佐藤卓己
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佐藤 卓己(さとう たくみ、1960年10月9日[1] - )は、日本の社会学者、歴史学者。上智大学文学部新聞学科教授、京都大学名誉教授[2]。専門はメディア論。元「日本ナチ・カルチャー研究会」代表[3]。
人物
広島県広島市東区尾長出身[4]。広島市立尾長小学校~広島市立二葉中学校~広島観音高等学校~京都大学文学部卒業[4]。1995年に『大衆宣伝の神話::マルクスからヒトラーへのメディア史』で京都大学より博士(文学)を取得した[5]。
当初の専門はドイツ現代史、特に社会主義宣伝の研究だったが、メディア史の研究者へと移った[6]。2020年、メディア史研究者として初の紫綬褒章を受章した[6]。
経歴
- 1984年 京都大学文学部西洋史学専攻卒業
- 1986年 京都大学大学院文学研究科西洋史学専攻修士課程修了
- 1987年 - 1989年 ミュンヘン大学近代史研究所留学[7]
- 1989年 京都大学大学院文学研究科西洋史学専攻博士課程単位取得退学
- 1990年 東京大学新聞研究所助手
- 1992年 東京大学社会情報研究所助手
- 1994年 同志社大学文学部講師
- 1996年 同志社大学文学部助教授
- 2001年 国際日本文化研究センター助教授
- 2004年 京都大学大学院教育学研究科助教授(2007年から准教授)
- 2015年 同教授
- 2024年 京都大学名誉教授[2]
- 同年 上智大学文学部新聞学科教授[2]
受賞歴・栄典
- 2003年 『『キング』の時代』でサントリー学芸賞[8]、日本出版学会学会賞[9]。
- 2005年 『言論統制』で吉田茂賞
- 2018年 『ファシスト的公共性 - 総力戦体制のメディア学』で毎日出版文化賞
- 2020年 紫綬褒章[10][6]
佐藤が指導した人物
著書
以下が著作一覧[12]。
単著
- 『大衆宣伝の神話 - マルクスからヒトラーへのメディア史』(弘文堂) 1992 / 増補版 ちくま学芸文庫 2014
- 『現代メディア史』(岩波書店、岩波テキストブックス) 1998、新版 2018
- 『『キング』の時代 - 国民大衆雑誌の公共性』(岩波書店) 2002 / 岩波現代文庫 2020
- 『言論統制 - 情報官・鈴木庫三と教育の国防国家』(中央公論新社、中公新書) 2004、増補版 2024
- 『八月十五日の神話 - 終戦記念日のメディア学』(筑摩書房、ちくま新書) 2005 / 増補版 ちくま学芸文庫 2014
- 『メディア社会 - 現代を読み解く視点』(岩波新書) 2006
- 『テレビ的教養 一億総博知化への系譜』(NTT出版、日本の〈現代〉14) 2008 / 岩波現代文庫 2019
- 『輿論と世論 - 日本的民意の系譜学』(新潮社、新潮選書) 2008
- 『ヒューマニティーズ 歴史学』(岩波書店) 2009
- 『天下無敵のメディア人間 - 喧嘩ジャーナリスト・野依秀市』(新潮選書) 2012
- 改題増訂『負け組のメディア史 - 天下無敵 野依秀市伝』(岩波現代文庫) 2021
- 『物語岩波書店百年史 2 - 「教育」の時代』(岩波書店) 2013
- 『災後のメディア空間 - 論壇と時評2012 - 2013』(中央公論新社) 2014
- 『『図書』のメディア史 「教養主義」の広報戦略』(岩波書店) 2015
- 『青年の主張 まなざしのメディア史』(河出書房新社、河出ブックス) 2017
- 『ファシスト的公共性 総力戦体制のメディア学』(岩波書店) 2018
- 『流言のメディア史』(岩波新書) 2019
- 『大衆の強奪 - 全体主義政治宣伝の心理学』(創元社) 2019
- 『メディア論の名著30』(ちくま新書) 2020
- 『池崎忠孝の明暗 教養主義者の大衆政治』(創元社、近代日本メディア議員列伝6) 2023
- 『あいまいさに耐える ネガティブ・リテラシーのすすめ』(岩波新書) 2024
