操作量θAC、車速V(自動変速機18の出力軸19の回転数NO に対応)、自動変速機18の入力軸26の回転数NI 、選択パターンを表す信号が供給される他、エンジントルクTE やモータトルクTM 、エンジン回転数NE 、モータ回転数NM 、蓄電装置58の蓄電量SOC、ブレーキのON、OFF、シフトレバー40の操作レンジなどに関する情報が、種々の検出手段などから供給されるようになっており、予め設定されたプログラムに従って信号処理を行う。アクセル操作量θACは、アクセルペダルなど運転者により出力要求量に応じて操作されるアクセル操作手段48の操作量である。パターンセレクトスイッチ65はパターン選択手段で、動力性能を重視した走行を行うパワーパターンおよび通常のノーマルパターンの何れかを選択できる。なお、エンジントルクTE はスロットル弁開度や燃料噴射量などから求められ、モータトルクTM はモータ電流などから求められ、蓄電量SOCはモータジェネレータ14がジェネレータとして機能する充電時のモータ電流や充電効率などから求められる。
【0031】
前記エンジン12は、ハイブリッド制御用コントローラ50によってスロットル弁開度や燃料噴射量、点火時期などが制御されることにより、アクセル操作量θAC等の運転状態に応じて出力が制御される。モータジェネレータ14は、図5に示すようにM/G制御器(インバータ)56を介してバッテリー等の蓄電装置58に接続されており、ハイブリッド制御用コントローラ50により、その蓄電装置58から電気エネルギーが供給されて所定のトルクで回転駆動される回転駆動状態と、回生制動(モータジェネレータ14自体の電気的な制動トルク)によりジェネレータとして機能して蓄電装置58に電気エネルギーを充電する充電状態と、ロータ軸14rが自由回転することを許容する無負荷状態とに切り換えられる。また、前記第1クラッチCE1 及び第2クラッチCE2 は、ハイブリッド制御用コントローラ50により電磁弁等を介して油圧回路44が切り換えられることにより、係合或いは解放状態が切り換えられる。自動変速機18は、自動変速制御用コントローラ52によって前記ソレノイドバルブSL1〜SL4、リニアソレノイドバルブSLU、SLT、SLNの励磁状態が制御され、油圧回路44が切り換えられたり油圧制御が行われたりすることにより、運転状態(例えばアクセル操作量θACおよび車速Vなど)に応じて予め設定された変速パターンに従って変速段が自動的に切り換えられる。この変速パターンは、前記パターンセレクトスイッチ65によって選択されるパワーパターンおよびノーマルパターンに対応して2種類が用意されている。
【0032】
ハイブリッド制御用コントローラ50は、例えば本願出願人が先に出願した特願平7−294148号に記載されているように、図6に示すフローチャートに従って図7に示す9つの運転モードの1つを選択し、その選択したモードでエンジン12及び電気式トルコン24を作動させる。
【0033】
図6において、ステップS1ではエンジン始動要求があったか否かを、例えばエンジン12を動力源として走行したり、エンジン12によりモータジェネレータ14を回転駆動して蓄電装置58を充電したりするために、エンジン12を始動すべき旨の指令があったか否か等によって判断し、始動要求があればステップS2でモード9を選択する。モード9は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 を係合(ON)し、第2クラッチCE2 を係合(ON)し、モータジェネレータ14により遊星歯車装置16を介してエンジン12を回転駆動すると共に、燃料噴射などのエンジン始動制御を行ってエンジン12を始動する。このモード9は、車両停止時には前記自動変速機18をニュートラルにして行われ、モード1のように第1クラッチCE1 を解放したモータジェネレータ14のみを動力源とする走行時には、第1クラッチCE1 を係合すると共に走行に必要な要求出力以上の出力でモータジェネレータ14を作動させ、その要求出力以上の余裕出力でエンジン12を回転駆動することによって行われる。また、車両走行時であっても、一時的に自動変速機18をニュートラルにしてモード9を実行することも可能である。
【0034】
ステップS1の判断が否定された場合、すなわちエンジン始動要求がない場合には、ステップS3を実行することにより、制動力の要求があるか否かを、例えばブレーキがONか否か、シフトレバー40の操作レンジがLや2などのエンジンブレーキレンジ或いはDMレンジで、且つアクセル操作量θACが0か否か、或いは単にアクセル操作量θACが0か否か、等によって判断する。この判断が肯定された場合にはステップS4を実行する。ステップS4では、蓄電装置58の蓄電量SOCが予め定められた最大蓄電量B以上か否かを判断し、SOC≧BであればステップS5でモード8を選択し、SOC<BであればステップS6でモード6を選択する。最大蓄電量Bは、蓄電装置58に電気エネルギーを充電することが許容される最大の蓄電量で、蓄電装置58の充放電効率などに基づいて例えば80%程度の値が設定される。
【0035】
上記ステップS5で選択されるモード8は、図7に示されるように第1クラッチCE1 を係合(ON)し、第2クラッチCE2 を係合(ON)し、モータジェネレータ14を無負荷状態とし、エンジン12を停止状態すなわちスロットル弁を閉じると共に燃料噴射量を0とするものであり、これによりエンジン12の引き擦り回転やポンプ作用による制動力、すなわちエンジンブレーキが車両に作用させられ、運転者によるブレーキ操作が軽減されて運転操作が容易になる。また、モータジェネレータ14は無負荷状態とされ、自由回転させられるため、蓄電装置58の蓄電量SOCが過大となって充放電効率等の性能を損なうことが回避される。
【0036】
ステップS6で選択されるモード6は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 を解放(OFF)し、第2クラッチCE2 を係合(ON)し、エンジン12を停止し、モータジェネレータ14を充電状態とするもので、車両の運動エネルギーでモータジェネレータ14が回転駆動されることにより、蓄電装置58を充電するとともにその車両にエンジンブレーキのような回生制動力を作用させるため、運転者によるブレーキ操作が軽減されて運転操作が容易になる。また、第1クラッチCE1 が解放されてエンジン12が遮断されているため、そのエンジン12の回転抵抗によるエネルギー損失がないとともに、蓄電量SOCが最大蓄電量Bより少ない場合に実行されるため、蓄電装置58の蓄電量SOCが過大となって充放電効率等の性能を損なうことがない。
【0037】
ステップS3の判断が否定された場合、すなわち制動力の要求がない場合にはステップS7を実行し、エンジン発進が要求されているか否かを、例えばモード3などエンジン12を動力源とする走行中の車両停止時か否か、すなわち車速V≒0か否か等によって判断する。この判断が肯定された場合には、ステップS8においてアクセルがONか否か、すなわちアクセル操作量θACが略零の所定値より大きいか否かを判断し、アクセルONの場合にはステップS9でモード5を選択し、アクセルがONでなければステップS10でモード7を選択する。
【0038】
