コンテンツにスキップ

サウダージ (曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ポルノグラフィティ > サウダージ (曲)
「サウダージ」
ポルノグラフィティシングル
初出アルバム『foo?
B面
  • 見つめている
  • 冷たい手 〜3年8ヵ月〜
  • Search the best way
リリース
規格 マキシシングル
ジャンル J-POPロックラテン
時間
レーベル SME Records
作詞 ハルイチ
作曲 ak.homma
プロデュース 田村充義、本間昭光
ゴールドディスク
日本レコード協会
  • ミリオン
  • ダブル・プラチナ[1]
チャート最高順位
オリコン
  • 週間1位
  • 2000年度年間28位
  • 2001年度年間68位
ポルノグラフィティ シングル 年表
ミュージック・アワー
(2000年)
サウダージ
(2000年)
サボテン
(2000年)
テンプレートを表示

サウダージ」(ポルトガル語: Saudade)は、ポルノグラフィティの楽曲。2000年9月13日SME Recordsより4作目のシングルとしてリリースされた。

概要

[編集]

前作『ミュージック・アワー』から2か月ぶりのリリース。

オリコン週間シングルランキング初登場は2位であったが、翌週に初動を上回る売上を記録して自身初のオリコンチャート1位を獲得[2]。その後も7週連続でトップ10入りし、年末年始にも4週(合算週含む)で返り咲くなど、自身のシングルとしては最長となる合計12週でトップ10入りを記録している[注釈 1]。また、シングルでは自身最高の売上枚数を記録しており、出荷ベースでは自身初のミリオンセラー[注釈 2]となった[3][4]

初の週間1位、ミリオンヒットということもあり、新藤は「事務所に行ったら紙吹雪くらいで褒めてもらえる」と思っていたが、同時期のアミューズではサザンオールスターズTSUNAMI」、福山雅治桜坂」が共に200万枚を上回る大ヒットを記録していたため、お祝い自体は普通だったという。

収録曲

[編集]
全編曲: ak.homma
#タイトル作詞作曲時間
1.「サウダージ」ハルイチak.homma
2.「見つめている」アキヒトアキヒト
3.「冷たい手 〜3年8ヵ月〜」アキヒトシラタマ
4.「Search the best way」シラタマ・ハルイチシラタマ
合計時間:

楽曲解説

[編集]
  1. サウダージ
    • ポルノグラフィティの代名詞となったラテンサウンドを初めて取り入れた楽曲で、国内外で人気を誇る代表曲の一つ[2][4][5]
    • 元々は大塚製薬ポカリスエット」2000年度CMソング用に制作された楽曲であったが、同CMソングには前作「ミュージック・アワー」が選ばれた[6]。しかし、本作のリリース前に出演した『ポカリスエット MUSIC LEAGUE 2000 ザ・ライブ!』で披露した本楽曲を大塚製薬側が気に入り、最終的には本楽曲も同CMソング(ミュージックリーグver.)に使用されたというエピソードがある[6]
    • サウダージポルトガル語: Saudade)とは「郷愁」「やるせない思い出」などを意味する[3][7]。作詞を手掛けた新藤は自身が持つボサノヴァ系のCDによく出てくる言葉だったことからタイトルや歌詞に使用したと語っており[3][7]、元々意味は知らなかったという[7]
    • 歌詞は女性の言葉で進行するが、新藤が「実際男にもある気持ちを女言葉で書いたんです。これは手段でしかなくて、女の気持ちを書きたかったわけではないんですよ[8]」と語っているように、綴られているのは男の気持ちである[7]。これは「女の人の言葉のほうが感情をあらわにしやすい部分もあるのでは」という考えによるもので[7]、男性が持つ恋愛に対する女々しい部分を女性の言葉で表現している[3][8]。また、歌詞の内容が「生々しくて出せない手紙」というイメージであったことから、本楽曲のみ歌詞カードの歌詞が当時アミューズに所属していた山本未來による手書きとなっている[7]
    • MVのコンセプトは時の無情彼等の「今」と「人生の晩年」との対比で、メンバーが特殊メイクにより老人と化すシーンがある[9]。また、メンバーが読んでいる手紙は本楽曲の歌詞を英訳したものである。監督は過去3作に引き続き板屋宏幸が務めており、「ダイアリー 00/08/26」のMVにはメイキング映像が収録されている[9]
    • ライヴでは2000年6月に開催された『東京ロマンスポルノ Vol.4 "横G"』 で初披露[注釈 3]。本作のリリース直後に開催されたホールツアー『2ndライヴサーキット "D4-33-4"』ではTamaがウッドベースで本楽曲を演奏し、2ndアルバム『foo?』にはそのアレンジを基にしたアルバムバージョンで本楽曲が収録された[7]
    • 初出場となった『第51回NHK紅白歌合戦』では本楽曲を披露した[5]
    • THE FIRST TAKE』第148回(2021年9月3日公開)では、「一番求められているだろう楽曲」として本楽曲の特別アレンジを披露[5]。同映像の総再生回数は公開からわずか2か月で1000万回を突破し、このパフォーマンスを音源化した「サウダージ - From THE FIRST TAKE」が同年11月16日より配信リリースされた[10]
  2. 見つめている
    • 制作当時にストーカーによる事件が世の中で多発していたことから、「ストーカー」や「異常愛」などをテーマに詞が書かれている[8][11]
    • タイトルは「物陰から、じ〜っと見つめている感じ」[8]
    • 初めて岡野が作詞・作曲の両方を手掛けた楽曲であり[8]、後に岡野は「一筋縄ではいかんぞ岡野昭仁みたいな、こんな顔もあるんだぜというところを見せつけたくて張り切ったらこんな歌詞になった[11]」と語っており、「ビーチサンダルを履いた指に挟まる砂のように君にまとわりついて〜」の箇所については本人も「どうかしてるでしょ」とのこと[11]。また、曲自体は岡野流のボサノヴァとして制作していたが、最終的には全く違う曲になってしまったという[7][8]
  3. 冷たい手 〜3年8ヵ月〜
    • 次曲「Search the best way」と同一メロディの楽曲で、歌詞とアレンジが異なっている[8]。これは締め切り日に歌詞が2パターン出来ていたためで[7][8]、岡野曰く「この2曲は"違う曲"ですね、バージョン違いでもなく[8]」。
  4. Search the best way
    • フル・アレンジの「冷たい手 〜3年8ヵ月〜」と異なり、本楽曲はシンプルなアレンジとなっている[8]
    • Tamaが作詞に携わった[注釈 4]唯一の楽曲であり、自分が信じた道を突き進むことの大切さが歌われている[12]。元々はTamaが故郷の因島で友人と仕事や人生の話をした際に思ったことをテーマに1番まで詞を書いたが、時間がなく、新藤に残りの詞を託したのだという[8]。新藤は詞を見たときに明確に伝わってきた、Tamaの書きたいことや思いを分かりやすく伝えようと残りの詞を書き上げたと語っている[注釈 5]
    • Tama脱退後、2人体制での初の単独ライヴ『FANCLUB UNDERWORLD 2』では本楽曲がオープニングナンバーとして披露された。

タイアップ

[編集]
サウダージ
  • TBS系『ワンダフル』ミニドラマ主題歌(2000年)
  • 大塚製薬「ポカリスエット」ミュージックリーグver. CMソング(2000年)
  • UHFアニメReLIFE』第7話エンディングテーマ(2016年)

Additional Musicians

[編集]
  1. サウダージ
  2. 見つめている
    • 不明
  3. 冷たい手 〜3年8ヵ月〜
    • 不明
  4. Search the best way
    • 不明

収録作品

[編集]
タイトル 収録作品
サウダージ
見つめている
  • ライヴ映像
    • ライヴ映像作品『16thライヴサーキット "UNFADED" Live in YOKOHAMA ARENA 2019[注釈 14]
冷たい手 〜3年8ヵ月〜
  • 作品未収録
Search the best way

