コンテンツにスキップ

佐藤卓己

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

佐藤 卓己(さとう たくみ、1960年10月9日[1] - )は、日本の社会学者、歴史学者。上智大学文学部新聞学科教授、京都大学名誉教授[2]。専門はメディア論。元「日本ナチ・カルチャー研究会」代表[3]

人物

[編集]

広島県広島市東区尾長出身[4]広島市立尾長小学校広島市立二葉中学校広島観音高等学校京都大学文学部卒業[4]1995年に『大衆宣伝の神話::マルクスからヒトラーへのメディア史』で京都大学より博士(文学)を取得した[5]

当初の専門はドイツ現代史、特に社会主義宣伝の研究だったが、メディア史の研究者へと移った[6]。2020年、メディア史研究者として初の紫綬褒章を受章した[6]

経歴

[編集]

受賞歴・栄典

[編集]

佐藤が指導した人物

[編集]

著書

[編集]

以下が著作一覧[12]

単著

[編集]
  • 『大衆宣伝の神話 - マルクスからヒトラーへのメディア史』(弘文堂) 1992 / 増補版 ちくま学芸文庫 2014
  • 『現代メディア史』(岩波書店、岩波テキストブックス) 1998、新版 2018
  • 『『キング』の時代 - 国民大衆雑誌の公共性』(岩波書店) 2002 / 岩波現代文庫 2020
  • 『言論統制 - 情報官・鈴木庫三と教育の国防国家』(中央公論新社中公新書) 2004、増補版 2024
  • 『八月十五日の神話 - 終戦記念日のメディア学』(筑摩書房ちくま新書) 2005 / 増補版 ちくま学芸文庫 2014
  • 『メディア社会 - 現代を読み解く視点』(岩波新書) 2006
  • 『テレビ的教養 一億総博知化への系譜』(NTT出版、日本の〈現代〉14) 2008 / 岩波現代文庫 2019
  • 『輿論と世論 - 日本的民意の系譜学』(新潮社新潮選書) 2008
  • 『ヒューマニティーズ 歴史学』(岩波書店) 2009
  • 『天下無敵のメディア人間 - 喧嘩ジャーナリスト・野依秀市』(新潮選書) 2012
    • 改題増訂『負け組のメディア史 - 天下無敵 野依秀市伝』(岩波現代文庫) 2021
  • 『物語岩波書店百年史 2 - 「教育」の時代』(岩波書店) 2013
  • 『災後のメディア空間 - 論壇と時評2012 - 2013』(中央公論新社) 2014
  • 『『図書』のメディア史 「教養主義」の広報戦略』(岩波書店) 2015
  • 『青年の主張 まなざしのメディア史』(河出書房新社河出ブックス) 2017
  • 『ファシスト的公共性 総力戦体制のメディア学』(岩波書店) 2018
  • 『流言のメディア史』(岩波新書) 2019
  • 『大衆の強奪 - 全体主義政治宣伝の心理学』(創元社) 2019
  • 『メディア論の名著30』(ちくま新書) 2020
  • 池崎忠孝の明暗 教養主義者の大衆政治』(創元社、近代日本メディア議員列伝6) 2023
  • 『あいまいさに耐える ネガティブ・リテラシーのすすめ』(岩波新書) 2024

共著

[編集]

編著

[編集]
  • 『ヒトラーの呪縛』(日本ナチ・カルチャー研究会、飛鳥新社) 2000
    • 改題『ヒトラーの呪縛 日本ナチカル研究序説』上・下(中公文庫) 2015
  • 『戦後世論のメディア社会学』(柏書房) 2003
  • 『青年と雑誌の黄金時代 若者はなぜそれを読んでいたのか』(岩波書店) 2015
  • 『ある昭和軍人の記録 情報官・鈴木庫三の歩み』(中央公論新社) 2024.4

