JP3371747B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP3371747B2
JP3371747B2 JP09113497A JP9113497A JP3371747B2 JP 3371747 B2 JP3371747 B2 JP 3371747B2 JP 09113497 A JP09113497 A JP 09113497A JP 9113497 A JP9113497 A JP 9113497A JP 3371747 B2 JP3371747 B2 JP 3371747B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に搭載され
る自動変速機の変速制御装置に係り、詳しくはエンジン
から車輪方向に動力が伝達されるパワーオン状態におい
て、解放側摩擦係合要素及び係合側摩擦係合要素の掴み
換えによりダウンシフトする際の変速制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、パワーオン・ダウンシフト変速
は、走行中にトルクが不足し、アクセルペダルを踏み込
むことにより行なわれる。
【0003】従来、該パワーオン・ダウンシフト時の変
速方法として特開平5−332438号公報に示される
ものがある。このものは、解放(高速段)側摩擦係合要
素の油圧を、入力軸回転速度変化率を目標値に合致させ
るようにフィードバック制御して入力軸回転速度(数)
を低速段同期回転速度に向って増加させ、一方、係合
(低速段)側摩擦係合要素に油圧を供給開始した時点か
ら該供給油量の累積値を逐次求め、累積値が所定判別値
に到達した後に解放側摩擦係合要素を完全に解放し、か
つ係合側摩擦係合要素を完全に係合させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記係合側摩擦係合要
素の供給油量の累積値が所定判別値に到達する時点は、
該係合側摩擦係合要素が無効ストローク(トルク容量を
有する直前の状態にするピストンストローク)を完了し
たことを意味し、これにより正確な同期状態での掴み換
えを図るものであるが、このものは、変速中の入力軸回
転数の変化を解放側油圧のフィードバック制御のみによ
り行うものである。
【0005】従って、図3に鎖線で示すように、解放側
油圧PA ′は、高めに制御され、これにより解放側摩擦
係合要素の摩擦材の耐久性が損なわれる虞れがあると共
に、解放側油圧の上記フィードバック制御中における油
圧応答遅れ等によりエンジン吹き等の不具合を生ずる虞
れがある。
【0006】そこで、本発明は、上記解放側油圧のフィ
ードバック制御と共に、エンジンのトルクダウン制御を
行い、もって上述課題を解決した自動変速機の変速制御
装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、エンジン出力軸から入力され、該入力回転を、複数
の摩擦係合要素を断・接することにより伝達経路を切換
えて変速し、該変速された回転を車輪に出力する自動変
速機構と、前記各摩擦係合要素を断・接作動する油圧サ
ーボ(9,10)と、を備え、前記エンジン出力軸から
車輪に動力を伝達するパワーオン状態にて、前記摩擦係
合要素の1個を解放すると共に他の1個を係合してダウ
ンシフト変速してなる、自動変速機において、前記入力
回転数を検出する入力回転数検出手段(5)と、前記油
圧サーボ(9,10)に連通する油圧(PA ,PB )を
調圧する調圧手段(SLU,SLS)と、エンジントル
クを操作するエンジン操作手段(8)と、前記入力回転
数(NT )の変化(dNS )に基づき前記解放側摩擦係
合要素用油圧サーボへの油圧を制御するフィードバック
制御(FB)を含む油圧制御手段(1a)と、前記フィ
ードバック制御中において前記入力回転数の変化が所定
特性になるように前記エンジン操作手段(8)を制御す
るエンジン制御手段(1b)と、を備えることを特徴と
する自動変速機の変速制御装置にある。
【0008】更に、該請求項1に係る本発明は、前記エ
ンジン制御手段(1b)によるトルクコントロール量
(TC )のダウン状態(Tca)を、変速中の入力回転数
の変化率(dNTS)に基づき設定する、ことを特徴とす
