フラワーカップは、日本中央競馬会(JRA)が中山競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。

フラワーカップ
第28回フラワーカップ(2014年3月21日)
優勝馬:バウンスシャッセ(画像奥)
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 中山競馬場
創設 1987年3月21日
2024年の情報
距離 芝1800m
格付け GIII
賞金 1着賞金3800万円
出走条件 サラ系3歳牝馬(国際)(特指)
負担重量 馬齢
出典 [1][2]
テンプレートを表示

競走名の「フラワー(Flower)」は、花を意味する英語[3]

概要

編集

桜花賞優駿牝馬(オークス)と続く牝馬クラシック路線の関東地区における前哨戦として位置付けられている[4]

1987年に創設された、4歳(現3歳)牝馬による重賞競走[4]。施行場・距離は創設時より、中山競馬場の芝1800mで定着している[4]。創設時の負担重量は馬齢だったが、2001年より別定に変更された[4]。2024年からは再び馬齢重量に変更される。

外国産馬は1995年から、地方競馬所属馬は1996年からそれぞれ出走可能になり[5]、2009年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[6]

競走条件

編集

以下の内容は、2024年現在[1][2][7]のもの。

出走資格:サラ系3歳牝馬

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(2頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)
  • 負担重量:馬齢重量(55kg)

賞金

編集

2024年の1着賞金は3800万円で、以下2着1500万円、3着950万円、4着570万円、5着380万円[1][2]

歴史

編集
  • 1987年 - 4歳牝馬による重賞(GIII[注 1])として創設[4]
  • 1995年 - 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[5]
  • 1996年 - 特別指定交流競走となり、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能となる[5]
  • 2001年
    • 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「3歳牝馬」に変更[5]
    • 名称を「時事通信杯 フラワーカップ」に変更(2005年まで)[5]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIIに変更[8]
  • 2009年
    • 国際競走に変更され、外国調教馬が8頭まで出走可能となる[6]
    • 格付表記をGIII(国際格付)に変更[6]
  • 2011年 - 東日本大震災および福島第一原発事故の影響により、当年に限り阪神競馬場で施行。
  • 2020年 - COVID-19の流行により客を入れずに「無観客競馬」として開催[9](2021年も同様[10])。
  • 2024年 - 負担重量を馬齢重量に変更。

歴代優勝馬

編集

コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1987年3月21日 中山 1800m ハセベルテックス 牝3 1:50.0 小迫次男 畠山重則 長南浩
第2回 1988年3月19日 東京 1800m フリートーク 牝3 1:49.0 増沢末夫 鈴木康弘 (有)社台レースホース
第3回 1989年3月18日 中山 1800m リアルサファイヤ 牝3 1:50.4 増沢末夫 栗田博憲 荻原昭二
第4回 1990年3月17日 中山 1800m ユキノサンライズ 牝3 1:50.1 増沢末夫 鈴木康弘 井上基之
第5回 1991年3月16日 中山 1800m フラッシュシャワー 牝3 1:49.4 柴田善臣 八木沢勝美 佐々木徹
第6回 1992年3月21日 中山 1800m ブランドアート 牝3 1:54.7 中舘英二 石毛善衛 西山正行
第7回 1993年3月20日 中山 1800m ホクトベガ 牝3 1:49.7 加藤和宏 中野隆良 金森森商事(株)
第8回 1994年3月19日 中山 1800m オンワードノーブル 牝3 1:50.6 杉浦宏昭 二本柳俊夫 (株)オンワード牧場
第9回 1995年3月18日 中山 1800m イブキニュースター 牝3 1:54.2 M.ロバーツ 橋口弘次郎 (有)伊吹
第10回 1996年3月16日 中山 1800m ヒシナタリー 牝3 1:50.5 角田晃一 佐山優 阿部雅一郎
第11回 1997年3月15日 中山 1800m シーキングザパール 牝3 1:51.6 武豊 森秀行 植中倫子
第12回 1998年3月21日 中山 1800m スギノキューティー 牝3 1:50.4 河内洋 浅見秀一 杉山美惠
第13回 1999年3月20日 中山 1800m サヤカ 牝3 1:53.7 柴田善臣 鈴木康弘 (有)イヨ商事
第14回 2000年3月18日 中山 1800m マルターズスパーブ 牝3 1:50.8 柴田善臣 堀井雅広 藤田与志男
第15回 2001年3月17日 中山 1800m タイムフェアレディ 牝3 1:50.3 蛯名正義 中野栄治 鴇﨑高男
第16回 2002年3月16日 中山 1800m スマイルトゥモロー 牝3 1:49.1 岡部幸雄 勢司和浩 飯田正剛
第17回 2003年3月22日 中山 1800m マイネヌーヴェル 牝3 1:49.5 横山典弘 稲葉隆一 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第18回 2004年3月20日 中山 1800m ダンスインザムード 牝3 1:50.9 武豊 藤沢和雄 (有)社台レースホース
第19回 2005年3月19日 中山 1800m シーザリオ 牝3 1:49.0 福永祐一 角居勝彦 (有)キャロットファーム
第20回 2006年3月18日 中山 1800m キストゥヘヴン 牝3 1:48.9 横山典弘 戸田博文 吉田和子
第21回 2007年3月17日 中山 1800m ショウナンタレント 牝3 1:49.6 柴田善臣 二ノ宮敬宇 (有)湘南
第22回 2008年3月22日 中山 1800m ブラックエンブレム 牝3 1:49.5 松岡正海 小島茂之 田原邦男
第23回 2009年3月21日 中山 1800m ヴィーヴァヴォドカ 牝3 1:49.3 村田一誠 勢司和浩 芹澤精一
第24回 2010年3月20日 中山 1800m オウケンサクラ 牝3 1:50.3 後藤浩輝 音無秀孝 福井明
第25回 2011年3月26日 阪神 1800m トレンドハンター 牝3 1:47.0 岩田康誠 松田博資 飯田正剛
第26回 2012年3月17日 中山 1800m オメガハートランド 牝3 1:53.3 石橋脩 堀宣行 原禮子
第27回 2013年3月16日 中山 1800m サクラプレジール 牝3 1:50.0 横山典弘 尾関知人 (株)さくらコマース
第28回 2014年3月21日 中山 1800m バウンスシャッセ 牝3 1:51.3 北村宏司 藤沢和雄 (有)キャロットファーム
第29回 2015年3月21日 中山 1800m アルビアーノ 牝3 1:49.4 柴山雄一 木村哲也 吉田和美
第30回 2016年3月21日 中山 1800m エンジェルフェイス 牝3 1:49.3 福永祐一 藤原英昭 (株)ロードホースクラブ
第31回 2017年3月20日 中山 1800m ファンディーナ 牝3 1:48.7 岩田康誠 高野友和 (有)ターフ・スポート
第32回 2018年3月17日 中山 1800m カンタービレ 牝3 1:49.2 M.デムーロ 角居勝彦 石川達絵
第33回 2019年3月16日 中山 1800m コントラチェック 牝3 1:47.4 丸山元気 藤沢和雄 (有)キャロットファーム
第34回 2020年3月20日 中山 1800m アブレイズ 牝3 1:48.2 藤井勘一郎 池江泰寿 前田幸貴
第35回 2021年3月20日 中山 1800m ホウオウイクセル 牝3 1:49.2 丸田恭介 高柳瑞樹 小笹芳央
第36回 2022年3月21日 中山 1800m スタニングローズ 牝3 1:48.5 川田将雅 高野友和 (有)サンデーレーシング
第37回 2023年3月18日 中山 1800m エミュー 牝3 1:53.2 M.デムーロ 和田正一郎 (株)ノースヒルズ
第38回 2024年3月16日 中山 1800m ミアネーロ 牝3 1:48.0 津村明秀 林徹 (有)シルクレーシング

