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ヨシフ・ブロツキー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヨシフ・ブロツキー
Ио́сиф Бро́дский
ヨシフ・ブロツキー(1988)
誕生 (1940-05-24) 1940年5月24日
ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国の国旗 ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国レニングラード
死没 1996年1月28日(1996-01-28)(55歳没)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニューヨーク
職業 詩人随筆家
言語 ロシア語
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
主な受賞歴 ノーベル文学賞(1987)
ストルガ詩の夕べ金冠賞(1991)
ウィキポータル 文学
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ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:1987年
受賞部門:ノーベル文学賞
受賞理由:思考の明快さと詩的な力強さが一体化した、包括的な作品群にたいして

ヨシフ・ブロツキー(ロシア語: Ио́сиф Бро́дский, 英語: Joseph Brodsky, 1940年5月24日 - 1996年1月28日)は、ロシア詩人、随筆家。本名ヨシフ・アレクサンドロヴィッチ・ブロツキー(Ио́сиф Алекса́ндрович Бро́дский)。1987年にノーベル文学賞を受賞し、アメリカの桂冠詩人(1991-1992)にも選出された。ブロツキーはシレジア大学の名誉学位も保持していた。

ソビエト連邦時代

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ブロツキーはレニングラードユダヤ人家庭に生まれる。父親はソ連海軍の写真家であった。第二次世界大戦ではレニングラード包囲戦を生き残った。ブロツキーは15歳で学校を卒業し、潜水艦乗組員養成校に入学しようとしたが希望は叶えられなかった。ブロツキーは旋盤工として働き、その後内科医になることを決意してクリスティ刑務所の死体安置所で働く。その後もブロツキーは病院、船のボイラー室、地質調査など様々な職を経験する。

この頃ブロツキーは独学で様々な内容を学ぶ。ブロツキーは英語ポーランド語を学び、チェスワフ・ミウォシュの作品翻訳を行った。それと同時に古典的哲学、宗教、神話、イギリスアメリカの詩に深い関心を持つようになる。後年ブロツキーはごみ捨て場を漁って本探しを行ったことを認めている。

ブロツキーは1957年頃から詩の著作と文学作品の翻訳を始めるようになる。ブロツキーの作品は政治色が無かった。若きブロツキーはブロツキーの作品を読んだアンナ・アフマートヴァから励まされ、影響を受けるようになった[1]

1963年にブロツキーは逮捕され、1964年に当局から「寄生 тунеядство」の罪で告発された。

ブロツキーは5年の国内流刑および強制労働が言い渡され、アルハンゲリスクで18ヶ月間服役した。エフゲニー・エフトゥシェンコジャン=ポール・サルトルといった国内外の著名人の抗議により、1965年に刑は減刑された。

1964年レオニード・ブレジネフが政権を握り、フルシチョフ雪解け期間が終了するとともに、ブロツキーの詩のうち4作がソ連で公表された。ブロツキーは検閲された作品の公表を拒絶し、ブロツキーの多くの作品は西側および地下出版で発表された。

1987年ノーベル文学賞を受賞。ちょうどロンドンのハムステッドジョン・ル・カレと昼食をとっていたときに受賞を知らされたことが、ル・カレの回顧録に記されている[2]

1989年、1964年の判決が取り消されて名誉回復された。1991年のソ連崩壊後、著作が公式にロシアで出版された。1995年、ブロツキーはサンクトペテルブルク市から名誉市民の称号を授与された。ロシア側からはたびたび帰国の誘いがあったが、終生帰国することはなかった。

1996年1月28日、心臓発作のためブルックリンの自宅で死去。55歳没。遺体は、紆余曲折を経て1年後にヴェネツィアサン・ミケーレ島に埋葬された。

アメリカで

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ブロツキーは1972年6月4日にソ連から国外追放され、1980年にはアメリカの市民権を得た。ブロツキーはミシガン大学で教鞭を執り、その後コロンビア大学ニューヨーク市立大学クイーンズ校スミス大学、イギリスのケンブリッジ大学の客員教授でもあった。マウント・ホリヨーク大学の文学教授でもあった。

邦訳

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  • 『大理石』沼野充義訳 白水社,1991.3.
  • 『ヴェネツィア・水の迷宮の夢』金関寿夫訳 集英社,1996.1.
  • 『私人 ノーベル賞受賞講演』沼野充義訳 群像社,1996.11.
  • 『ローマ悲歌』たなかあきみつ訳 群像社,1999.3.

受賞歴

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脚注

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  1. ^ I・バーリン『バーリン選集2 時代と回想』岩波書店社、1983年、227頁。 
  2. ^ ジョン・ル・カレ 著、加賀山卓朗 訳『地下道の鳩─ジョン・ル・カレ回想録』早川書房、2017年3月15日、188-190頁。 

外部リンク

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