る。
【0009】請求項2に係る本発明は、前記エンジン制
御手段によるトルクダウンを、変速制御開始時からの入
力軸回転数変化量(ΔN)が予め設定される所定値(N
TS)となる点で開始する、請求項1記載の自動変速機の
変速制御装置にある。
【0010】請求項3に係る本発明は、前記係合側摩擦
係合要素用油圧サーボへの油圧(PB )が係合に向けて
上昇を開始すること(dPB >0)に同期して、前記エ
ンジン制御手段(1b)によるトルクダウン方向の制御
を停止する、請求項1又は2記載の自動変速機の変速制
御装置にある。
【0011】請求項4に係る本発明は、前記係合側摩擦
係合要素用油圧サーボへの油圧(PB )が係合に向けて
上昇するスイープ勾配(dPB )に応じて、前記エンジ
ン制御手段によるトルクダウンからの復帰勾配(Tcb
を設定する、請求項1ないし3のいずれか記載の自動変
速機の変速制御装置にある。
【0012】[作用]以上構成に基づき、パワーオン・
ダウンシフト変速において、解放側油圧(PA )は、入
力回転数変化量(ΔN)が所定値(NS )になるとフィ
ードバック制御(FB)が開始され、入力回転数変化率
(dNS )を一定値に保持するように、調圧手段(SL
S又はSLU)により調圧される。そして、入力回転数
(NT)の変化量が予め設定されている所定値(NTS
に達すると、エンジン制御手段(1b)によるエンジン
トルクのダウン制御が開始される。
【0013】該トルクダウンは、例えば入力回転数変化
率(加速度dNTS)によりリダクション量(Tca)が算
出され、変速が完了した時点で該リダクション量になる
ような勾配によりスイープダウンし、該トルクダウンは
係合側油圧(PB )が例えば目標値(PTB)に向ってス
イープアップを開始する時点で停止される。そして、例
えば該係合側油圧のスイープ勾配(dPB )に基づき復
帰量(Tcb)が算出され、変速制御完了時点でトルクコ
ントロール量(Tc )が0となるような勾配にて、トル
クコントロール量がスイープアップする。
【0014】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、本発明の構成を何等限定する
ものではない。
【0015】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によると、解放側
油圧のフィードバック制御中にトルクダウン制御が行な
われるので、解放側油圧を低くすることができ、解放側
摩擦係合要素の摩擦材の耐久性を向上すると共に、フィ
ードバック制御における解放側油圧の制御量を少なくし
て油圧応答遅れ等によるエンジン吹きの発生等を防止す
ることができる。
【0016】更に、請求項1に係る本発明によると、ト
ルクダウン状態を入力回転数の回転変化率に基づき設定
するので、キックダウン等の急激な回転数変化及びスロ
ットルペダルの少しの踏込みにより緩やかな回転変化等
の入力回転数勾配が異なる場合でも常に適正なトルクダ
ウン状態を設定することができ、エンジン吹き及び出力
トルク変動を防止することができる。
【0017】請求項2に係る本発明によると、変速制御
開始時からの入力軸回転変化量に基づきトルクダウンを
開始するので、高車速から低車速まで確実に摩擦材の耐
久性の低下を防止できる。
【0018】請求項3に係る本発明によると、係合側油
圧の上昇開始にトルクダウンの停止を同期するので、係
合側油圧及びトルクダウンを別々に制御する場合のよう
に2段ショックの発生を防止して、出力軸トルクを滑ら
かに上昇することができる。
【0019】請求項4に係る本発明によると、トルクダ
ウンからの復帰勾配を係合側油圧のスイープ勾配に応じ
て設定したので、該スイープ勾配に影響を受けることが
なく、常に正確なレスポンスで変速できると共にエンジ
ン吹きを確実に防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】本自動変速機は、多数のクラッチ
又はブレーキ等の摩擦係合要素を有し、これら摩擦係合
要素を適宜断・接することによりプラネタリギヤの伝動
経路が選択される自動変速機構(図示せず)を備えてお
り、該自動変速機構の入力軸が、エンジン出力軸にトル
クコンバータを介して連結しており、またその出力軸が
