キキ・ベルテンスKiki Bertens, 1991年12月10日 - )は、オランダヴァーテリンゲン出身の女子プロテニス選手。2016年全仏オープン女子シングルスでベスト4に入った選手である。WTAツアーでシングルス10勝、ダブルス10勝を挙げた。身長182cm、体重74kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。WTAランキング最高位はシングルス4位、ダブルス16位。

キキ・ベルテンス
Kiki Bertens
キキ・ベルテンス
基本情報
国籍 オランダの旗 オランダ
出身地 同・ヴァーテリンゲン
生年月日 (1991-12-10) 1991年12月10日(33歳)
身長 182cm
体重 74kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2009年
引退年 2021年
ツアー通算 20勝
シングルス 10勝
ダブルス 10勝
生涯通算成績 627勝369敗
シングルス 443勝265敗
ダブルス 184勝104敗
生涯獲得賞金 $11,653,189
4大大会最高成績・シングルス
全豪 4回戦(2020)
全仏 ベスト4(2016)
全英 ベスト8(2018)
全米 3回戦(2018・19)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 ベスト8(2015)
全仏 ベスト8(2016)
全英 3回戦(2018)
全米 3回戦(2015・17)
4大大会最高成績・混合ダブルス
全英 2回戦(2016)
国別対抗戦最高成績
BJK杯 ベスト4(2016)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 4位(2019年5月13日)
ダブルス 16位(2018年4月16日)

来歴

編集

ベルテンスは6歳でテニスを始め、2009年にプロに転向。

2012年4月のモロッコ・フェズ大会では予選から勝ち上がり決勝に進出した。決勝ではラウラ・ポウス・ティオを 7–5, 6–0 で破りWTAツアー初優勝を果たした。

4大大会では2012年全仏オープンで初出場した。1回戦でクリスティナ・マクヘールに 6-2, 4-6, 4-6 で敗れた。ウィンブルドンでは1回戦で第19シードのルーシー・サファロバを 6–3, 6–0 で破り初戦を突破した。

2014年全仏オープンでは予選から勝ち上がり4回戦に進出した。4回戦でアンドレア・ペトコビッチに 6-1, 2-6, 5-7 で敗れた。

2016年5月のニュルンベルク・カップではツアー2度目の決勝に進出した。決勝でマリアナ・デュケ=マリノを 6–2, 6–2 で破り4年ぶりのツアー2勝目を挙げた。続く全仏オープンでは1回戦で第3シードのアンゲリク・ケルバーを 6-2, 3-6, 6-3 で破る殊勲を挙げた。勢いに乗って勝ち進み4大大会で初めてのベスト8に進出した。準々決勝ではティメア・バシンスキーを 7–5, 6–2 で破りベスト4に進出した。準決勝では第1シードのセリーナ・ウィリアムズに 6–7, 4–6 で敗れた。2016年8月のリオ五輪で初めてのオリンピックに出場したがシングルス1回戦でサラ・エラニに 6-4, 4-6, 3-6 で敗れ初戦で敗退した。

ベルテンスは2011年よりフェドカップにオランダ代表として出場している。2016年2月のフェドカップでワールドグループ1回戦でロシアと対戦し、シングルスでスベトラーナ・クズネツォワエカテリーナ・マカロワを破りオランダの勝利に貢献した。4月の準決勝ではフランスのキャロリン・ガルシアクリスティナ・ムラデノビッチをシングルスで破ったが2勝2敗で迎えた最後のダブルスで敗れて決勝進出を逃した。

2018年は4月にプレミア大会ボルボ・カーズ・オープンで優勝した。2018年ウィンブルドンではシングルスでベスト8に進出し準々決勝でユリア・ゲルゲスに 6-3, 5-7, 1-6 で敗れた。2018年8月のウエスタン・アンド・サザン・オープンでは決勝で世界ランキング1位のシモナ・ハレプを 2–6, 7–6(6), 6–2 で破り、初めてハードコート大会で優勝した。最終戦のWTAファイナルズにも出場しベスト4に進出した。2018年10月22日付でシングルス9位を記録し、2018年のWTAアワード最も上達した選手賞を受賞している。

ダブルスではスウェーデンのヨハンナ・ラーションと組むことが多くラーションとのペアでWTAツアー9勝を挙げている。4大大会でも2015年全豪オープン2016年全仏オープンでベスト8に進出している。2017年のWTAファイナルにも出場し決勝でティメア・バボシュアンドレア・フラバーチコバ組に 6–4, 4–6, [5–10] で敗れ準優勝した。

2019年は2月のサンクトペテルブルク・レディース・トロフィーでは決勝で第8シードのドナ・ベキッチを7-6(2), 6-4 で破り優勝した。5月のムチュア・マドリード・オープンでは全試合をストレートで勝ち上がっていくと、決勝でも第3シードのシモナ・ハレプを6-4, 6-4 で破り、去年準優勝の雪辱を果たすとともに、プレミア・マンダトリーで初優勝を飾った。2019年5月13日付のランキングで自己最高の4位を記録した。

2020年2月のサンクトペテルブルク・レディース・トロフィーエレーナ・リバキナを 6–1, 6–3 で破りシングルスツアー10勝目を挙げた。これが最後の優勝になった。

