ホクショウマサル
この記事は「新馬齢表記」で統一されています。 |
ホクショウマサル | |
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品種 | 日輓[1] |
性別 | 牡[1] |
毛色 | 鹿毛[1] |
生誕 | 2011年5月5日[1] |
死没 | 2021年6月2日(満10歳没)[2] |
父 | (半血)エビスカチドキ[1] |
母 | (半血)ミクニレンショウ[1] |
母の父 | (半血)アトミックドラゴン[1] |
生国 | 日本(北海道豊頃町)[1] |
生産者 | 門志美[1] |
馬主 |
井内昭夫[3] →井内紀子[1] |
調教師 | 坂本東一[1] |
競走成績 | |
生涯成績 | 125戦48勝[1] |
獲得賞金 | 2638万7000円[1] |
ホクショウマサルは、ばんえい競馬の元競走馬である。ばんえい競馬の連勝記録、地方競馬(コンピュータ管理されるようになった1973年4月以降の記録)・中央競馬を通じた国内公営競馬史上最多連勝記録(31連勝)を保持している[4]。
経歴
[編集]以下の競走距離は、すべて200m。
2013年5月5日、帯広競馬第4競走(2歳新馬)でデビューし、勝利[1]。
重賞初勝利は2014年3月9日の帯広第10競走(第45回イレネー記念、BG1)[1]。明けて3歳シーズンは2014年12月21日の帯広第10競走(第43回ばんえいダービー、BG1)で2つ目の重賞勝利[1]を記録。
2015年、4歳になると勝てなくなる競走が多くなり、2勝にとどまる[1]。また、喘鳴症(通称:のど鳴り)を患ったため、2016年3月19日の帯広第10競走(スターライト特別、10着[1])後に手術を受け[3]、復帰までに2年4か月を要した[1]。
休養中にオープンから古馬の最下級クラスまで下がった[注 1]ホクショウマサルは2018年7月28日、帯広第8競走「獨協大学同窓会北海道支部カップ(B4-6)」で復帰し勝利[1][5]を挙げると、その後は多くの競走で2着馬に10秒以上の差をつけ勝利を続けた[1]。
2019年2月16日の帯広第11競走(B1-1)で、単勝1番人気に応え勝利[1]。従来の最多連勝記録だったサカノタイソン(1997年4月26日 - 1999年1月24日、19連勝)を抜く20連勝を達成[5]し、ばんえい競馬の連勝記録を20年ぶりに塗り替えた。3年9か月ぶりにオープンクラスまで上がったホクショウマサルは同年12月16日の帯広第12競走(オープン)で勝利[1]し、ドージマファイターが2000年11月に宇都宮競馬場で達成した国内公営競馬史上最多記録に並ぶ29連勝を達成[6][5]。
2020年1月6日の帯広第11競走(ばんえい十勝金杯)で勝利し、国内競馬史上単独最多記録となる30連勝を達成[7]。同年2月23日の帯広第10競走(ウィナーズカップ)で31連勝まで記録を伸ばした[1]が、3月21日の帯広第9競走(第52回ばんえい記念、BG1)で3着に敗れ、連勝記録は「31」で止まった[1][8][9]。
連勝が止まった後は、ばんえい記念で1000kgを曳いたことによる後遺症(重病み)もあり一時調子を崩し[3]、敗戦が続くこともあった[1]が、2021年3月21日の帯広第9競走(第53回ばんえい記念、BG1)で優勝し、7年ぶりに重賞を制覇した[10]。この勝利は、騎手の阿部武臣と調教師の坂本東一にとっても初のばんえい記念勝利となった[注 2]。
2020年度終了後の2021年春先から体調を崩し長期療養していたが、同年6月2日に容体が急変し厩舎で息を引き取った[2][11]。ばんえい競馬はホクショウマサルの献花台を、6月5日から6月20日まで帯広競馬場入場門前に設置すると発表した[2]ほか、楽天競馬も会員向けに同馬への供花を募る追悼特別企画を実施した[12]。
没後の2022年1月17日には、2021年のNARグランプリばんえい最優秀馬に全会一致で選出された[13]。
重賞勝利
[編集]血統
[編集]表内の「ペル」はペルシュロン、「ブル」はブルトン、「ベルジ」はベルジアンを表す。
ホクショウマサルの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父 半血 エビスカチドキ |
父の父 半血 クロタカ
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半血 タカラコマ | ブル ケルネヴエーズ | |
半血 宝 | ||||
ペル 王産 | ペル バツタン | |||
ペル 笛新 | ||||
父の母 ベルジ サニーソフイア