駆動車輪に連結している。
【0021】図1は、電気系制御を示すブロック図であ
り、1は、マイクロコンピュータ(マイコン)からなる
制御部(ECU)で、エンジン回転センサ2、ドライバ
のアクセルペダル踏み量を検出するスロットル開度セン
サ3、実際のエンジンにおけるスロットル開度を検出す
るセンサ4、トランスミッション(自動変速機構)の入
力軸回転数(=タービン回転数)を検出するセンサ5、
車速(=自動変速機出力軸回転数)センサ6及び油温セ
ンサ7からの各信号が入力しており、またエンジンのス
ロットルを制御する電子スロットルシステム(エンジン
操作手段)8及び油圧回路のリニアソレノイドバルブ
(調圧手段)SLS及びSLUに出力している。前記制
御部1は、前記リニアソレノイドバルブSLS又はSL
Uに調圧信号を発信する油圧制御手段1a及び前記電子
スロットルシステム8にスロットル開度指令を発信する
エンジン制御手段1bを備えており、上記油圧制御手段
1aは、解放側油圧を、入力回転数変化率が一定の所定
値になるように調圧するフィードバック制御FBを含ん
でおり、また上記エンジン制御手段1bは、後述するよ
うに上記フィードバック制御中においてエンジントルク
が所定特定にてダウンするように制御する。
【0022】図2は、油圧回路の概略を示す図であり、
前記2個のリニアソレノイドバルブSLS及びSLUを
有すると共に、自動変速機構のプラネタリギヤユニット
の伝達経路を切換えて、例えば前進4速又は5速、後進
1速の変速段を達成する複数の摩擦係合要素(クラッチ
及びブレーキ)を断接作動する複数の油圧サーボ9、1
0を有している。また、前記リニアソレノイドバルブS
LS及びSLUの入力ポートa1 ,a2 にはソレノイド
モジュレータ圧が供給されており、これらリニアソレノ
イドバルブの出力ポートb1 ,b2 からの制御油圧がそ
れぞれプレッシャコントロールバルブ11,12の制御
油室11a,12aに供給されている。プレッシャコン
トロールバルブ11,12は、ライン圧がそれぞれ入力
ポート11b,12bに供給されており、前記制御油圧
にて調圧された出力ポート11c,12cからの調圧
が、それぞれシフトバルブ13,15を介して適宜各油
圧サーボ9,10に供給される。
【0023】なお、本油圧回路は、基本概念を示すため
のものであって、各油圧サーボ9,10及びシフトバル
ブ13,15は、象徴的に示すものであり、実際には、
自動変速機構に対応して油圧サーボは多数備えられてお
り、これら油圧サーボへの油圧を切換えるシフトバルブ
も多数備えている。また、油圧サーボ10に示すように
油圧サーボは、シリンダ16にオイルシール17により
油密状に嵌合するピストン19を有しており、該ピスト
ン19は、油圧室20に作用するプレッシャコントロー
ルバルブ12からの調圧油圧に基づき、戻しスプリング
21に抗して移動し、外側摩擦プレート22及び内側摩
擦材23を接触する。該摩擦プレート及び摩擦材は、ク
ラッチで示してあるが、ブレーキにも同様に対応するこ
とは勿論である。
【0024】ついで、図3に沿って本発明に係る変速制
御装置について説明するに、まず図4に基づき、パワー
オン時におけるクラッチ掴み換え変速によるダウンシフ
トに際しての解放側油圧PA について説明する。
【0025】走行中にあって、運転者がトルク不足を感
じ、アクセルペダルを踏込むと、スロットル開度センサ
3及び車速センサ6からの信号に基づき、制御部1はマ
ップによりダウンシフトを判断する。すると、該変速判
断から所定遅れ時間後、計時が開始されて変速制御が開
始される(S1)。該開始時点(t=0)にあっては、
解放側油圧PA が係合圧PW となる制御信号をリニアソ
レノイドバルブSLS(又はSLU)に出力し、解放側
摩擦係合要素が係合した状態にある(S2)。そして、
入力トルクTt の関数により解放側トルクTA が算出さ
れる(S2)。該入力トルクTt は、マップによりスロ
ットル開度とエンジン回転数に基づきエンジントルクを
求め、更にトルクコンバータの入出力回転数から速度比
を計算し、該速度比によりマップにてトルク比を求め、
エンジントルクに上記トルク比を乗じて求められる。更
に、該入力トルクにトルク分担率等が関与して上記解放
側トルクTA が求められる。