共著
- 『よみがえる帝国 - ドイツ史とポスト国民国家』(野田宣雄, 瀧井一博, 植村和秀, 野村耕一, 竹中亨、ミネルヴァ書房) 1998
- 『輿論研究と世論調査』(岡田直之, 西平重喜, 宮武実知子、新曜社) 2007
編著
- 『ヒトラーの呪縛』(日本ナチ・カルチャー研究会、飛鳥新社) 2000
- 改題『ヒトラーの呪縛 日本ナチカル研究序説』上・下(中公文庫) 2015
- 『戦後世論のメディア社会学』(柏書房) 2003
- 『青年と雑誌の黄金時代 若者はなぜそれを読んでいたのか』(岩波書店) 2015
- 『ある昭和軍人の記録 情報官・鈴木庫三の歩み』(中央公論新社) 2024.4
共編著
- 『内閣情報部情報宣伝研究資料』(津金澤聡廣、柏書房) 1994
- 『広報・広告・プロパガンダ』(津金澤聡廣、ミネルヴァ書房) 2003
- 『日本主義的教養の時代 - 大学批判の古層』(竹内洋、柏書房) 2006
- 『東アジアの終戦記念日 - 敗北と勝利のあいだ』(孫安石、筑摩書房、ちくま新書) 2007
- 『ラーニング・アロン - 通信教育のメディア学』(井上義和、新曜社) 2008
- 『電波・電影・電視 - 現代東アジアの連鎖するメディア』(三澤真美恵, 川島真共編著、青弓社) 2012
- 『ソフト・パワーのメディア文化政策 - 国際発信力を求めて』(渡辺靖, 柴内康文共編著、新曜社) 2012
- 『日本の論壇雑誌 教養メディアの盛衰』(竹内洋, 稲垣恭子共編著、創元社) 2014
- 『岩波講座 現代』全9巻(大澤真幸, 中島秀人, 杉田敦, 諸富徹と編集委員、岩波書店) 2015 - 2017
- 『近代日本のメディア議員 〈政治のメディア化〉の歴史社会学』(河崎吉紀共編、創元社) 2018
共同編集
翻訳
- 『敵の顔 - 憎悪と戦争の心理学』(サム・キーン、佐藤八寿子共訳、柏書房) 1994
- 『大衆の国民化 - ナチズムに至る政治シンボルと大衆文化』(ゲオルゲ・L・モッセ、佐藤八寿子共訳、柏書房) 1994/ちくま学芸文庫 2021
- 『ナショナリズムとセクシュアリティ - 市民道徳とナチズム』(ジョージ・L・モッセ、佐藤八寿子共訳、柏書房) 1996/ちくま学芸文庫 2023
- 『大衆の強奪 全体主義政治宣伝の心理学』(セルゲイ・チャコティン、創元社、叢書パルマコン) 2019
中国語訳
- 『輿論と世論 - 日本的民意の系譜学』の中国語訳
動画
- 片山杜秀×佐藤卓己「ファシズム・メディア・公共性」 - 搦め手から Vo.1【論壇チャンネルことのは】
出典
- ^ 『現代日本人名録』日外アソシエーツ
- ^ a b c 京都大学大学院教育学研究科 2024年4月7日記事2024年4月30日閲覧。
- ^ 編著『ヒトラーの呪縛』飛鳥新社
- ^ a b “対談 被爆者運動50年 ヒロシマを考え記憶する <1>”. 中国新聞 (ヒロシマ平和メディアセンター). (2010年7月7日). オリジナルの2015年7月29日時点におけるアーカイブ。 2015年7月29日閲覧。
- ^ a b http://dbr.nii.ac.jp/infolib/meta_pub/CsvSearch.cgi
- ^ a b c “春の褒章 メディア史で初の紫綬褒章、佐藤卓己京都大教授「新領域評価されうれしい」”. 産経ニュース. 産経デジタル (2020年4月28日). 2020年7月5日閲覧。
- ^ 編著『ヒトラーの呪縛』著者紹介
- ^ “2003年度 社会・風俗部門”. 2014年4月4日閲覧。
- ^ “第24回日本出版学会賞 (2002年度)”. 2014年4月4日閲覧。
- ^ 春の褒章、660人22団体 藤山直美さんら受章朝日新聞デジタル 2020年4月28日配信(要購読契約)
- ^ “赤上裕幸”. 2014年4月4日閲覧。
- ^ “著作物・講演リスト”. 2014年3月21日閲覧。
外部リンク
- 『ACCUMU』 Vol.5(1993年)に掲載。