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レッドマルベリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レッドマルベリー
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: バラ目 Rosales
: クワ科 Moraceae
: クワ属 Morus
: レッドマルベリー M. rubra
学名
Morus rubra L. 1753

レッドマルベリー(Morus rubra)は、北アメリカの東部から中央部に自生するクワ科の植物である。オンタリオ州ミネソタ州バーモント州から南はフロリダ州南部、西はサウスダコタ州南東部、ネブラスカ州カンザス州テキサス州中央部までに分布する。ニューメキシコ州アイダホ州ブリティッシュコロンビア州には、恐らく帰化した結果である、孤立した群落があると報告されている[1]

アメリカ合衆国では一般的であるが、カナダでは、アジアから移入したマグワとの交配のため[2]絶滅危惧種に指定されている[3][4]

記載

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落葉性で、高さ10-15mになり、稀に20mになることもある。幹の直径は、最大50cmになる。木としては小型から中型で[5]、125年生きるものもある。

葉は互生で、長さ7-18cm(稀に36cm)、幅8-12cmと、マグワの葉の2倍程度の大きさになる[3]。葉は幅広いハート形で、根本部分に浅い切込みがある。特に若い木では2-3の裂片があり、葉縁は細かい鋸歯状になる[3]。上面が光沢のあるマグワの葉とは異なり、葉の上面は非常にざらざらした紙やすりのような質感であり、下面は柔らかい毛状突起で密に覆われている[6][7]葉柄を切断すると乳のような樹液が滲み出てくる[8]。秋になると、葉は黄色に色づく。0℃以下で生きるのは難しく、干ばつ、汚染、貧土壌に対しては、マグワと比べても弱い[9]

花は小さな黄緑色または赤みがかった緑色で比較的目立たず、葉が出てくる前に開く。雄花と雌花は通常は別の木に付くが、同じ木に付くこともある。果実はいくつかの痩果が集まってがくに包まれた房となっており、ブラックベリーに似た外見で、長さは2-3cmである。最初は淡緑色であるが、熟すと赤色から深紫色になる[3]。北アメリカでは、春から初夏になると鳥が食べる。アーカンソー州では、31種類の鳥が集まってきたという記録がある[10]

利用

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果実は食用でき、とても甘い[3]。1607年にバージニア州東部を探検した最初のイギリスからの入植者は、レッドマルベリーの木と果実が豊富にあり、ポウハタンはそれを時には煮て食べていたと記録している。今日では、生で食べたり、ペイストリーのフィリングに用いられたり、発酵させてワインが作られることもある。

木材は乾燥させて肉の燻製に用いられ、マイルドで甘い香りを与える。チョクトーは、若い木の内樹皮を用いて、衣服を作る[11]

出典

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  1. ^ "Morus rubra". County-level distribution map from the North American Plant Atlas (NAPA). Biota of North America Program (BONAP). 2014.
  2. ^ Burgess, K. S.; Morgan, M.; Deverno, L.; Husband, B. C. (2005). “Asymmetrical introgression between two Morus species (M. alba, M. rubra) that differ in abundance”. Molecular Ecology (University of Toronto, Barrett Lab) 14 (17): 3471–3483. doi:10.1111/j.1365-294X.2005.02670.x. PMID 16156816. http://www.botany.utoronto.ca/ResearchLabs/BarrettLab/pdf/Burgess%20et%20al.%202005.pdf. 
  3. ^ a b c d e Wunderlin, Richard P. (1997). "Morus rubra". In Flora of North America Editorial Committee (ed.). Flora of North America North of Mexico (FNA). Vol. 3. New York and Oxford. eFloras.org, Missouri Botanical Garden, St. Louis, MO & Harvard University Herbaria, Cambridge, MAより。
  4. ^ Ambrose, J. D., & Kirk, D. (2004). National Recovery Strategy for Red Mulberry (Morus rubra L.). Ontario Ministry of Natural Resources, Guelph, Ontario, Canada
  5. ^ https://www.nrcs.usda.gov/Internet/FSE_PLANTMATERIALS/publications/lapmcbr7910.pdf
  6. ^ M. P. Nepal* and D. J. Wichern, "Taxonomic Status Of Red Mulberry (Morus Rubra, Moraceae) At Its Northwestern Boundary", Proceedings of the South Dakota Academy of Science, Vol. 92 (2013), p. 19 ff., http://sdaos.org/wp-content/uploads/pdfs/2013/19-29.pdf, accessed July 2019
  7. ^ Farrar, J.L. (1995). Trees in Canada. Fitzhenry and Whiteside/Canadian Forest Service, Markham, Ontario.
  8. ^ Trees of Alabama and the Southeast: Red Mulberry, Morus rubra, Moraceae.
  9. ^ California Rare Fruit Growers
  10. ^ Jackson, J. L. and R. Kannan. 2018. Avian frugivory in a fruiting mulberry tree (Morus rubra) in Arkansas. J. Arkansas Acad. Sci. 72:38-46. |https://scholarworks.uark.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=3310&context=jaas
  11. ^ Little, Elbert L. (1994). The Audubon Society Field Guide to North American Trees: Western Region (Chanticleer Press ed.). Knopf. p. 426. ISBN 0394507614 

外部リンク

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