【0026】更に、該解放側トルクTA に基づき解放側
の目標油圧PTAが算出される(S4)。即ち、解放側摩
擦係合要素の有効半径×ピストン面積×枚数×摩擦係数
をAとし、解放側ピストンストローク圧(戻しバネ圧)
をBとすると、解放側油圧PA は、[PA =(TA
A)+B]にて算出される。そして、該解放側油圧PA
は、前記係合圧PW から該目標油圧PTAに向ってスイー
プダウンする(S5)。そして、解放側油圧PA が前記
目標油圧PTAになると(S6)、上記所定勾配[(PTA
−PW )/tTA]からなるスイープダウンが停止される
と共に、該目標油圧PTAに保持される(S7)。
【0027】ついで、入力軸回転数センサ5による入力
回転数NT の変速開始からの変化量ΔNが予め設定され
た回転数NS を超えると(S8)、フィードバック制御
FBが開始される(S9)。該フィードバック制御は、
入力回転数変化率dNS が一定目標値になるように解放
側油圧PA を調圧制御する。そして、該フィードバック
制御は、後述する係合側油圧のピストンストローク制御
(摩擦材が接触してトルク容量を有する状態となる直前
までピストンを移動する制御)を行う所定時間tSEが経
過し(S10)、かつ該係合側油圧PB が後述する目標
油圧PTBに達するまで継続する(S11)。そして、上
記フィードバック制御が終了すると、該解放側油圧PA
は所定勾配δPFAでスイープダウンして(S12)、該
スイープダウンは該油圧がドレーンされるまで継続して
(S13)、解放側油圧の制御が終了する。
【0028】一方、係合側油圧PB は、図5のフローチ
ャートに示すように、変速制御が開始されると同時に計
時が開始され(S1)、かつ同時に、所定圧PS1になる
ように所定信号をリニアソレノイドバルブSLS(又は
SLU)に出力し(S21)、該所定圧PS1に所定時間
SA保持される(S22)。該所定圧PS1は、油圧サー
ボの油圧室20を満たして、摩擦材22,23が接触す
るようにピストン19を移動するのに必要な圧である
(ファストフィル圧)。上記所定時間tSAが経過する
と、係合側油圧PB は、所定勾配[(PS1−PS2)/t
SB]でスイープダウンし(S23)、係合側油圧PB
所定低圧PS2になると(S24)、該スイープダウンが
停止され、該所定低圧PS2に保持される(S25)。該
所定低圧PS2は、ピストンストローク圧以上でかつ入力
軸の回転変化を生じさせない圧に設定されており、該所
定低圧PS2は、計時tが所定時間tSE経過するまで保持
される(ピストンストローク制御)(S26)。
【0029】ついで、入力トルクTt 及び前記解放側油
圧PA に基づく関数により解放側トルク分担TB が算出
される(S27)。更に、該解放側トルク分担TB に基
づき、入力回転数NT の回転変化が開始する直前の係合
側油圧PTBが算出される(S28)。そして、該係合油
圧PTBに基づき、予め設定された所定時間tTBにより所
定勾配が算定され[(PTB−PS2)/tTB]、該勾配に
基づき係合側油圧がスイープアップする(S29)。該
スイープアップにより、係合トルクが増加し、入力回転
数変化が開始する直前の状態、即ち前記算出された所定
目標係合油圧PTBまで油圧が上昇する(S30)。
【0030】そして、該スイープアップにより、係合側
油圧PB が目標係合油圧PTBに達した時点で、入力軸回
転数の回転変化が開始されるイナーシャ相が終了したと
予測される。即ち、N1 を変速開始時の入力軸回転数、
i+1 を変速前ギヤ比、giを変速後ギヤ比、NTEを変
速完了時の回転変化量(ΔN)とすると、 ΔN=NTE=N1 (gi+1 −g) となり、変速完了状態となる。
【0031】そして、この時点で計時時間tF が設定さ
れ(S31)、この状態はイナーシャ相が終了した状態
と略々対応している。更に、比較的急な油圧変化δPFB
が設定されて、該油圧変化により油圧が急激にスイープ
アップし(S32)、そして前記計時時間tF から、係
合圧まで上昇するに充分な時間に設定されている所定時
間tFBが経過した状態で(S33)、係合側の油圧制御
が完了する。
【0032】ついで、図6に沿ってエンジントルク制御
について説明する。前述したように、解放側摩擦係合要