上記ステップS9で選択されるモード5は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 を係合(ON)し、第2クラッチCE2 を解放(OFF)し、エンジン12を運転状態とし、モータジェネレータ14の回生制動トルクを制御することにより、車両を発進させるものである。具体的に説明すると、遊星歯車装置16のギヤ比をρE とすると、エンジントルクTE :遊星歯車装置16の出力トルク:モータトルクTM =1:(1+ρE ):ρE となるため、例えばギヤ比ρE を一般的な値である0.5程度とすると、エンジントルクTE の半分のトルクをモータジェネレータ14が分担することにより、エンジントルクTE の約1.5倍のトルクがキャリア16cから出力される。すなわち、モータジェネレータ14のトルクの(1+ρE )/ρE 倍の高トルク発進を行うことができるのである。また、モータ電流を遮断してモータジェネレータ14を無負荷状態とすれば、ロータ軸14rが逆回転させられるだけでキャリア16cからの出力は0となり、車両停止状態となる。すなわち、この場合の遊星歯車装置16は発進クラッチおよびトルク増幅装置として機能するのであり、モータトルク(回生制動トルク)TM を0から徐々に増大させて反力を大きくすることにより、エンジントルクTE の(1+ρE )倍の出力トルクで車両を滑らかに発進させることができるのである。
【0039】
ここで、本実施例では、エンジン12の最大トルクの略ρE 倍のトルク容量のモータジェネレータ、すなわち必要なトルクを確保しつつできるだけ小型で小容量のモータジェネレータ14が用いられており、装置が小型で且つ安価に構成される。また、本実施例ではモータトルクTM の増大に対応して、スロットル弁開度や燃料噴射量を増大させてエンジン12の出力を大きくするようになっており、反力の増大に伴うエンジン回転数NE の低下に起因するエンジンストール等を防止している。
【0040】
ステップS10で選択されるモード7は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 を係合(ON)し、第2クラッチCE2 を解放(OFF)し、エンジン12を運転状態とし、モータジェネレータ14を無負荷状態として電気的にニュートラルとするもので、モータジェネレータ14のロータ軸14rが逆方向へ自由回転させられることにより、自動変速機18のインプットシャフト26に対する出力が零となる。これにより、モード3などエンジン12を動力源とする走行中の車両停止時に一々エンジン12を停止させる必要がないとともに、前記モード5のエンジン発進が実質的に可能となる。
【0041】
ステップS7の判断が否定された場合、すなわちエンジン発進の要求がない場合にはステップS11を実行し、要求出力Pdが予め設定された第1判定値P1以下か否かを判断する。要求出力Pdは、走行抵抗を含む車両の走行に必要な出力で、アクセル操作量θACやその変化速度、車速V(出力回転数NO )、自動変速機18の変速段などに基づいて、予め定められたデータマップや演算式などにより算出される。また、第1判定値P1はエンジン12のみを動力源として走行する中負荷領域とモータジェネレータ14のみを動力源として走行する低負荷領域の境界値であり、エンジン12による充電時を含めたエネルギー効率を考慮して、排出ガス量や燃料消費量などができるだけ少なくなるように実験等によって定められている。
【0042】
ステップS11の判断が肯定された場合、すなわち要求出力Pdが第1判定値P1以下の場合には、ステップS12で蓄電量SOCが予め設定された最低蓄電量A以上か否かを判断し、SOC≧AであればステップS13でモード1を選択する一方、SOC<AであればステップS14でモード3を選択する。最低蓄電量Aはモータジェネレータ14を動力源として走行する場合に蓄電装置58から電気エネルギーを取り出すことが許容される最低の蓄電量であり、蓄電装置58の充放電効率などに基づいて例えば70%程度の値が設定される。
【0043】
上記モード1は、前記図7から明らかなように第1クラッチCE1 を解放(OFF)し、第2クラッチCE2 を係合(ON)し、エンジン12を停止し、モータジェネレータ14を要求出力Pdで回転駆動させるもので、モータジェネレータ14のみを動力源として車両を走行させる。この場合も、第1クラッチCE1 が解放されてエンジン12が遮断されるため、前記モード6と同様に引き擦り損失が少なく、自動変速機18を適当に変速制御することにより効率の良いモータ駆動制御が可能である。また、このモード1は、要求出力Pdが第1判定値P1以下の低負荷領域で且つ蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量A以上の場合に実行されるため、エンジン12を動力源として走行する場合よりもエネルギー効率が優れていて燃費や排出ガスを低減できるとともに、蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量Aより低下して充放電効率等の性能を損なうことがない。
【0044】
ステップS14で選択されるモード3は、図7から明らかなように第1クラッチCE1 および第2クラッチCE2 を共に係合(ON)し、エンジン12を運転状態とし、モータジェネレータ14を回生制動により充電状態とするもので、エンジン12の出力で車両を走行させながら、モータジェネレータ14によって発生した電気エネルギーを蓄電装置58に充電する。エンジン12は、要求出力Pd以上の出力で運転させられ、その要求出力Pdより大きい余裕動力分だけモータジェネレータ14で消費されるように、そのモータジェネレータ14の電流制御が行われる。
【0045】
ステップS11の判断が否定された場合、すなわち要求出力Pdが第1判定値P1より大きい場合には、ステップS15において、要求出力Pdが第1判定値P1より大きく第2判定値P2より小さいか否か、すなわちP1<Pd<P2か否かを判断する。第2判定値P2は、エンジン12のみを動力源として走行する中負荷領域とエンジン12およびモータジェネレータ14の両方を動力源として走行する高負荷領域の境界値であり、エンジン12による充電時を含めたエネルギー効率を考慮して、排出ガス量や燃料消費量などができるだけ少なくなるように実験等によって予め定められている。そして、P1<Pd<P2であればステップS16でSOC≧Aか否かを判断し、SOC≧Aの場合にはステップS17でモード2を選択し、SOC<Aの場合には前記ステップS14でモード3を選択する。また、Pd≧P2であればステップS18でSOC≧Aか否かを判断し、SOC≧Aの場合にはステップS19でモード4を選択し、SOC<Aの場合にはステップS17でモード2を選択する。
【0046】
