コンテンツにスキップ

ウィトマー・ストーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウィトマー・ストーン

ウィトマー・ストーン(Witmer Stone、1866年9月22日 - 1939年5月24日)はアメリカ合衆国の博物学者である[1]フィラデルフィア自然科学アカデミー(1812年に設立されたアメリカ最古の科学研究所)で働いた。

略歴

[編集]

ペンシルベニア州フィラデルフィアで生まれた。博物学の広い分野に興味を持ち、多くの標本を集めた。幼い頃からの友人のブラウン兄弟、(3人兄弟のうちAmos Brownは後にペンシルバニア大学の地質学教授となり、Stewardson Brownはフィラデルフィア自然科学アカデミーの植物学科の学芸員となる)とブラウンと兄弟のフレデリク・ブラウンはウィルソン自然科学クラブを創設した。会の名はアメリカで鳥類図鑑を発行した博物学者、アレクサンダー・ウィルソンに因んで名付けられた[2]

1883年にフィラデルフィアのジャーマンタウン・アカデミー(Germantown Academy)を卒業した後[3]、1888年にペンシルベニア大学で学位(A.B.)を得た。フィラデルフィア科学アカデミーにストーンは若い頃から何度も訪れていた、1891年にフィラデルフィア科学アカデミーに鳥類学部門ができた時、ストーンはペンシルベニア大学で、学位(A. M.)を得た[3]。アカデミーの資金で行われた収集のための探検に1888年にバミューダへ、1890年にメキシコに旅した[4]。1893年から1908年までは、アカデミーの学芸員助手を務め、1908年から1918年に学芸員、1918年から1925年に上級学芸員などを務め、1925年から1928年まで館長を務めた。鳥類標本の保存状況を改善し、任期中に標本数を14万点以上までに増加させた[1]

植物学の分野でも、フィラデルフィア植物クラブの説立時からの会員であり、地域の植物の分類学的知識を持ち、トーリー植物クラブとの合同会議の後、1900年の初めから10年ほど、ニュージャージー州南部への採集旅行を行い、多くの著作を行った。

著作は1885年に"American Naturalist"に"The Turkey Buzzard Breeding in Pennsylvania”が掲載されたのに始まり、1887年にはアメリカ鳥学会の雑誌、The Aukに“A migration of hawks at Germantown, Pennsylvania”を寄稿した[5]。1890年に Delaware Valley Ornithological Clubを創立し、クラブから1894年に"The Birds of Eastern Pennsylvania and New Jersey"を執筆した。他に鳥類学の著作には "The Birds of New Jersey, Their Nests and Eggs" (1909)など数百がある。アメリカ鳥学会の雑誌、The Aukへの記事だけでも125に達した[4]

1885年にアメリカ鳥学会の会員になり、1892年にフェローに選ばれ、1898年からは理事会のメンバーとなり、鳥類保護委員会や分類・命名法委員会の会長などを歴任した後、1914年から副会長、1920年から1923年の間会長を務めた[4]

ニュージャージー州のケープメイの海岸の鳥類に関する著作、"Bird Studies at Old Cape May"で没後、アメリカ鳥学会からブリュースター・メダルを受賞した。

参考文献

[編集]
  1. ^ a b Huber, Wharton. “Witmer Stone (1866 to 1939)”. Journal of Mammalogy 21: 1–4. doi:10.2307/1374648. http://www.mammalsociety.org/uploads/Stone%20Obituary.pdf. 
  2. ^ Stone, Witmer. “Stewardson Brown”. Cassinia 24: 1–7. 
  3. ^ a b Penn Biographies: Witmer Stone”. Archives.upenn.edu (1939年5月23日). 2013年4月2日閲覧。
  4. ^ a b c Rehn, James A. G.. “Witmer Stone (1866–1939)”. Cassinia 31: 1–11. 
  5. ^ Stone, Witmer (1887). “A Migration of Hawks at Germantown, Pa”. The Auk 4 (2): 161. doi:10.2307/4067130. http://sora.unm.edu/sites/default/files/journals/auk/v004n02/p0161-p0161.pdf.