与謝蕪村
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与謝蕪村(1716年 - 1784年)は、江戸時代中期の俳人、画家。
『蕪村句集』
[編集]- うぐひすの二声(ふたこへ)耳のほとりかな
- 春風や堤長うして家遠し
- 春の海終日(ひねもす)のたりのたりかな
- 菜の花や鯨もよらず海暮れぬ
- 牡丹散りて打ちかさなりぬ二三片
- 地車のとどろと響く牡丹かな
- 散りてのちおもかげにたつ牡丹かな
- 行(ゆく)春や撰者をうらむ哥(うた)の主
- 粽解いて蘆吹く風の音聞かん
- 詞書「浪花の一本亭に訪れて」。大坂に松濤芙蓉花を訪れた挨拶句。
- さみだれや名もなき川のおそろしき
- 夏河を越すうれしさよ手に草履
- 蜻(こほろぎ)や相如が絃のきるる時
- 雨の萩山は動かぬ姿かな
- 白萩は咲くより零す景色かな
- 鳥羽殿へ五六騎急ぐ野分かな
- 月天心貧しき町を通りけり
- 名月やけさ見た人に行きちがひ
- きのふ花翌をもみじやけふの月
- 秋風の吹きのこしてや鶏頭花
- 秋風のうごかしてゆく案山子かな
- 阿武隈や五十四郡のおとし水
- 易水(えきすい)に葱(ねぶか)流るる寒さかな
『蕪村自筆句帖』
[編集]- 逢はぬ恋おもひ切る夜やふくと汁
- 妹(いも)が垣ね三味線草(さみせんぐさ)の花咲ぬ
- 稲づまや浪もてゆへる秋津しま
- 狐火の燃えつくばかり枯尾花
『五車反古』
[編集]- ゆく春やおもたき琵琶の抱心
『自画賛』
[編集]- 老いが恋わすれんとすればしぐれかな
『から檜葉』
[編集]- しら梅に明(あく)る夜ばかりとなりにけり