上記モード2は、前記図7から明らかなように第1クラッチCE1 および第2クラッチCE2 を共に係合(ON)し、エンジン12を要求出力Pdで運転し、モータジェネレータ14を無負荷状態とするもので、エンジン12のみを動力源として車両を走行させる。また、モード4は、第1クラッチCE1 および第2クラッチCE2 を共に係合(ON)し、エンジン12を運転状態とし、モータジェネレータ14を回転駆動するもので、エンジン12およびモータジェネレータ14の両方を動力源として車両を高出力走行させる。このモード4は、要求出力Pdが第2判定値P2以上の高負荷領域で実行されるが、エンジン12およびモータジェネレータ14を併用しているため、エンジン12およびモータジェネレータ14の何れか一方のみを動力源として走行する場合に比較してエネルギー効率が著しく損なわれることがなく、燃費や排出ガスを低減できる。また、蓄電量SOCが最低蓄電量A以上の場合に実行されるため、蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量Aより低下して充放電効率等の性能を損なうことがない。
【0047】
上記モード1〜4の運転条件についてまとめると、蓄電量SOC≧Aであれば、Pd≦P1の低負荷領域ではステップS13でモード1を選択してモータジェネレータ14のみを動力源として走行し、P1<Pd<P2の中負荷領域ではステップS17でモード2を選択してエンジン12のみを動力源として走行し、P2≦Pdの高負荷領域ではステップS19でモード4を選択してエンジン12およびモータジェネレータ14の両方を動力源として走行する。また、SOC<Aの場合には、要求出力Pdが第2判定値P2より小さい中低負荷領域でステップS14のモード3を実行することにより蓄電装置58を充電するが、要求出力Pdが第2判定値P2以上の高負荷領域ではステップS17でモード2が選択され、充電を行うことなくエンジン12により高出力走行が行われる。
【0048】
ステップS17のモード2は、P1<Pd<P2の中負荷領域で且つSOC≧Aの場合、或いはPd≧P2の高負荷領域で且つSOC<Aの場合に実行されるが、中負荷領域では一般にモータジェネレータ14よりもエンジン12の方がエネルギー効率が優れているため、モータジェネレータ14を動力源として走行する場合に比較して燃費や排出ガスを低減できる。また、高負荷領域では、モータジェネレータ14およびエンジン12を併用して走行するモード4が望ましいが、蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量Aより小さい場合には、上記モード2によるエンジン12のみを動力源とする運転が行われることにより、蓄電装置58の蓄電量SOCが最低蓄電量Aよりも少なくなって充放電効率等の性能を損なうことが回避される。
【0049】
ハイブリッド制御用コントローラ50はまた、上記モード切換制御とは別に運転者の選択などにより、図9に示すフローチャートに従ってモータジェネレータ14によるアシスト制御を行う。なお、この図9のアシスト制御は、本発明とは相違し、参考として説明するものである。
【0050】
図9は、基本的にはエンジン12を動力源として走行する(図7のモード2に相当)とともに、所定の条件下でモータジェネレータ14によりアシストする(図7のモード4に相当)場合で、アクセル操作量θACの増大時に実行される。ステップSA1では、シフトポジションセンサ46からの信号に基づいてシフトレバー40の操作レンジが「4」、「D」、または「DM」か否かを判断し、YESであればステップSA2以下を実行するが、NOの場合はステップSA9でアクセル操作量θACの増加に応じて通常のエンジン出力増大制御を行う。このエンジン出力増大制御は、燃料噴射制御の増量補正などを含むものである。
【0051】
ステップSA2では、山間地走行か否かを例えばアクセル操作量θACと車速Vとの関係などの走行状態に基づいて判断し、山間地走行であればステップSA4以下を実行するが、山間地走行でない場合はステップSA3を実行する。ステップSA3では、ダイレクトモードスイッチ41からの信号に基づいて「DM」レンジか否かを判断し、「DM」レンジであればステップSA4以下を実行するが、「DM」レンジでなければ前記ステップSA9を実行する。なお、パターンセレクトスイッチ65によってパワーパターンが選択されている場合にはステップSA4以下を実行するなど、更に別の実行条件を付加することもできるし、それ等の実行条件を省略して常にステップSA4以下を実行するようにしても良い。
【0052】
ステップSA4では、例えば1秒程度等の所定時間内におけるアクセル操作量θACの増加幅(θAC2 −θAC1 )が予め定められた所定値α以上か否かを判断し、(θAC2 −θAC1 )≧αであればステップSA5を実行する。ステップSA5では、例えばデータの読込みサイクル(例えば数十ns)当たりの増加量であるアクセル操作量θACの増加率dθAC/dtが予め定められた所定値β以上か否かを判断し、dθAC/dt≧βであればステップSA6を実行する。これ等の所定値α、βは、NVHや燃費、エミッションが大きく損なわれるような急激なアクセル変化を判断するように定められ、NOの場合は前記ステップSA9を実行する。
【0053】
ステップSA6では、蓄電量SOCが前記最低蓄電量A以上か否か、すなわちモータジェネレータ14を電動モータとして使用可能か否かを判断し、SOC≧Aであれば、ステップSA7でモータジェネレータ14を回転駆動してトルクアシストを行い、ステップSA8でエンジン12の出力増大制御を行う。ステップSA8のエンジン出力増大制御は、アクセル操作量θACの大きさや増加率dθAC/dt等に基づく通常の出力増大量からモータジェネレータ14によるトルクアシスト分だけ差し引いたもので、図10に実線で示すようにエンジントルクTM は緩やかに上昇させられる。図10の破線は、モータジェネレータ14によるトルクアシストを行わない場合で、一番下の欄のTT は、モータトルクTM とエンジントルクTM とを合わせた総トルクである。
【0054】
このような本実施例のハイブリッド駆動装置10によれば、アクセル操作量θACの増加時にモータジェネレータ14によるトルクアシストが行われ、そのトルクアシスト分だけエンジン12の出力変化が抑制されるため、所定の加速性能を維持しつつエンジン12の急激な出力変化に起因するNVHや燃費、エミッションの悪化が防止される。
【0055】
特に、本実施例ではアクセル操作量θACの増加が所定より大きい場合、具体的には増加幅(θAC2 −θAC1 )が所定値α以上で且つ増加率dθAC/dtが所定値β以上の場合に、上記モータジェネレータ14によるトルクアシストを行うようになっているため、アクセル操作量θACの増加時に常にモータジェネレータ14によるトルクアシストを行う場合に比較して、モータジェネレータ14の使用頻度や電力消費量が低減される。これにより、モータジェネレータ14によるトルクアシストに起因して蓄電装置58の蓄電容量を大きくしたり、モータジェネレータ14の耐久性が損なわれたりするなどの問題が回避される。
【0056】
なお、NVHや燃費、エミッションの悪化は、特にアクセル操作量θACの増加が大きい場合に顕著となるため、アクセル操作量θACの増加が所定より小さい場合、具体的には増加幅(θAC2 −θAC1 )が所定値αより小さい場合や、増加率dθAC/dtが所定値βより小さい場合に、その増加に応じてエンジン出力が増加させられても、NVHや燃費、エミッションが大きく損なわれることはない。
【0057】