共編著

[編集]
  • 『内閣情報部情報宣伝研究資料』(津金澤聡廣、柏書房) 1994
  • 『広報・広告・プロパガンダ』(津金澤聡廣、ミネルヴァ書房) 2003
  • 『日本主義的教養の時代 - 大学批判の古層』(竹内洋、柏書房) 2006
  • 『東アジアの終戦記念日 - 敗北と勝利のあいだ』(孫安石、筑摩書房、ちくま新書) 2007
  • 『ラーニング・アロン - 通信教育のメディア学』(井上義和新曜社) 2008
  • 『電波・電影・電視 - 現代東アジアの連鎖するメディア』(三澤真美恵, 川島真共編著、青弓社) 2012
  • 『ソフト・パワーのメディア文化政策 - 国際発信力を求めて』(渡辺靖, 柴内康文共編著、新曜社) 2012
  • 『日本の論壇雑誌 教養メディアの盛衰』(竹内洋, 稲垣恭子共編著、創元社) 2014
  • 『岩波講座 現代』全9巻(大澤真幸, 中島秀人, 杉田敦, 諸富徹と編集委員、岩波書店) 2015 - 2017
  • 『近代日本のメディア議員 〈政治のメディア化〉の歴史社会学』(河崎吉紀共編、創元社) 2018

共同編集

[編集]

翻訳

[編集]
  • 『敵の顔 - 憎悪と戦争の心理学』(サム・キーン佐藤八寿子共訳、柏書房) 1994
  • 『大衆の国民化 - ナチズムに至る政治シンボルと大衆文化』(ゲオルゲ・L・モッセ、佐藤八寿子共訳、柏書房) 1994/ちくま学芸文庫 2021
  • 『ナショナリズムとセクシュアリティ - 市民道徳とナチズム』(ジョージ・L・モッセ、佐藤八寿子共訳、柏書房) 1996/ちくま学芸文庫 2023
  • 『大衆の強奪 全体主義政治宣伝の心理学』(セルゲイ・チャコティン、創元社、叢書パルマコン) 2019

中国語訳

[編集]
『輿論と世論 - 日本的民意の系譜学』の中国語訳

動画

[編集]
  • 片山杜秀×佐藤卓己「ファシズム・メディア・公共性」 - 搦め手から Vo.1【論壇チャンネルことのは】

出典

[編集]
  1. ^ 『現代日本人名録』日外アソシエーツ
  2. ^ a b c 京都大学大学院教育学研究科 2024年4月7日記事2024年4月30日閲覧。
  3. ^ 編著『ヒトラーの呪縛』飛鳥新社
  4. ^ a b “対談 被爆者運動50年 ヒロシマを考え記憶する <1>”. 中国新聞 (ヒロシマ平和メディアセンター). (2010年7月7日). オリジナルの2015年7月29日時点におけるアーカイブ。. https://megalodon.jp/2015-0729-1211-07/www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=21557 2015年7月29日閲覧。 
  5. ^ a b http://dbr.nii.ac.jp/infolib/meta_pub/CsvSearch.cgi
  6. ^ a b c 春の褒章 メディア史で初の紫綬褒章、佐藤卓己京都大教授「新領域評価されうれしい」”. 産経ニュース. 産経デジタル (2020年4月28日). 2020年7月5日閲覧。
  7. ^ 編著『ヒトラーの呪縛』著者紹介
  8. ^ 2003年度 社会・風俗部門”. 2014年4月4日閲覧。
  9. ^ 第24回日本出版学会賞 (2002年度)”. 2014年4月4日閲覧。
  10. ^ 春の褒章、660人22団体 藤山直美さんら受章朝日新聞デジタル 2020年4月28日配信(Paid subscription required要購読契約)
  11. ^ 赤上裕幸”. 2014年4月4日閲覧。
  12. ^ 著作物・講演リスト”. 2014年3月21日閲覧。

外部リンク

[編集]
『ACCUMU』 Vol.5(1993年)に掲載。