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ベルジ GREENTOP SIR WILLIAM | ベルジ NADENS BILL | ||
ベルジ PRINCESS DE BRUILLE | ||||
ベルジ MODERN MAID | ベルジ SUNNY DENNIS | |||
ベルジ CORAS BETTY LOU | ||||
母 半血 ミクニレンショウ |
半血 アトミックドラゴン | ペル系 タツマキ | ペル系 丹西 | |
ペル系 第十一万山 | ||||
半血 麗里 | ペル系 ブラツクパンサー | |||
半血 キプ姫 | ||||
母の母 半血 リキショウヒメ
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半血 チカラオオクニ | ベルジ ジアンデユマレイ | ||
半血 タカラヨシウメ | ||||
ペル系 メイズイリキ | ペル 二世ロツシーニ | |||
ペル系 ベニトツプ | ||||
出典 |
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父エビスカチドキの産駒には、ばんえいダービーや天馬賞など重賞6勝のオイドン[14]がいる。
母系の4代父には二世ロツシーニがおり、キンタローなど活躍馬を多く出している。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ばんえい競馬においては、B4クラスは5歳以上(1月 - 3月は6歳以上)の馬が属するクラスとしては最も下のものとなる。またクラス編成には当年度の3年度前当初(この場合は2015年度当初)からの賞金しか反映されない。ばんえい競走#公営競技のクラス編成を参照。
- ^ 管理調教師の坂本は騎手時代の2007年にトモエパワーでばんえい記念を優勝しており、調教師としては初優勝となる。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 競走馬詳細データ(ホクショウマサル) - 南関東4競馬場、2021年3月22日閲覧
- ^ a b c "「ホクショウマサル号」の死亡について". 帯広市. 3 June 2021. 2021年6月3日閲覧。
- ^ a b c “web Furlong 2020【レースハイライト】第53回ばんえい記念”. 地方競馬全国協会. 2021年3月23日閲覧。
- ^ “国内競馬最多31連勝の記録持つばんえいのホクショウマサルが2日に死亡”. ニッカン・極ウマ (2021年6月3日). 2021年6月4日閲覧。
- ^ a b c “ホクショウマサル、29連勝 地方競馬の最多連勝に並ぶ:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2020年1月6日閲覧。
- ^ “地方競馬最多の30連勝なるか、ばんえい29連勝中のホクショウマサルが6日出走 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年1月6日閲覧。
- ^ “ばんえい競馬でホクショウマサルが30連勝を達成!国内連勝記録を更新”. サンスポZBAT!競馬 (2020年1月6日). 2020年1月6日閲覧。
- ^ “ホクショウマサル連勝が31で止まる/ばんえい記念”. 日刊スポーツ|極ウマ・プレミアム (2020年3月21日). 2020年3月21日閲覧。
- ^ 「ホクショウマサル 連勝ストップ」『北海道新聞』 2020年(令和2年)3月22日付朝刊、25頁(第1社会面)。
- ^ “【ばんえい記念結果】ホクショウマサルが差し切りV! 昨年3着の雪辱果たす”. netkeiba.com (2021年3月21日). 2021年3月21日閲覧。
- ^ "ホクショウマサル死ぬ ばんえい 国内公営最多31連勝". どうしん電子版. 北海道新聞社. 4 June 2021. 2021年6月4日閲覧。
- ^ "【楽天競馬】ばんえいコイン【追悼特別企画】 ホクショウマサル号へ供花の実施について". 競馬モール. 4 June 2021. 2021年6月6日閲覧。
- ^ NARグランプリ2021 優秀馬選定委員会 選定経過 - 地方競馬全国協会、2022年1月17日配信・閲覧
- ^ 馬登録情報(オイドン) - 地方競馬全国協会、2021年3月24日閲覧
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 競走馬成績と情報 KEIBA.GO.JP
- 追悼ホクショウマサル号:特設ページ - ばんえい競馬公式サイト