次に、本発明の一実施例を図11のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、この図11のフローチャートは、エンジン12を動力源とする走行時に実行されるもので、ハイブリッド制御用コントローラ50による一連の信号処理のうちステップSB4〜SB11を実行する部分は、請求項1に記載のアシスト制御手段として機能している。
【0058】
ステップSB1では、ガソリンの噴射時間制御が始動後噴射時間領域か否かを判断し、始動後噴射時間であればステップSB2以下を実行する。始動後噴射時間は、吸入空気質量情報に基づいて噴射時間を演算する制御で、吸入空気質量情報に基づかない始動時の噴射時間と区別されている。ステップSB2では、蓄電量SOCが前記最低蓄電量A以上か否か、すなわちモータジェネレータ14を電動モータとして使用可能か否かを判断し、SOC≧AであればステップSB3以下を実行するが、SOC<Aの場合はステップSB12で通常のエンジン出力制御を行う。
【0059】
ここで、上記通常のエンジン出力制御について一具体例を説明すると、例えば「自動車工学シリーズ 電子制御ガソリン噴射」(山海堂発行)に記載されているように、始動後のクランク角同期噴射制御におけるガソリン噴射時間TI は次式(1) に従って求められる。
TI =TP ×FC +TV ・・・(1)
TI :ガソリン噴射時間
TP :基本噴射時間
FC :基本噴射時間の補正係数
TV :インジェクタの無効噴射時間
【0060】
TP は所定空燃比(一般的には理論空燃比14.7が設定される)を実現する噴射時間で、FC はTP が実現する空燃比を変化させるときなどに用いる補正係数であり、この補正係数FC は例えば次式(2) に示すパラメータに基づいてデータマップなどから求められる。
FC =g(FET,FAC,FDC,FO ,FL ,FH )・・・(2)
FET:エンジン温度にかかわる補正係数
FAC:加速運転時の補正係数
FDC:減速運転時の補正係数
FO :理論空燃比へのフィードバック補正係数
FL :学習制御による補正係数
FH :高負荷・高回転運転時の補正係数
【0061】
上記加速運転時の補正係数(加速補正係数)FACは、アクセル操作量の増加による燃料噴射量の増量補正に相当するもので、例えば次式(3) に従って求められる。FDL1 は、吸気管内圧力(吸気管内圧力は負荷に相当する)が高いほど気化速度が遅くなることを補正するためのもので、負荷としては、吸入行程1回あたりの吸入空気量Q/NE やスロットル弁開度などが用いられ、それ等はアクセル操作量θACの変化から予測される。図13はFDL1 の一例で、吸入空気量Q/NE の変化ΔQ/NE が大きいほど補正係数FDL1 は大きくなる。FTHW1は、ガソリン付着部温度が低いほど気化速度が遅くなることを補正するためのもので、例えば図14に示すように、冷却水温度が低いほど補正係数FTHW1は大きくなる。なお、アクセル操作量θACの変化率等をパラメータとして負荷変化量に応じた補正係数FDL1 が求められるようにすることもできる。
FAC=FDL1 ×FTHW1 ・・・(3)
FDL1 :負荷変化量に応じた補正係数
FTHW1:冷却水温度に応じた補正係数
【0062】
図11に戻って、ステップSB3では上記(3) 式に従って通常のエンジン出力制御における加速補正係数FACを算出し、ステップSB4では、その加速補正係数FACが予め定められた所定値FAC * 以上か否かを判断する。所定値FAC * は、NVHや燃費、エミッションが大きく損なわれるような急激なガソリン噴射量の増量を判断するように定められ、FAC≧FAC * であればステップSB5以下のモータジェネレータ14によるアシスト制御を行う。
【0063】
ステップSB5では、加速補正係数FACが所定値FAC * より大きくならないようにするモータトルクTM のアシスト量ΔTM 1を算出する。例えば、FAC≒FAC * とした場合のエンジン出力と、実際の加速補正係数FACをそのまま用いた場合のエンジン出力との差を求め、その差に相当するトルクをアシスト量ΔTM 1として算出する。そして、ステップSB6ではアシスト量ΔTM 1でモータジェネレータ14を作動させ、ステップSB7ではFAC=FAC * としてガソリン噴射時間TI を求めてエンジン出力制御、すなわち燃料噴射制御やスロットル弁制御を行う。図12は、このようなモータジェネレータ14によるアシスト制御が行われた場合のタイムチャートの一例で、エンジントルクTE は緩やかに立ち上げられる。
【0064】
前記ステップSB4の判断がNOの場合、すなわちFAC<FAC * の場合は、ステップSB8を実行し、クランク角非同期噴射量TB が予め定められた所定値TB * 以上か否かを判断する。クランク角非同期噴射は、クランク角に同期しない急加速時の臨時的な噴射で、アクセル操作量の増加による燃料噴射量の増量補正に相当するものであり、非同期噴射量TB は例えばスロットル弁開度の変化率などをパラメータとするデータマップや演算式から求められる。図15は、非同期噴射量TB とスロットル弁開度の変化率との関係の一例を示す図で、この場合のスロットル弁開度の変化率はアクセル操作量θACの変化から予測されるが、アクセル操作量θACの変化率等をパラメータとして非同期噴射量TB が求められるようにすることもできる。所定値TB * は、NVHや燃費、エミッションが大きく損なわれるような急激なガソリン噴射量の増量を判断するように定められ、TB ≧TB * であればステップSB9以下のモータジェネレータ14によるアシスト制御を行うが、TB <TB * の場合は前記ステップSB12を実行する。
【0065】
ステップSB9では、非同期噴射量TB が所定値TB * より大きくならないようにするモータトルクTM のアシスト量ΔTM 2を算出する。例えば、TB ≒TB * で非同期噴射を行った場合のエンジン出力と、実際の非同期噴射量TB をそのまま用いた場合のエンジン出力との差を求め、その差に相当するトルクをアシスト量ΔTM 2として算出する。そして、ステップSB10ではアシスト量ΔTM 2でモータジェネレータ14を作動させ、ステップSB11ではTB =TB * として非同期噴射制御を行う。
【0066】
この実施例では、同期噴射制御における加速補正係数FACが所定値FAC * 以下に制限されるとともに、非同期噴射制御の噴射量TB が所定値TB * 以下に制限され、その制限に伴うトルクの不足分をモータジェネレータ14によるアシスト制御で補うようになっているため、所定の加速性能を維持しつつエンジン12の急激な出力変化に起因するNVHや燃費、エミッションの悪化が防止される。
【0067】
ここで、燃料噴射制御は基本的にはアクセル操作量θAC、更には吸入空気量Q/NE に応じて行われるため、モータジェネレータ14によるアシスト量は比較的少ない。特に、加速補正係数FACが所定値FAC * 以上、或いは非同期噴射制御の噴射量TB が所定値TB * 以上の場合だけアシスト制御を行うようになっているため、モータジェネレータ14の使用頻度や電力消費量が低減される。これにより、モータジェネレータ14によるトルクアシストに起因して蓄電装置58の蓄電容量を大きくしたり、モータジェネレータ14の耐久性が損なわれたりするなどの問題が回避される。