カバー

[編集]
サウダージ

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 連続でのトップ10入りは『サボテン』『愛が呼ぶほうへ』が最長である。
  2. ^ あくまでも出荷ベースでのミリオンセラーであるため、オリコンの集計では100万枚を突破していない。
  3. ^ その際のタイトルは「サウダージ 〜朱夏〜」であった。
  4. ^ 新藤との共作(クレジット表記はシラタマ・ハルイチ)。
  5. ^ Tamaが書いた1番の詞も新藤によって一部手直しが加えられている[8]
  6. ^ 前述のアルバムバージョンでの収録。
  7. ^ 韓国盤のみ収録。
  8. ^ メドレー内の1曲として収録。
  9. ^ 『14thライヴサーキット "The dice are cast" Live in OSAKA-JO HALL 2015』及び特典映像の『Amuse Fes 2015 BBQ in つま恋 ~僕らのビートを喰らえコラ!~』に収録。
  10. ^ 『横浜ロマンスポルノ'16 〜THE WAY〜 Live in YOKOHAMA STADIUM』及び特典映像の『SUPER SLIPPA 7 2016 TAIPEI SUPER SUMMER MUSIC FESTIVAL』に収録。
  11. ^ 『16thライヴサーキット "UNFADED" Live in YOKOHAMA ARENA 2019』『"NIPPONロマンスポルノ'19 〜神vs神〜" DAY2』に収録。
  12. ^ 特典映像の『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023』に収録。
  13. ^ 特典映像の『19thライヴサーキット "PG wasn't built in a day" Live at TOKYO ARIAKE ARENA 2024』に収録。
  14. ^ 表記はないが、岡野による弾き語り(ワンコーラスのみ)を収録。

出典

[編集]
  1. ^ ポルノグラフィティ ヒット曲「サウダージ」、ダブルプラチナ認定 レコード協会発表”. スポーツ報知 (2021年12月20日). 2023年3月31日閲覧。
  2. ^ a b ポルノグラフィティ、「THE FIRST TAKE」で届けた圧巻のパフォーマンス 新曲「テーマソング」の強いメッセージ性を読み解く”. Real Sound (2021年9月22日). 2021年9月26日閲覧。
  3. ^ a b c d 【2000年9月】サウダージ/挑戦したポルノグラフィティ 新境地で見事1位獲得 - スポニチ Sponichi Annex 芸能”. スポニチ Sponichi Annex (2011年9月29日). 2022年8月31日閲覧。
  4. ^ a b SONGS Archives | 第281回 ポルノグラフィティ”. NHK SONGS. 2023年2月15日閲覧。
  5. ^ a b c ポルノグラフィティが3日「THE FIRST TAKE」初登場…岡野昭仁「すごく出てみたかった」”. スポーツ報知 (2021年9月3日). 2021年9月12日閲覧。
  6. ^ a b 『20th ANNIVERSARY SPECIAL BOOK』2019年。 
  7. ^ a b c d e f g h i 『PORNOGRAFFITTI × PATi・PATi COMPLETE BOOK ~15years file~ 1』エムオン・エンタテインメント、2014年12月22日、66,114頁。 
  8. ^ a b c d e f g h i j k l 『ポルノグラフィティ ワイラノクロニクル―B.PASS SPECIAL EDITION』シンコーミュージック、2001年3月1日、193-195頁。 
  9. ^ a b A Hiroyuki Itaya Film “DIRECTOR'S CUT””. ソニーミュージック (2012年4月27日). 2023年2月15日閲覧。
  10. ^ THE FIRST TAKEが2周年、ポルノ「サウダージ」など未配信35曲の配信が明日スタート(動画あり)”. 音楽ナタリー (2021年11月15日). 2021年11月16日閲覧。
  11. ^ a b c 16thライヴサーキット "UNFADED" Live in YOKOHAMA ARENA 2019SME Records、2019年12月25日、0:59:10-1:01:03。
  12. ^ 『PORNOGRAFFITTI × PATi・PATi COMPLETE BOOK ~15years file~ 2』エムオン・エンタテインメント、2014年12月22日、293頁。 
  13. ^ “持ち曲多すぎチャラン・ポ・ランタン、初のカバーアルバムは“2人組縛り””. 音楽ナタリー. (2016年7月16日). https://natalie.mu/music/news/194869 2016年7月16日閲覧。 
  14. ^ majiko、敬愛するポルノグラフィティの「サウダージ」カバー動画を公開 | OKMusic”. okmusic.jp. 2022年11月14日閲覧。
  15. ^ “Crystal Kay、初のカバーアルバムは『I SING』”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2021年2月12日). https://www.barks.jp/news/?id=1000196746 2022年1月15日閲覧。 
  16. ^ bang_dream_gbpの2023年9月6日のツイート2023年9月6日閲覧。

関連項目

[編集]