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.500ラインボー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
.500ラインボー
種類 リボルバー弾
原開発国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
製造の歴史
設計者 ジョン・ラインバウ
設計時期 1986
派生品 .500ラインボー・マキシマム(別名.500ラインボー・ロング)
特徴
元モデル .348ウィンチェスター
薬莢形状 リムド、ストレート
弾丸 .510 in (13.0 mm)
首径 .540 in (13.7 mm)
底面径 .553 in (14.0 mm)
リム径 .610 in (15.5 mm)
リム厚 .065 in (1.7 mm)
薬莢長 1.405 in (35.7 mm)
全長 1.755 in (44.6 mm)
雷管のタイプ 大型ライフル
弾丸性能
弾頭重量/種類 初速 エネルギー
435 gr (28 g) L.B.T-L.F.N Buffalo Bore 1,300 ft/s (400 m/s) 1,632 ft⋅lbf (2,213 J)
525 gr (34 g) L.B.T-L.F.N Buffalo Bore 1,100 ft/s (340 m/s) 1,410 ft⋅lbf (1,910 J)
400 gr (26 g) L.B.T-L.F.N Buffalo Bore 1,190 ft/s (360 m/s) 1,735 ft⋅lbf (2,352 J)
出典: http://www.buffalobore.com

.500ラインボー.500LINEBAUGH(読み方はラインバウとも)}はリボルバー用に設計された.50口径の拳銃弾。運動エネルギー力率(モーメント)などの観点から、最強クラスの拳銃弾として知られている。[1]

経緯

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.500ラインボー弾は、メリービル (ミズーリ州) のジョン・ラインボーによって1986年に設計された。ジョン・ラインボーは.45コルト弾を6発装填するリボルバーを5発装填とすることで、シリンダーがさらに高圧な.45コルト弾の使用に耐えうるように改造していた。この挑戦は成功したが、彼はさらに強力な弾丸を求め、その結果.500ラインボー弾が誕生した。[1]

薬莢は.348ウィンチェスター弾のそれを1.405 in (35.7 mm) に短縮し、リム径を.610 in (15.5 mm) に、そして薬莢の口は.510口径(12.95mm)の弾丸に対応するべく拡張した形状。.500ラインボー弾を使用するために最初に改造されたリボルバーはルガー・バイズリーセビリア・リボルバーなどだった。1990年代始めにセビリア・リボルバーが消滅したため、その後の改造はルガー・バイズリーのフレームをベースに行われた。[2]

ジョン・ラインボーが.475ラインボー弾の設計に取り組んでいた時、.45-70ガバメント弾がベースとして有力だったが、その頃に.348ウィンチェスター弾の普及が始まった。ウィンチェスター・モデル71によって.348ウィンチェスター弾が再び注目されたため、.500ラインボー弾は再び実現へと近づく[1]。現在は、スターライン社とバッファロー・ボア社が、.348ウィンチェスター薬莢に依存せずに.500ラインボー弾を市場に供給している。

設計と詳細

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.500ラインボー弾は独自の実包であるため、大手銃火器メーカーは取り扱わない。2018年現在、この銃弾に対応するリボルバーを製造する銃火器メーカーは存在しないが、ラインボー・カスタムシックスガンとして活躍するジョン・ラインボーや、ボーウェン・クラシック・アームズのハミルトン・ボーウェンなどのガンスミスらが、やバイズリーなどの既存のリボルバーを本弾用に改造している。ハミルトン・ボーウェンは、ダブルアクションリボルバーのルガー・レッドホークを改造して本弾に対応させたことで有名。

.500 Linebaugh Cartridge Schematic

独自の実包であるため、CIPもスポーツ火器および銃弾製造業者協会(SAAMI)も公式仕様書を発行していない。そのため、仕様はガンスミスによって様々。本弾の圧力基準なども発表されていないが、ジョン・ラインボーによると圧力値が30,000 psi (2,100 bar) から35,000 psi (2,400 bar) の間であれば、改造リボルバーでも安全としている。

本弾は.510 in. (12.95 mm) 径のジャケット弾、又は.511から.512 in. (12.98-13.01 mm) の鉛弾を使用する。

スポーツ用途

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.500ラインボー弾は本来、狩猟用に設計されたが、アラスカなど大型の熊と遭遇する恐れのある地域では、自衛に大変適している。設計では440 gr (29 g)の弾丸を1,300 ft/s (400 m/s)で撃ち出せる[3]。これによりエネルギー量は1,650 ft⋅lbf (2,240 J) と、販売される拳銃弾の中でも最強クラスとなっている。エネルギーの面では、.454カスール弾と同等だが、.500ラインボーはより大口径、重量弾を使用しており、断面密度も優れる。狩猟用の弾丸としては、北米の全て、アフリカのほとんどの狩猟対象動物に対応できる[1]

注釈

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  1. ^ a b c d Barnes, Frank C. (2006) [1965]. Skinner, Stan. ed. Cartridges of the World (11th ed.). Gun Digest Books. p. 278. ISBN 0-89689-297-2 
  2. ^ The .500 Linebaugh”. gunblast.com. Gunblast (23 August 2004). 17 November 2010閲覧。
  3. ^ .500 Linebaugh Ammo”. Buffalo Bore Ammunition. 29 December 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。17 November 2010閲覧。