素のフィードバック制御(S9)により入力回転数NT
が一定勾配で上昇し、該入力回転数の制御開始時からの
変化量ΔNが予め設定された所定値NTSに達すると、エ
ンジンのトルクダウン制御が作動する(S41)。トル
クダウンのタイミングを常に一定にすると、変速開始時
の回転数が大きい場合、即ち変速中の回転変化量が大き
い場合、解放側摩擦係合要素の発生する発熱量も大きく
なるため、トルクダウンタイミングが遅れると、摩擦材
の耐久性を損ねる虞れがあるが、本エンジントルク制御
では、上述したようにトルクダウンの開始時点が、変速
制御開始時の入力回転数NT (ΔN=0)に基づき設定
されるので(ΔN≧NTS)、高車速から低車速まで解放
側摩擦係合要素の耐久性の低下を防止できる。
【0033】そして、上記所定値NTSにおける入力回転
数の変化率即ち加速度dNTSを算出し、該変化率に基づ
き、図7(a) に示す正比例関数によりトルクリダクショ
ン量Tcaを算出する(S42)。そして、エンジントル
クのコントロール量Tc を0に設定した後(S43)、
該コントロール量が制御される。上記トルクリダクショ
ン量を入力回転数ΔNに基づき設定すると、回転数の上
昇勾配が異なる場合でも常に一定のリダクション量にな
ってしまい、キックダウンのように回転勾配がきつい場
合にはエンジン吹きを生じ、また回転勾配が緩い場合に
は出力トルクTO の変化を生じるが、上述したように回
転変化率dNTSによりリダクション量を設定するので、
回転勾配に拘らず常に最適のリダクション量を設定し
て、エンジン吹き及び出力トルクの変動を防止すること
ができる。
【0034】該トルクコントロール量Tc は、前記変速
が完了した時点において前記トルクリダクション量Tca
となるような勾配、即ち変速開始時からの入力回転数
(変化量)をΔNとすると、トルクコントロール量Tc
は、 Tc =−Tca×(ΔN−NTS/NTE−NTS) でスイープダウンする(S44)。該スイープダウン
は、前記係合側油圧PB が上昇方向に変化したか即ち該
油圧の変化率dPB が正になるか(S45)、又は入力
回転数変化量ΔNが変速後入力回転数NTEとなるまで継
続する(S46)。この際、係合側油圧PB のスイープ
アップ開始に同期して上記エンジントルクダウン方向の
制御が停止されるので、係合側油圧の上昇及びトルクダ
ウンの停止を異なるタイミングで行うことによる2段シ
ョックの発生を防止できる。
【0035】そして、dPB >0か又はΔN≧NTEにな
ると、係合側油圧PB の変化率dPB 即ち前記目標値P
TBに向うスイープ勾配により、図7(b) に示すような反
比例関数に基づき復帰量Tcbが算出される(S47)。
そして、前記目標油圧PTBに対する係合側油圧PB の割
合を前記復帰量Tcbに乗じたトルクコントロール量Tc
にて、前記ステップS45又はS46にて中断されたト
ルクコントロール量[Tca]からスイープアップする
(S48)。なお、該ステップS48における[Tca
は、ステップS44によるスイープダウンが中断された
トルクコントロール量であり、ステップS42で算出さ
れたリダクションTcaと一致しない場合が多い。該スイ
ープダウンは、トルクコントロール量Tc が0を超えた
時点で終了され(S49)、この点は一般に、係合側油
圧PB が目標値PTBになる点、即ちイナーシャ相が終了
して入力回転数NT が変速後回転数NTEになった時点に
一致し、エンジントルク制御が終了する。
【0036】なおこの際、トルクコントロール量の復帰
勾配が一定であると、係合側油圧のスイープ勾配が大き
い場合には係合側摩擦係合要素のトルク容量に対してト
ルクの立上りが遅れててレスポンスが悪化し、また係合
側油圧のスイープ勾配が小さい場合にはトルク容量に対
してトルクの立上りが早くなるためエンジン吹きを生じ
るが、上述したように復帰量勾配を係合側油圧のスイー
プ勾配に応じて設定することにより、上記レスポンスの
悪化及びエンジン吹きを確実に防止できる。
【0037】従って、前述した解放側油圧PA のフィー
ドバック制御と共に上記エンジンのトルクダウン制御が
行なわれるので、解放側油圧PA は、従来の技術による
もの(PA ′)に比して低く抑えることができ、その分
摩擦係合要素の摩擦材の耐久性を向上し、かつ油圧応答