【0068】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもできる。
【0069】
例えば、前記実施例では後進1段および前進5段の変速段を有する自動変速機18が用いられていたが、図16に示すように前記副変速機20を省略して主変速機22のみから成る自動変速機60を採用し、図17に示すように前進4段および後進1段で変速制御を行うようにすることもできる。
【0070】
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である制御装置を備えているハイブリッド車両のハイブリッド駆動装置の構成を説明する骨子図である。
【図2】図1のハイブリッド駆動装置が備えている制御系統を説明する図である。
【図3】図1の自動変速機の各変速段を成立させる係合要素の作動を説明する図である。
【図4】図1の自動変速機が備えている油圧回路の一部を示す図である。
【図5】図2のハイブリッド制御用コントローラと電気式トルコンとの接続関係を説明する図である。
【図6】図1のハイブリッド駆動装置の基本的な作動を説明するフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートにおける各モード1〜9の作動状態を説明する図である。
【図8】シフトレバーの操作パターンの一例を示す図である。
【図9】 本発明とは異なるトルクアシスト制御の一例を参考として説明するフローチャートである。
【図10】図9のフローチャートに従ってモータアシスト制御が行われた場合のタイムチャートの一例である。
【図11】 本発明の一実施例を説明するフローチャートである。
【図12】図11のフローチャートに従ってモータアシスト制御が行われた場合のタイムチャートの一例である。
【図13】図11のステップSB3で加速補正係数FACを算出する際に用いられる補正係数FDL1 の一例を示す図である。
【図14】加速補正係数FACを算出する際に用いられる補正係数FTHW1の一例を示す図である。
【図15】図11のステップSB8で算出される非同期噴射量TB の一例を示す図である。
【図16】本発明が好適に適用されるハイブリッド車両のハイブリッド駆動装置の別の例を説明する骨子図である。
【図17】図16の自動変速機の各変速段を成立させる係合要素の作動を説明する図である。
【符号の説明】
12:エンジン
14:モータジェネレータ(電動モータ)
48:アクセル操作手段
50:ハイブリッド制御用コントローラ
ステップSA4〜SA8:アシスト制御手段(第1発明)
ステップSB4〜SB11:アシスト制御手段(第2発明)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a hybrid vehicle, and more particularly to an improvement of a hybrid vehicle that performs torque assist by an electric motor under predetermined conditions during traveling using an engine as a power source.
[0002]
[Prior art]
An engine that operates by combustion of fuel and an electric motor that operates by electric energy are provided as a power source when the vehicle travels, and the engine and the electric motor according to the accelerator operation amount of the accelerator operation means operated by the driver The motor operating state is electronically controlled, and when the accelerator operation amount increases, that is, when the accelerator operation amount is large relative to the throttle valve opening of the engine, the change in the throttle valve opening is limited and the torque generated by the electric motor A hybrid vehicle for assisting is described in, for example, Japanese Patent Laid-Open No. 63-284030. According to such a hybrid vehicle, since a sudden increase in the throttle valve opening of the engine is avoided, NVH (noise, vibration, riding comfort), fuel consumption, emission, and the like are improved.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, if torque assist is always performed by the electric motor when the accelerator operation amount is increased in this way, the frequency of use and power consumption of the electric motor increase, so the power storage capacity of the power storage device can be increased or the engine can be charged. There is a problem that measures such as increasing the number are necessary and the durability of the electric motor is impaired.
[0004]
The present invention has been made in the background of the above circumstances, and its purpose is to reduce the frequency of use and power consumption of the electric motor as much as possible while satisfying the requirements for NVH, fuel consumption, emission, and the like. .
