コンテンツにスキップ

水郷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
水郷の例(柳川市)

水郷(すいごう、すいきょう)とは、河川湖沼が多くある景勝地河川の下流域や湖沼の周辺などの低平な湿地の広い地域をいう。

概要

[編集]

(1) 水のほとりの村、(2) 河川や湖沼が多くある景勝地、(3) 特に茨城県千葉県にまたがる利根川下流域から霞ヶ浦にかけての低湿地帯の称、のこと。

明治時代から昭和の初めにかけて水郷は「すいきょう」と呼ばれ、水のほとりの村を指していた[1]。このころ文人墨客[2]により日本の各地で水郷と呼ばれていた場所があった。

そして、その中で利根川下流から霞ヶ浦にかけての地域を、他の地域と区別するために「すいごう」と呼ぶようになった[注 1]千葉県香取市茨城県潮来市鹿嶋市は「水郷三都」と称されている[4]

現在では、河川の合流部や下流の三角州地域、湖沼の近くなどの低湿な水辺地域のことを「水郷」と呼ぶことが多い。このため一般的に移動手段として舟運が発達していた。

著名な地域

[編集]

中華人民共和国

[編集]
水郷の景観(蘇州市)

日本

[編集]
佐原(香取市)
茨城県鬼怒川流域で広がる水郷地帯。(常総市上空から撮影)

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 船頭小唄」の全国的流行、日本八景選定の大運動を経て、「すいきょう」と呼ばれる地域は数多くあることから、佐原・十六島・潮来の水郷を他と区別し固有名詞化するために「すいごう」と呼ぶこととした[3]

出典

[編集]
  1. ^ 「漢語故諺熟語大辞林」(1901年刊行)、「辞林」(1907年)、「大辞典」(1912年)、「辞海」(1914年)など
  2. ^ 「妻木」松瀬青々1904年)、「思ひ出」北原白秋1911年)、「水郷めぐり」田山花袋1920年)ほか
  3. ^ 佐原市史」(1966年
  4. ^ 佐原、潮来、鹿嶋 ―水郷三都―”. www.suigosanto.com. 2019年7月4日閲覧。
  5. ^ 江南水郷”. 蘇州市公式観光サイト. 2018年8月1日閲覧。
  6. ^ 文化遺産データベース 利根川・渡良瀬川合流域の水場景観”. 文化庁. 2016年4月25日閲覧。
  7. ^ こしがや川学(カワナビ)!!”. 越谷市 (2007年8月23日). 2018年8月1日閲覧。
  8. ^ 大垣市の中心市街地活性化基本計画について” (PDF). 新都市 2010年6月号. 都市計画協会. 2018年8月1日閲覧。
  9. ^ 松江市都市計画マスタープラン 第1章 松江市の現状と課題” (PDF). 松江市 (2008年3月). 2018年8月1日閲覧。
  10. ^ 横尾文子「北原白秋の目を通してみた柳川の水郷景観」『佐賀女子短期大学研究紀要』第43巻、佐賀女子短期大学、2009年、2018年8月1日閲覧 
  11. ^ 2013 日田市勢要覧 - 日田のイメージ(水郷・天領・文教)” (PDF). 日田市 (2013年). 2018年8月1日閲覧。
  12. ^ 2013 日田市勢要覧 - 天領、文教、日田の先哲” (PDF). 日田市 (2013年). 2018年8月1日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 広辞苑第6版 岩波書店 2008年
  • 大辞林 三省堂 1989年
  • 大辞泉 小学館 1995年
  • 日本国語大辞典 小学館 2001年
  • 地理学辞典 二宮書店 1989年
  • 世界大百科事典 平凡社 2007年
  • 日本大百科事典 小学館 1986年
  • 日本地名大百科 小学館 1996年
  • 日本の水郷・水都 (財)リバーフロント整備センター 2006年

関連項目

[編集]