将軍様は縮地法を使われる
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「将軍様は縮地法を使われる」 | |
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旺載山芸術団の楽曲 | |
発祥 | 北朝鮮 |
リリース | 1996年 |
ジャンル | NK-POP |
時間 | 2分43秒 |
作詞者 | 鄭烈 |
作曲者 | 金雲龍 |
将軍様は縮地法を使われる | |
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各種表記 | |
チョソングル: | 장군님 축지법 쓰신다 |
漢字: | 將軍님 縮地法 쓰신다 |
発音: | チャングンニム チュクチボプ スシンダ |
RR式: | Janggunnim Chukjibeop Sseusinda |
MR式: | Changgunnum Ch'ukjibŏp Ssŭsinda |
英題: | The General Uses Warp |
「将軍様は縮地法を使われる」(しょうぐんさまはしゅくちほうをつかわれる、朝: 장군님 축지법 쓰신다)は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の楽曲の一つ。作詞は鄭烈(チョン・リョル、정렬)、作曲は金雲龍(キム・ウルリョン、김운룡)。金正日を称える作品として知られる。
概要
[編集]本作は1996年、旺載山芸術団(ワンジェサン軽音楽団)[注釈 1]によって発表された。曲名の通り、金正日は金日成と同じく縮地(仙術における瞬間移動術)を使うことができると称賛する内容の作品である[注釈 2]。
本作歌詞中の “高地(朝: 고지)” という単語は、北朝鮮では単なる高台ではなく “陸上戦における要害(要塞)としての山や丘” との意味がある[1][注釈 3]。
韓国等での反応
[編集]金正日の個人崇拝を意図して制作されたものの、あまりに奇妙で荒唐無稽とさえ言える内容であり[独自研究?]、故に韓国ではパロディ素材として扱われることがある。極左政党である統合進歩党が2012年にハッキングされた際にも本作音源がBGMに使用されていた[2][3]。韓国国内で北朝鮮を賛美する行為は韓国国家保安法によって禁じられており、本作も「北朝鮮最高指導者であった金正日を賛美するもの」として認識されているが、北朝鮮および金正日一族を批判したり揶揄する目的での使用は事実上容認・黙認されている。
縮地法に対する解釈の変化
[編集]2019年頃から北朝鮮の金正恩政権の現実主義への変化が指摘されており、2020年5月20日付の労働新聞は「縮地法の秘訣」と題した記事で縮地法について霊的な技術を言ったものではないとし、金日成・金正日時代の解釈とは異なる見解を伝えた[4]。北朝鮮のメディアが最高指導者に独断で言及することは考えられないことから、金正恩の意向が反映されているとみられている[5]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 旺載山(ワンジェサン)とは金日成の朝鮮革命時の戦跡地(1933年3月11日の抗日活動の “聖地” で、北朝鮮北東部・咸鏡北道穏城郡に位置する。金日成が抗日遊撃部隊を召集、武装闘争を朝鮮全土に拡大する戦略を提示した『旺載山会議』を開いたことで知られる)の一つ。漢字では「旺載山」と表記されることが多いが、「王在山」とする場合もある(本来の山名は「旺載山」だが、「王在山」が北朝鮮における公式の漢字表記(例:朝鮮中央通信日本語版等では「王在山」表記を採用している)。
- ^ 金日成存命中に朝鮮労働党などが「金日成国家主席は縮地さえも使い得る」という『伝説』をまことしやかに喧伝(プロパガンダ)した経緯が存在する。
- ^ 韓国と北朝鮮の言葉の違いに関しては朝鮮語の南北差を参照
出典
[編集]- ^ “将軍様、縮地法を使う”. 朝鮮労働党 万歳! (2010年1月31日). 2018年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月14日閲覧。
- ^ 석진환 (2012年2月20日). “통합진보당 홈페이지 해킹…북 인공기로 도배”. 한겨레 신문(ハンギョレ新聞). オリジナルの2017年10月16日時点におけるアーカイブ。 2018年3月31日閲覧。
- ^ “통합진보당 홈페이지 해킹...북 인공기 도배”. YTN. (2012年2月20日). オリジナルの2017年6月26日時点におけるアーカイブ。 2018年3月31日閲覧。
- ^ “朝鮮労働党機関紙が金日成の「縮地法」を否定”. 朝鮮日報. (2020年5月21日)
- ^ “金正恩氏、また雲隠れ 「現実主義」との関連指摘も”. 朝日新聞. (2020年5月22日)