同名の競走

編集

重賞競走が創設される以前に、同名の特別競走が行われていたことがある。ただし、JRAではこの競走を前身としていない。

優勝馬

編集

出典が明記されている1980年以降を記載。

馬齢は、現行表記に揃えている。

施行日 競馬場 距離 条件 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
1980年4月6日 中山 芝1600m外 3歳牝・オープン ジュウジアロー 牝3 1:38.5 安田富男 加藤修甫 岡田充司
1981年4月4日 中山 芝1600m外 3歳牝・オープン エイティトウショウ 牝3 1:37.6 田村正光 奥平真治 (株)トウショウ産業
1982年4月11日 中山 芝1800m 3歳牝・オープン トシシゲエース 牝3 1:52.5 嶋田功 石栗龍雄 松田敏雄
1983年4月9日 中山 芝2000m 3歳牝・オープン チズブエ 牝3 2:05.3 嶋田潤 藤本冨良 上森子鐵
1984年4月7日 中山 芝2000m 3歳牝・オープン ジムベルグ 牝3 2:05.9 的場均 飯塚好次 山田俊一
1985年3月16日 中山 芝2000m 3歳牝・オープン サリークラウン 牝3 2:04.4 大崎昭一 大久保洋吉 大原詔宏
1986年3月15日 中山 芝2000m 3歳牝・オープン ファーストマイテイ 牝3 2:10.1 岡部幸雄 田中和夫 安田銀治

出典:

  • 1980年 - 『優駿』1980年6月号、日本中央競馬会、146頁
  • 1981年 - 『優駿』1981年6月号、日本中央競馬会、174頁
  • 1982年 - 『優駿』1982年6月号、日本中央競馬会、132頁
  • 1983年 - 『優駿』1983年6月号、日本中央競馬会、194頁
  • 1984年 - 『優駿』1984年6月号、日本中央競馬会、136頁
  • 1985年 - 『優駿』1985年5月号、日本中央競馬会、144頁
  • 1986年 - 1986年

脚注・出典

編集

参考文献

編集
  • 「時事通信杯フラワーカップ(GIII)」『中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】』日本中央競馬会、2006年、503-532頁。 

注釈

編集
  1. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

編集
  1. ^ a b c 重賞競走一覧(レース別・関東)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 9. 2024年4月29日閲覧。
  2. ^ a b c 2024年第2回中山競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  3. ^ 2024年度第2回中山競馬特別レース名解説” (PDF). 日本中央競馬会. p. 4. 2024年4月29日閲覧。
  4. ^ a b c d e 歴史・コース:フラワーカップ 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  5. ^ a b c d e 中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】
  6. ^ a b c 第2回 中山競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 728-729 (2009年). 2016年3月22日閲覧。(索引番号:05083)
  7. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(2024年度春季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  8. ^ 第2回 中山競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 623-624 (2007年). 2016年3月22日閲覧。(索引番号:05083)
  9. ^ 3月20日(祝日・金曜)、21日(土曜)、22日(日曜)の中央競馬の開催等について”. 日本中央競馬会 (2020年3月18日). 2021年3月15日閲覧。
  10. ^ 3月6日(土曜)からの競馬場・ウインズ等の営業等(関西・愛知・福岡での発売再開、阪神・中京競馬の指定席ネット予約再開等)”. 日本中央競馬会 (2021年2月28日). 2021年3月12日閲覧。

各回競走結果の出典

編集

外部リンク

編集