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve such an object, the first invention comprises an engine operated by combustion of fuel and an electric motor operated by electric energy as a power source during vehicle travel, and an accelerator operation operated by a driver. While the engine and the electric motor are electronically controlled according to the accelerator operation amount of the means, respectively, while running using the engine as a power source, the fuel injection by the correction coefficient during acceleration operation when the accelerator operation amount increases In a hybrid vehicle control device that increases the amount of fuel, (a) increase correction of the fuel injection amount during the acceleration operationIs controlled so as not to exceed a predetermined value, and a sudden change in output of the engine is suppressed.And (b) limiting the increase correction of the fuel injection amount during the acceleration operation when the electric motor cannot be used. It is characterized by not.
According to a second aspect of the invention, there is provided the hybrid vehicle control device according to the first aspect of the invention, wherein: (a) the fuel injection amount increase correction at the time of the acceleration operation is the correction coefficient F at the time of the acceleration operation in the crank angle synchronous injection control.AC(B) The assist control means corrects the correction coefficient F during acceleration operation.ACIs the predetermined value FAC * Not exceedAnd the correction coefficient F during the acceleration operationACThe shortage of torque associated with this limitation is compensated by the electric motor.
According to a third aspect of the present invention, in the hybrid vehicle control device of the first aspect, (a) the increase correction of the fuel injection amount at the time of the acceleration operation is correction by a crank angle asynchronous injection that is temporarily performed at the time of sudden acceleration, and (b) The assist control means is an injection amount T of the crank angle asynchronous injection.BIs the predetermined value TB * Not exceedAnd the injection amount T of the crank angle asynchronous injectionBThe shortage of torque associated with this limitation is compensated by the electric motor.
[0008]
【The invention's effect】
BookIn the hybrid vehicle control device of the invention, the increase correction of the fuel injection amount at the time of the acceleration operation is limited, and the shortage of torque accompanying the limitation of the increase correction is compensated by the electric motor. The usage frequency and power consumption of the electric motor are reduced without significantly impairing fuel consumption and emission. Since the fuel injection amount is basically controlled according to the accelerator operation amount, the assist amount by the electric motor can be relatively small.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Here, the present invention combines or distributes the output of the engine and the electric motor by a switching type in which the power source is switched by connecting / disconnecting power transmission by a clutch, for example, or by combining or distributing a planetary gear device or the like. The present invention can be applied to various types of hybrid vehicles including an engine and an electric motor as a power source when the vehicle travels, such as a mix type. It is also possible to arrange an electric motor for each drive wheel.
[0010]
The present invention relates to control at the time of traveling using an engine as a power source. Of course, the present invention can be applied to the case of traveling using both the engine and the electric motor, as well as the case of traveling using only the engine. In addition, other operation modes such as a motor operation mode in which only the electric motor is used as a power source are implemented depending on the operation state such as the accelerator operation amount, the vehicle speed, and the storage amount (storage state) SOC of the power storage device. Also good.
[0011]
The assist control means of the present invention, BurningIt is configured so that the fuel injection amount increase correction does not exceed the predetermined value.PowerIt is desirable that the torque assist amount by the dynamic motor and the engine output suppression amount (a reduction amount from the original increase) are substantially the same, but there may be a slight difference between them.
[0012]
Assist control means, ExampleFor example, when running with the engine and electric motor as the power source, the motor torque of the electric motor is increased more than usual, and when running with only the engine as the power source, the torque is applied to the electric motor. If the electric motor performs charging control as a generator during traveling using only the engine as a power source, the motor torque (regenerative braking torque) is reduced, etc., depending on the operating state of the electric motor. it can.
[0013]
Increased accelerator operation amountAt the time of acceleration drivingTwo types of crank angle synchronous injection and asynchronous injection are known as fuel injection amount increase correction, and may be applied to only one of them, but can also be applied to both. . The increase correction for the synchronous injection is obtained using, for example, the load change amount or the engine water temperature predicted from the change in the accelerator operation amount as a parameter, and the increase correction for the asynchronous injection is performed, for example, by the throttle valve opening predicted from the change in the accelerator operation amount The rate of change of the degree is obtained as a parameter. The load change amount is, for example, a change amount ΔQ / N of the intake air amount per intake stroke.EEtc.
[0014]
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is a skeleton diagram of a
[0015]
The
[0016]
In the clutch, brake, and one-way clutch columns in FIG. 3, “◯” indicates engagement, “●” indicates that the
[0017]
As shown in FIG. 8, the
[0018]
The
[0019]
Among the ports of the 2-3
[0020]
[0021]
[0022]
The
[0023]
[0024]
A
[0025]
In the 2-3
[0026]
[0027]
Accumulator control pressure PacIs the second brake B that is engaged when the third shift speed is established.2 In addition to the
[0028]
[0029]
According to such a
[0030]
As shown in FIG. 2, the
[0031]
The
[0032]
The
[0033]
In FIG. 6, in step S <b> 1, whether or not an engine start request has been made is determined by, for example, running the
[0034]
If the determination in step S1 is negative, that is, if there is no engine start request, step S3 is executed to determine whether there is a request for braking force, for example, whether the brake is on,
[0035]
The mode 8 selected in step S5 is the first clutch CE as shown in FIG.1 Is engaged (ON), and the second clutch CE2 Is engaged (ON), the
[0036]
As is apparent from FIG. 7, the
[0037]
If the determination in step S3 is negative, that is, if there is no request for braking force, step S7 is executed to determine whether engine start is requested, for example, in
[0038]
As is apparent from FIG. 7, the
[0039]
Here, in this embodiment, the approximate torque ρ of the
[0040]
As is clear from FIG. 7, the
[0041]
If the determination in step S7 is negative, that is, if there is no engine start request, step S11 is executed to determine whether the request output Pd is less than or equal to a first determination value P1 set in advance. The required output Pd is an output required for traveling of the vehicle including the traveling resistance, and the accelerator operation amount θACAnd its changing speed, vehicle speed V (output speed NO), Based on a shift stage of the
[0042]
If the determination in step S11 is affirmative, that is, if the required output Pd is equal to or less than the first determination value P1, it is determined in step S12 whether or not the storage amount SOC is greater than or equal to a preset minimum storage amount A. If ≧ A,
[0043]
As is apparent from FIG. 7, the
[0044]
As is apparent from FIG. 7, the
[0045]
If the determination in step S11 is negative, that is, if the required output Pd is larger than the first determination value P1, whether or not the required output Pd is larger than the first determination value P1 and smaller than the second determination value P2 in step S15. That is, it is determined whether P1 <Pd <P2. The second determination value P2 is a boundary value between a medium load region that travels using only the
[0046]
As is apparent from FIG. 7, the
[0047]
Summarizing the operating conditions of the
[0048]
[0049]
The
[0050]
FIG. 9 basically shows a case where the vehicle runs with the
[0051]
In step SA2, whether or not the vehicle is traveling in a mountainous area is determined, for example, by an accelerator operation amount θACIs determined based on the traveling state such as the relationship between the vehicle speed and the vehicle speed V. If the vehicle is traveling in a mountainous area, step SA4 and subsequent steps are executed. If the vehicle is not traveling in a mountainous area, step SA3 is executed. In step SA3, based on the signal from the
[0052]
In step SA4, the accelerator operation amount θ within a predetermined time such as about 1 second, for example.ACIncrease width (θAC2−θAC1) Is greater than or equal to a predetermined value α, and (θAC2−θAC1) If it is ≧ α, Step SA5 is executed. In step SA5, for example, the accelerator operation amount θ which is an increase amount per data read cycle (for example, several tens of ns).ACIncrease rate dθACIt is determined whether / dt is equal to or greater than a predetermined value β, and dθACIf / dt ≧ β, step SA6 is executed. These predetermined values α and β are determined so as to determine an abrupt accelerator change that greatly impairs NVH, fuel consumption, and emissions. If NO, step SA9 is executed.
