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ヤマノイモ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヤマノイモ科
ナガイモ(Dioscorea japonica
分類APG体系
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉植物 monocots
: ヤマノイモ目 Dioscoreales
: ヤマノイモ科 Dioscoreaceae
学名
Dioscoreaceae R.Br.
シノニム
  • Taccaceae Dumort.
  • Trichopodaceae Hutch.
  • 本文参照

ヤマノイモ科(ヤマノイモか、Dioscoreaceae)は単子葉植物の科で、8属、800種ほどからなるが、大多数はヤマノイモ属Dioscorea)に属する。草本または低木、多くがつる性地下茎または担根体いも)をもつ。

は6枚の花被、6または3本の雄蕊をもち、子房下位。大部分の種で単性花で、雌雄異株のものが多い。果実は3室に分かれ、蒴果(ヤマノイモ属の種子は扁平で翼がある)、液果または翼果となる。

世界の熱帯から温帯に分布し、特に熱帯に多い。ヤマノイモ属にはヤマノイモナガイモなどのほかヤムと総称されるいも類が含まれ、熱帯の一部では重要な作物である。芋の他にもむかごも多く利用される。

分類

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狭義のヤマノイモ科6属(一部をヤマノイモ属にまとめる説もある)と、形態が大きく異なる他の2属(AvetraTrichopus:Trichopodaceae科として分けることもある)とに分けられる。前者はつる性または低木で、葉腋から花序(総状、穂状または円錐)を出す。後者は地下茎からロゼット状に茎が出て、先に1-3個の両性花がつき、その根元に葉が1枚だけつき、インド洋沿岸に隔離分布する。

  • Borderea
  • Dioscorea ヤマノイモ属
    • Dioscorea alata L
      • 主に熱帯亜熱帯で生産される。日本でも一時期生産したが、寒さに弱いため現在はほとんど栽培されていない。ダイジョと呼ぶことが多い。外見は紡錘形、長楕円形、扇型、棒状と多種多様な形がある。
    • Dioscorea bulbifera
      • 日本にも自生しニガカシュウと呼ばれる。名前の通り苦く有毒の雑草だが、熱帯地方を中心に食用や薬用に多くの品種がある。芋はあまり大きくならず、むかごの方が多く利用され、中には「宇宙イモ」と呼ばれる巨大なむかごをつける品種もある。
    • Dioscorea polystachya
      1. 丸みを帯びた形 - 大和芋伊勢芋・丹波芋などが代表例。地域によっては「つくね芋」とも呼ぶ。
      2. 扁平で片方が扇に広がる形 - 形から植物のイチョウの葉を連想させ、イチョウ芋という。地域によっては大和芋と混同され、別名で「仏掌芋」とも呼ぶ。
      3. 長楕円形や、棒状に伸びた長さのある形 - 長芋が代表例。細長く伸びたものは外見から自然薯と混同される場合もあるが、別種である。1年で収穫できることから別名で「一年芋」とも呼ぶ。
    • Dioscorea japonica
      • ヤマノイモ(自然薯)。日本に古くから自生し、滋養強壮の効果があるとして食用・薬用と用いる。うねりのある細長く棒状に伸びた形が代表例だが、長芋のように真っ直ぐに伸びた形もある。収穫までに3年 - 4年かかることもある品種。
  • Epipetrum
  • Rajania
  • Stenomeris
  • Tamus
  • Avetra
  • Trichopus

APG植物分類体系ではタシロイモ科(Taccaceae)もヤマノイモ科に含める。