遅れ等によるエンジン吹き等を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気ブロック図。
【図2】本発明に係る油圧回路の概略を示す図。
【図3】本発明の実施の形態によるタイムチャート。
【図4】その解放側の油圧制御を示すフローチャート。
【図5】その係合側の油圧制御を示すフローチャート。
【図6】そのエンジントルク制御を示すフローチャー
ト。
【図7】(a) は、エンジントルクコントロールのリダク
ション量を示す図で、(b) はエンジントルクの復帰量を
示す図。
【符号の説明】
1 制御部 1a 油圧制御手段 1b エンジン制御手段 5 入力回転数検出手段(センサ) 8 エンジン操作手段(電子スロットルシステム) 9,10 油圧サーボ NT 入力回転数 NTS 所定値 dNTS 入力回転数変化率 PA 解放側油圧 PB 係合側油圧 dPB スイープ勾配 TC エンジントルク(制御値) Tca ダウン状態(リダクション量) Tcb 復帰状態(復帰量)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // F16H 59:42 F16H 59:42 (72)発明者 斉藤 正雄 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 久保 孝行 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−72409(JP,A) 特開 平9−68267(JP,A) 特開 昭63−254256(JP,A) 特開 昭63−266259(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 41/06 F02D 29/00 F16H 61/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力軸から入力され、該入力回
    転を、複数の摩擦係合要素を断・接することにより伝達
    経路を切換えて変速し、該変速された回転を車輪に出力
    する自動変速機構と、前記各摩擦係合要素を断・接作動
    する油圧サーボと、を備え、 前記エンジン出力軸から車輪に動力を伝達するパワーオ
    ン状態にて、前記摩擦係合要素の1個を解放すると共に
    他の1個を係合してダウンシフト変速してなる、自動変
    速機において、 前記入力回転数を検出する入力回転数検出手段と、 前記油圧サーボに連通する油圧を調圧する調圧手段と、 エンジントルクを操作するエンジン操作手段と、 前記入力回転数の変化に基づき前記解放側摩擦係合要素
    用油圧サーボへの油圧を制御するフィードバック制御を
    含む油圧制御手段と、 前記フィードバック制御中において前記入力回転数の変
    化が所定特性になるように前記エンジン操作手段を制御
    するエンジン制御手段と、を備え、 前記エンジン制御手段によるトルクコントロール量のダ
    ウン状態を、変速中の入力回転数の変化率に応じて設定
    する、 ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記エンジン制御手段によるトルクダウ
    ンを、変速制御開始時からの入力軸回転数変化量が予め
    設定される所定値となる点で開始する、 請求項1記載の自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記係合側摩擦係合要素用油圧サーボへ
    の油圧が係合に向けて上昇を開始することに同期して、
    前記エンジン制御手段によるトルクダウン方向の制御を
    停止する、 請求項1又は2記載の自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記係合側摩擦係合要素用油圧サーボへ
    の油圧が係合に向けて上昇するスイープ勾配に応じて、
    前記エンジン制御手段によるトルクダウンからの復帰勾
    配を設定する、 請求項1ないし3のいずれか記載の自動変速機の変速制
    御装置。
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