[0053]
In step SA6, it is determined whether or not the storage amount SOC is greater than or equal to the minimum storage amount A, that is, whether or not the
[0054]
According to the
[0055]
In particular, in this embodiment, the accelerator operation amount θACIf the increase ofAC2−θAC1) Is greater than or equal to a predetermined value α and the increase rate dθACWhen / dt is equal to or greater than the predetermined value β, torque assist by the
[0056]
It should be noted that the deterioration of NVH, fuel consumption, and emissions is particularly caused by the accelerator operation amount θACThe amount of accelerator operation θACWhen the increase in is smaller than a predetermined value, specifically, the increase width (θAC2−θAC1) Is smaller than the predetermined value α or the increase rate dθACWhen / dt is smaller than the predetermined value β, even if the engine output is increased in accordance with the increase, NVH, fuel consumption, and emission are not significantly impaired.
[0057]
next,The present inventionOne embodiment will be described with reference to the flowchart of FIG. Note that the flowchart of FIG. 11 is executed at the time of traveling using the
[0058]
In step SB1, it is determined whether or not the gasoline injection time control is in the post-startup injection time region, and if it is the post-startup injection time, step SB2 and subsequent steps are executed. The post-startup injection time is controlled to calculate the injection time based on the intake air mass information, and is distinguished from the injection time at the start that is not based on the intake air mass information. In step SB2, it is determined whether or not the stored amount SOC is equal to or greater than the minimum stored amount A, that is, whether or not the
[0059]
Here, one specific example of the normal engine output control will be described. For example, as described in “Automotive Engineering Series Electronic Control Gasoline Injection” (published by Sankai-do), gasoline in the crank angle synchronous injection control after starting Injection time TIIs obtained according to the following equation (1).
TI= TP× FC+ TV ... (1)
TI: Gasoline injection time
TP: Basic injection time
FC: Basic injection time correction factor
TV: Invalid injector injection time
[0060]
TPIs an injection time for realizing a predetermined air-fuel ratio (generally a theoretical air-fuel ratio of 14.7 is set), and FCIs TPIs a correction coefficient used when changing the air-fuel ratio to be realized, and this correction coefficient FCIs obtained from a data map or the like based on the parameter shown in the following equation (2), for example.
FC= G (FET, FAC, FDC, FO, FL, FH) ... (2)
FET: Correction factor related to engine temperature
FAC: Correction factor during acceleration operation
FDC: Correction coefficient during deceleration operation
FO: Feedback correction factor to theoretical air-fuel ratio
FL: Correction coefficient by learning control
FH: Correction factor for high load / high speed operation
[0061]
Correction coefficient during acceleration operation (acceleration correction coefficient) FACCorresponds to a correction for increasing the fuel injection amount by increasing the accelerator operation amount, and is obtained, for example, according to the following equation (3). FDL1Is for correcting that the vaporization rate becomes slower as the intake pipe pressure (the intake pipe pressure corresponds to the load) is higher. As the load, the intake air amount Q / N per intake strokeEAnd throttle valve opening, etc. are used, which is the accelerator operation amount θACPredicted from changes. FIG. 13 shows FDL1An example of intake air volume Q / NEChange ΔQ / NEThe larger the value, the correction coefficient FDL1Becomes bigger. FTHW1Is for correcting that the vaporization rate becomes slower as the gasoline adhering part temperature is lower. For example, as shown in FIG.THW1Becomes bigger. The accelerator operation amount θACThe correction coefficient F corresponding to the amount of load change with the change rate ofDL1Can also be required.
