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オスモライト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

オスモライト英語: osmolyte浸透〔圧〕有効物質浸透〔圧〕調節物質)は、生物において主に浸透圧を調整する化学物質である。細胞においては細胞外部の浸透圧ストレス(浸透圧勾配)によるの流入あるいは排出に対し細胞容積を保持する機能がある一方で、広範囲の濃度域にわたり酵素などのタンパク質の構造や機能を安定して機能させタンパク質を変性から守る働きもある。

類似名称に、適合溶質(osmoprotectant)がある。

特性

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有機オスモライトには次の特性がある。

  • 濃度安定性 - 広範囲の濃度域で機能する(無機オスモライトは高濃度ではオスモライトとして機能しない)。
  • 機能安定性 - タンパク質の機能性を維持する。
  • 構造安定性 - タンパク質の分子構造を安定させる。

また、以下の特性を有するものも見つかっている。

  • 温度安定性 - 高温あるいは低温でタンパク質を安定化させる。
  • 耐凍結融解性 - 凍結融解による非可逆的変性を抑制する。
  • 耐乾燥性 - 乾燥による非可逆的変性を抑制する。
  • 凝集抑制 - タンパク質の凝集(会合)を抑制する。

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極限環境における例

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  • クマムシの耐乾燥性はトレハロースによるものと考えられている。

分類

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主要なオスモライトの分類と一覧を以下に示す。なお、生物種などによってオスモライトとして使用される物質は異なっている。

無機イオン類

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  • カリウムイオン(K+
  • 塩化物イオン(Cl-

多価アルコール類

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単糖類、二糖類、多価アルコール類

アミノ酸類

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メチルアンモニウム類

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メチルアンモニウム類とスルホニウム

尿素類

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脚注

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  1. ^ a b “Choline and acetylcholine: novel cationic osmolytes in Lactobacillus plantarum”. Applied Microbiology and Biotechnology 48. (1997). doi:10.1007/s002530051021. 

参考文献

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  • 松島 治 (1997). “低分子有機化合物による細胞内浸透圧調節”. 比較生理生化学 (日本比較生理生化学学会) 14 (1). doi:10.3330/hikakuseiriseika.14.3. https://doi.org/10.3330/hikakuseiriseika.14.3 2014年1月22日閲覧。. 
  • Maurice B. Burg; Joan D. Ferraris (2008). “Intracellular Organic Osmolytes: Function and Regulation”. Journal of Biological Chemistry 283: 7309-7313. doi:10.1074/jbc.R700042200. http://www.jbc.org/content/283/12/7309.long 2014年1月22日閲覧。. 
  • Kevin Strange (1993), Cellular and Molecular Physiology of Cell Volume Regulation, CRC Press, Inc., pp. 81(Chap.5 Compatible and Counteracting Solutes), ISBN 0-8493-4448-4, https://books.google.co.jp/books?hl=ja&lr=&id=aY3IYQnIiU0C&oi=fnd&pg=PA81&redir_esc=y 

関連項目

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