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季節柄の意味と使い方・時節柄との違い・時候の挨拶の例

更新日:2024年08月12日

言葉の意味・例文

手紙やなどの結びの挨拶に「季節柄」と書かれているのを目にする機会が多くあります。「季節柄」にはどのような意味があり、また「時節柄」との違いどこにあるのでしょうか?「季節柄」をどんな時にどのように使ったらよいかについて例文を交えてご紹介します。

「季節柄」の意味と使い方って?

「季節ですから」に込められた美しい言葉

「季節柄」という表現は、日本ならではの美しい言葉だと言えます。日本には四季があり、それぞれに特徴があることで、その季節に受ける印象が異なります。そのため、手紙や葉書などでの挨拶表現では、この「季節柄」が極めて豊かに変化します。 「季節柄」の「季節」は「四季の季節」を指し、この季節にふさわしい物事や事柄、この季節だからこそという意味が込められています。つまり「季節柄」全体の意味としては「こういう季節ですから」となり、春には春らしい物や事、夏には夏らしい物や事、秋には秋らしい物や事、冬には冬らしい物や事を指す、日本らしさのある美しい言葉です。

「季節にふさわしい」という奥ゆかしさ

「季節柄」と書かれたのが春先である場合には、「まだ肌寒さが残り、寒暖の差も大きい頃ですから」というニュアンスとなります。また、「季節柄」に続き相手の健康を気遣う一文を添えるのは「まだ寒さが残りますので、どうぞお体に気を付けてください」という意味合いを持たせるためです。 このように、「季節柄」は使う季節によって含まれるニュアンスが異なるので、季節にふさわしい一文を添えることで、奥ゆかしさを表現することができます。

「季節柄」と「時節柄」の違いは?

「時節柄」の「時節」は、風景や気象の変化から感じられる「時季」や「今の季節」という意味と、今現在の社会状況や人々の意識、風潮を表す「時世」や「時代」「世の中」という意味の2種類味があります。その後に続く「柄」はその状態を意味する接尾語で、時節の名詞に接続しています。 そのため、「時節柄」は「時節柄を考え」のように目的語として使われるだけでなく、「多事多難の時節柄ですから」のように理由や原因について表現する意味合いで使う方法もあるので、季節だけに限定した「季節柄」とは使い方や目的が大きく異なります。

「季節柄」と「時節柄」の使い分けはどうすべき?

「季節柄」に似た言葉に「時節柄」があります。「時節柄」の意味については前述のとおりですが、実はこの時節柄も季節柄と同様の使い方をする美しい言葉で、時節柄と書かれた後には「相手を気遣う一文」が続きます。 しかし、時節柄は季節柄と異なり、別の使われ方をされる場合もあります。それは、「時節柄、お早めにお召し上がりください」など、発送された食品などに添えられている場合です。特に夏は食品が傷みが早いので、贈呈品への注意を促すという意味で使われることが多々あります。 また時節柄は「今の季節」に限った表現ではなく、その時代の「社会の風潮」や「時世」を表現するなど「このような時代ですから」という意味で、季節に留まらず幅広く使われています。

時候の挨拶に使える美しき日本の言葉

「時下」を記す場合

時下は「じか」と読みます。目下と同じ意味を持つ言葉で、「ただ今」「この頃」「現在」という意味です。元来、漢籍に書かれた漢語として日本語に取り入れられた言葉なので、漢文を読む時の音読みのまま「じか」という読みで定着しまし、現代の中国語でも「今」という意味として使われています。 末尾に「下」が付く似ている言葉に戦時下・状況下などがあり、これらは現在も日常的に使われている言葉です。しかし、時下は書簡文の時候の挨拶に代える言葉として使われるのがほとんどです。 時候の挨拶は、四季折々の季語を使ったり、季節感のある修辞表現をすることにより、風情を感じさせるところが良い点ですが、華美な表現を抑えた簡素な文面にしたい時、書簡の前置きを手短に済ませたい時、単刀直入に本題に入るのは失礼と感じられる時などには、時下で始まる挨拶文によって時候の挨拶に代えます。

「時分柄」を記す場合

時分柄は「じぶんがら」と読みます。時節柄と同じ意味を持つ言葉で、「今の季節」や「時季」という意味と、現在の社会状況や人々の意識や風潮を指す「時代」や「世の中」や「時世」という意味の2種類味を持つのは、時節柄と同様と言えます。 また、「その時分にふさわしいこと」や「その時期らしい特徴を備えている様子」を表すので、「時分柄、早めにお召し上がり下さい」 などとして使われることも多くあります。

「時候不順の折柄」を記す場合

時候には「四季折々の気候、天候」という意味があるので、「季節それぞれの気候や天気」という意味で使われます。 不順には「順調でないこと、順序が狂うこと」という意味があるので、「不順な天候」という表現になりますが、「時候不順」としては「予想しづらい天気、順調ではない天気」という意味となります。つまり、天気予報で晴れだと言われていたのに雨が降ったり、雨の予報が降らなかったり、雨の日が続いたと思えば晴れたりと不安定な天気であることを示します。 「その季節の気候や天候が予想しづらく、安定しない」という意味から、気温の変動が激しいこと、梅雨が近づくことで天気が不安定になること、気候や天候が予想しづらい時期であるという意味で、「時候不順」は6月に使われる挨拶文とされています。

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初回公開日:2017年12月23日

記載されている内容は2017年12月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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