FAC= FDL1× FTHW1 ... (3)
FDL1: Correction coefficient according to load change
FTHW1: Correction factor according to cooling water temperature
[0062]
Returning to FIG. 11, in step SB3, the acceleration correction coefficient F in the normal engine output control according to the above equation (3).ACIn step SB4, the acceleration correction coefficient F is calculated.ACIs a predetermined value FAC *It is determined whether or not this is the case. Predetermined value FAC *Is determined so as to determine the sudden increase in gasoline injection amount that significantly impairs NVH, fuel consumption, and emissions.AC≧ FAC *If so, assist control is performed by the
[0063]
In step SB5, the acceleration correction coefficient FACIs the predetermined value FAC *Motor torque T to prevent it from becoming largerM
[0064]
If the determination in step SB4 is NO, that is, FAC<FAC *In this case, step SB8 is executed, and the crank angle asynchronous injection amount TBIs a predetermined value TB *It is determined whether or not this is the case. The crank angle asynchronous injection is a temporary injection at the time of sudden acceleration that is not synchronized with the crank angle, and corresponds to an increase correction of the fuel injection amount due to an increase in the accelerator operation amount.BIs obtained from, for example, a data map or an arithmetic expression using the change rate of the throttle valve opening as a parameter. FIG. 15 shows the asynchronous injection amount TBIs a graph showing an example of the relationship between the change rate of the throttle valve opening and the throttle valve opening change rate in this case.ACIs predicted from the change of the accelerator operation amount θACAsynchronous injection quantity TBCan also be required. Predetermined value TB *Is determined so as to determine the sudden increase in gasoline injection amount that greatly impairs NVH, fuel consumption, and emissions.B≧ TB *If so, assist control is performed by the
[0065]
In step SB9, the asynchronous injection amount TBIs the predetermined value TB *Motor torque T to prevent it from becoming largerM
[0066]
In this embodiment, the acceleration correction coefficient F in the synchronous injection controlACIs the predetermined value FAC *In addition to the following, the injection amount T of the asynchronous injection controlBIs the predetermined value TB *Since the torque deficiency associated with the limitation is compensated for by the assist control by the
[0067]
Here, the fuel injection control is basically performed by the accelerator operation amount θ.ACFurthermore, intake air amount Q / NETherefore, the assist amount by the
[0068]
As mentioned above, although the Example of this invention was described in detail based on drawing, this invention can also be implemented in another aspect.
[0069]
For example, in the embodiment, the
[0070]
Although not exemplified one by one, the present invention can be carried out in various modifications and improvements based on the knowledge of those skilled in the art.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a skeleton diagram illustrating a configuration of a hybrid drive device of a hybrid vehicle including a control device according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram for explaining a control system provided in the hybrid drive device of FIG. 1;
3 is a diagram for explaining the operation of an engagement element that establishes each gear position of the automatic transmission of FIG. 1; FIG.
4 is a view showing a part of a hydraulic circuit provided in the automatic transmission of FIG. 1; FIG.
5 is a diagram illustrating a connection relationship between the hybrid control controller of FIG. 2 and an electric torque converter. FIG.
FIG. 6 is a flowchart for explaining the basic operation of the hybrid drive device of FIG. 1;
7 is a diagram for explaining the operating states of
FIG. 8 is a diagram illustrating an example of an operation pattern of a shift lever.
FIG. 9For reference, an example of torque assist control different from the present inventionIt is a flowchart to explain.
FIG. 10 is an example of a time chart when the motor assist control is performed according to the flowchart of FIG. 9;
FIG. 11 shows the present invention.The fruit ofIt is a flowchart explaining an Example.
FIG. 12 is an example of a time chart when motor assist control is performed according to the flowchart of FIG. 11;
FIG. 13 shows an acceleration correction coefficient F in step SB3 of FIG.ACCorrection coefficient F used when calculatingDL1It is a figure which shows an example.
FIG. 14: acceleration correction coefficient FACCorrection coefficient F used when calculatingTHW1It is a figure which shows an example.
15 is an asynchronous injection amount T calculated in step SB8 of FIG.BIt is a figure which shows an example.
FIG. 16 is a skeleton diagram illustrating another example of a hybrid drive device for a hybrid vehicle to which the present invention is preferably applied.
17 is a diagram for explaining the operation of the engagement element that establishes each gear position of the automatic transmission of FIG. 16;
[Explanation of symbols]
12: Engine
14: Motor generator (electric motor)
48: Accelerator operation means
50: Controller for hybrid control
Steps SA4 to SA8: Assist control means (first invention)
Steps SB4 to SB11: Assist control means (second invention)
Claims (3)
前記加速運転時の燃料噴射量の増量補正が所定値を超えないように制限して前記エンジンの急激な出力変化を抑制するとともに、該増量補正の制限に伴うトルクの不足分を前記電動モータによって補うアシスト制御手段を有する一方、
前記電動モータの使用不可時には、前記加速運転時の燃料噴射量の増量補正を制限しない
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。An engine that operates by combustion of fuel and an electric motor that operates by electric energy are provided as power sources when the vehicle travels, and the engine and the electric motor according to the accelerator operation amount of the accelerator operation means operated by the driver In a control device for a hybrid vehicle that electronically controls the operating state of each motor, and increases the fuel injection amount by a correction coefficient during acceleration operation when the accelerator operation amount is increased while running using the engine as a power source,
The increase correction of the fuel injection amount during the acceleration operation is limited so as not to exceed a predetermined value to suppress a rapid output change of the engine, and a shortage of torque due to the limitation of the increase correction is reduced by the electric motor. While having an assist control means to supplement,
The hybrid vehicle control device according to claim 1, wherein when the electric motor is unusable, the increase correction of the fuel injection amount during the acceleration operation is not limited.
前記アシスト制御手段は、該加速運転時の補正係数FACが所定値FAC * を超えないように制限するとともに、該加速運転時の補正係数FACの制限に伴うトルクの不足分を前記電動モータによって補うものである
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。The fuel injection amount increase correction during the acceleration operation is a correction by the correction coefficient F AC during acceleration operation in the crank angle synchronous injection control.
The assist control means may correction factor F AC during the pressurized speed operation is limited so as not to exceed a predetermined value F AC *, wherein the deficiency of the torque accompanying the correction factor F AC limitations upon the pressurized speed operation electric The hybrid vehicle control device according to claim 1, wherein the hybrid vehicle is supplemented by a motor.
前記アシスト制御手段は、該クランク角非同期噴射の噴射量TB が所定値TB * を超えないように制限するとともに、該クランク角非同期噴射の噴射量TB の制限に伴うトルクの不足分を前記電動モータによって補うものである
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。The increase correction of the fuel injection amount at the time of the acceleration operation is a correction by the crank angle asynchronous injection that is temporarily performed at the time of sudden acceleration,
The assist control means may injection amount T B of the crank angle asynchronous injection is limited so as not to exceed a * predetermined value T B, the shortage of torque due to restriction of the injection quantity T B of the crank angle asynchronous injection The hybrid vehicle control device according to claim 1, wherein the control device supplements the electric motor.
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