板橋資産家夫婦放火殺人事件
板橋資産家夫婦放火殺人事件(いたばししさんかふうふほうかさつじんじけん)とは2009年(平成21年)5月25日に東京都板橋区で発生した殺人放火事件[1]。現在も犯人は逮捕されておらず未解決事件となっている。警視庁の正式名称は「板橋区弥生町所在の住宅内殺人及び放火事件」。
概要
[編集]2009年(平成21年)5月25日午前0時半ごろ、東京都板橋区弥生町の民家から出火し全焼。現場からこの家に住む74歳の不動産賃貸業の男性と69歳女性の夫婦2人の殺害された遺体が発見された[2]。
犯人は被害者夫婦の頭を鈍器のようなもので執拗に殴ったうえ刃物で胸や腹を刺して殺害した[3]。この際被害者夫婦は何らかの理由で犯人に抵抗できない状態にあったとみられ、2人の遺体には防御創がほとんどなかった。また被害者の男性が普段外出のときに着用するネクタイやワイシャツ姿でなかったことから、室内で襲われた可能性がある[4]。
用心深い性格だったという被害者の男性は、常に敷地にある4カ所すべての出入り口を施錠し、他人を敷地内に入れることは滅多になかった[5]。この出入り口には人の動きを感知する赤外線センサーが設置され、人の出入りを感知すれば室内にいる人間に音で知らせる仕組みになっていた[6]。また男性は自宅に高額の現金や所有する不動産に関係する重要な書類を保管していたとも言われ、実際に遺体が発見された部屋には2000万円以上の札束が残されていた[2][7]。こうした事からこの事件は被害者の家の事情に詳しい犯人による計画的な犯行も疑われている。
被害者の男性
[編集]殺害された男性は地主の瀬田熊太郎家の出身で[8]、地元では特に有名な資産家として知られており、個人でアパートや土地など約80件にも上る物件を所有し、不動産関連の収入で生活していた。普段は毎晩のように夜の街にくり出し、一晩で100万を使うこともあったという。昼間はほとんど自宅におり電話にも出ないこともあり、近所の住人との付き合いはあまりなかった[9]。
脚注
[編集]- ^ “火災現場から2遺体 東京・板橋、殺人容疑で警視庁捜査”. MSN産経ニュース. (2009年5月25日) 2009年5月28日閲覧。
- ^ a b “莫大な富を有する資産家夫婦は誰に狙われたか? “取り巻き”と「日中混成強盗団」の影を追う──”. 日刊サイゾー (2013年1月8日). 2016年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月20日閲覧。
- ^ “殴られ無抵抗の夫婦を刺す? 板橋の資産家殺人”. MSN産経ニュース. (2009年5月27日) 2009年5月30日閲覧。
- ^ “【衝撃事件の核心】顔見知り?突発的? 犯人が用心深い被害者宅に入れたのは…資産家夫婦殺人放火事件 (1/4ページ)”. MSN産経ニュース. (2009年6月6日) 2009年6月9日閲覧。
- ^ TOKYO MX (24 May 2010). 板橋資産家夫婦殺害事件 未解決のまま事件発生から1年. YouTube. 該当時間: 02:20. 2023年5月20日閲覧。
- ^ “「家に千両箱」「札束にカビ」資産家ぶり目立つ 板橋の殺人放火 (1/2ページ)”. MSN産経ニュース. (2009年5月26日) 2009年5月29日閲覧。
- ^ “【未解決】放置された大金が物語る“奇妙なねじれ”とは?「板橋資産家夫婦放火殺人事件」の謎”. TOCANA (2021年12月4日). 2023年1月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月20日閲覧。
- ^ a b “板橋の資産家放火殺人事件未解決、あれから3年〜雑司ヶ谷へお墓参り”. 池袋TV. YouTube (2012年5月25日). 2024年8月13日閲覧。
- ^ “近所づきあい少なく、羽振りよい資産家 東京・板橋の殺人放火”. MSN産経ニュース. (2009年5月25日) 2009年5月30日閲覧。