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萩原進

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
晩年の萩原進(1988年7月撮影)

萩原 進(はぎわら すすむ、1913年大正2年〉7月23日 - 1997年平成9年〉1月20日[1])は、日本の歴史学者群馬県吾妻郡長野原町出身[1]群馬県郷土史研究に従事。群馬県議会図書室長、前橋市立図書館長を歴任。

来歴

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1913年(大正2年)、群馬県吾妻郡長野原町の農業兼雑貨商の父茂一・母いはの第三子(長男)として生まれる。1934年(昭和9年)群馬県師範学校を卒業し、群馬県内の小学校訓導教諭教頭を経て、群馬県農業会主事・群馬県議会図書室長・前橋市立図書館長を歴任。その間、群馬県図書館協会副会長、全国公共図書館理事、また「みやま文庫」理事兼編集委員長や「群馬県文化事業振興会」常任理事、群馬県芸術文化協会長、前橋刑務所篤志面接委員や読売新聞選挙浄化委員、1987年(昭和62年)には群馬県史編纂専門委員長としてその完成に尽力、1984年(昭和59年)に群馬県文化財保護審議会長をつとめた[1]

業績

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群馬県の郷土史研究に従事。群馬県師範学校在学中、千々和実を指導教官として群師史学会を組織し会長となった[2]。千々和実と共篇により「高山彦九郎全集全4巻を刊行、浅間山の研究・著作にも精力を傾け、「浅間山風土記」「天明三年浅間山噴火史」を経て「浅間山天明噴火史料集成(Ⅰ~Ⅴ)」を完成させた。

受賞・受章歴

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叙勲時に愛妻ふみ(1918年2月24日 - 2008年7月9日)と(自宅にて)

主な著作

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  • 浅間山風土記煥乎堂、1942年。
  • 高山彦九郎全集』全4巻、千々和実と共著、高山彦九郎遺稿刊行会、1943年‐54年。
  • 草津温泉史』文進社、1948年。
  • 万座温泉風土記』文進社、1948年。
  • 『群馬県金融史』群馬大同銀行、1952年。
  • 『上毛裏がえ史』群馬情報社、1956年。
  • 『群馬県史明治時代(Ⅰ-Ⅴ)』高橋書店、1959年。
  • 『あがつま史帖』西毛新聞社、1963年。
  • 『群馬県遊民史』上毛新聞社、1965年。
  • 『上州人(上下)』上毛新聞社、1965年。
  • 『下長磯操翁式三番叟人形』前橋市教育委員会、1971年。
  • 上州よもやま話-NHK前橋放送から-』〈みやま文庫39〉みやま文庫、1971年。
  • 足尾鉱毒事件』上毛新聞社、1972年。
  • 『群馬県人』新人物往来社、1975年。
  • 『歴史の振子』あさを社、1975年。
  • 『草津温泉誌』第1巻 草津町誌編さん委員会編、尾崎喜左雄、萩原進、川合勇太郎著、草津町役場、1976年。(「中世の草津」を担当)
  • 『郷土歴史人物事典 群馬』第一法規出版、1978年。
  • 『萩原進著作集』東京国書刊行会、1981年。
  • 『浅間山天明噴火史料集成(1-5)』群馬県文化事業振興会、1985年。
  • 『緑蔭史話』〈みやま文庫106〉みやま文庫、1987年。
  • 『上州人事業化列伝』群馬県経済研究所、1988年。
  • 碓氷峠』(増補新装版)、有峰書店新社、1989年。ISBN 4870451816
  • 山村暮鳥』〈みやま文庫112〉みやま文庫、1990年。
  • 『群馬の郷土芸能・下』〈みやま文庫127〉みやま文庫、1993年。
  • 『高山彦九郎読本』群馬県出版センター、1993年。ISBN 4906366198
  • 『その人その人生 下村善太郎下村善右衛門伝』下村善太郎同善右衛門伝記刊行会、1993年。
  • 『炎の生糸商人中居屋重兵衛』(新版)、有隣堂、1994年。ISBN 4896600215
  • 『爪跡一路』むそじ刊行会、1995年。遺著。巻末に編著書・撰文碑所在各目録、年譜他の記載あり。国立国会図書館・群馬県下の主な公立図書館所蔵

脚注

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  1. ^ a b c d 近藤, 義雄「萩原進先生 略歴」『ぐんま史料研究』第8号、群馬県立文書館、5-6頁。 
  2. ^ 群馬県地域文化研究協議会 1997, p. 17.
  3. ^ a b c d e 群馬県地域文化研究協議会 1997, 巻頭.

参考文献

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  • 『ぐんま史料研究』8号、群馬県立文書館、1997年2月10日。ISSN 1340-3362 
  • 『群馬文化』251号、群馬県地域文化研究協議会、1997年7月31日。ISSN 0287-8518 

関連項目

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