ベルテンスは2021年の東京五輪を最後に29歳で現役を引退した。

WTAツアー決勝進出結果

編集

シングルス: 15回 (10勝5敗)

編集
大会グレード
グランドスラム (0–0)
WTAファイナルズ (0–0)
プレミア・マンダトリー (1–1)
プレミア5 (1-0)
WTAエリート・トロフィー (0-1)
プレミア (3-0)
インターナショナル (5–3)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 2012年4月28日   フェズ クレー   ラウラ・ポウス・ティオ 7–5, 6–0
優勝 2. 2016年5月21日   ニュルンベルク クレー   マリアナ・デュケ=マリノ 6–2, 6–2
準優勝 1. 2016年7月17日   グシュタード クレー   ビクトリヤ・ゴルビッチ 6–4, 3–6, 4–6
優勝 3. 2017年5月27日   ニュルンベルク クレー   バルボラ・クレシコバ 6–2, 6–1
優勝 4. 2017年7月23日   グシュタード クレー   アネット・コンタベイト 6–4, 3–6, 6–1
優勝 5. 2018年4月8日   チャールストン クレー   ユリア・ゲルゲス 6–2, 6–1
準優勝 2. 2018年5月12日   マドリード クレー   ペトラ・クビトバ 6–7(6), 6–4, 3–6
優勝 6. 2018年8月19日   シンシナティ ハード   シモナ・ハレプ 2–6, 7–6(6), 6–2
優勝 7. 2018年9月23日   ソウル ハード   アイラ・トムリャノビッチ 7–6(2), 4–6, 6–2
優勝 8. 2019年2月3日   サンクトペテルブルク ハード
(室内)
  ドナ・ベキッチ 7-6(2), 6-4
優勝 9. 2019年5月11日   マドリード クレー   シモナ・ハレプ 6–4, 6–4
準優勝 3. 2019年6月16日   スヘルトーヘンボス   アリソン・リスク 6–0, 6–7(3), 5–7
準優勝 4. 2019年7月28日   パレルモ クレー   ジル・タイヒマン 6–7(3), 2–6
準優勝 5. 2019年10月27日   珠海 ハード   アリーナ・サバレンカ 4–6, 2-6
優勝 10. 2020年2月16日   サンクトペテルブルク ハード
(室内)
  エレーナ・リバキナ 6–1, 6–3

ダブルス: 16回 (10勝6敗)

編集
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
優勝 1. 2015年1月17日   ホバート ハード   ヨハンナ・ラーション   ビタリア・ディアチェンコ
  モニカ・ニクレスク
7–5, 6–3
優勝 2. 2015年7月19日   ボースタード クレー   ヨハンナ・ラーション   タチアナ・マリア
  オリガ・サブチュク
7–5, 6–4
準優勝 1. 2015年9月27日   ソウル ハード   ヨハンナ・ラーション   ララ・アルアバレナ
  アンドレヤ・クレパーチ
6–2, 3–6, [6–10]
準優勝 2. 2016年2月27日   アカプルコ ハード   ヨハンナ・ラーション   アナベル・メディナ・ガリゲス
  アランチャ・パラ・サントンハ
0–6, 4–6
優勝 3. 2016年5月21日   ニュルンベルク クレー   ヨハンナ・ラーション   青山修子
  レナタ・ボラコバ
6–3, 6–4
優勝 4. 2016年10月16日   リンツ ハード
(室内)
  ヨハンナ・ラーション   アンナ=レナ・グローネフェルト
  クベタ・ペシュケ
4–6, 6–2, [10–7]
優勝 5. 2016年10月22日   ルクセンブルク ハード
(室内)
  ヨハンナ・ラーション   モニカ・ニクレスク
  パトリシア・マリア・ティグ
4–6, 7–5, [11–9]
優勝 6. 2017年1月7日   オークランド ハード   ヨハンナ・ラーション   デミ・シュース
  レナタ・ボラコバ
6–2, 6–2
準優勝 3. 2017年6月17日   スヘルトーヘンボス   デミ・シュールス   ドミニカ・チブルコバ
  キルステン・フリプケンス
6–4, 4–6, [6–10]
優勝 7. 2017年7月23日   グシュタード クレー   ヨハンナ・ラーション   ビクトリヤ・ゴルビッチ
  ニナ・ストヤノビッチ
7–6(4), 4–6, [10–7]
優勝 8. 2017年9月24日   ソウル ハード   ヨハンナ・ラーション   ルクシカ・クムクム
  ペアングタルン・プリプエチ
6–4, 6–1
優勝 9. 2017年10月16日   リンツ ハード
(室内)
  ヨハンナ・ラーション   ナテラ・ザラミズ
  クセーニャ・クノル
3–6, 6–3, [10–4]
準優勝 4. 2017年10月29日   シンガポール ハード
(室内)
  ヨハンナ・ラーション   ティメア・バボシュ
  アンドレア・フラバーチコバ
6–4, 4–6, [5–10]
優勝 10. 2018年1月6日   ブリスベン ハード   デミ・シュールス   アンドレヤ・クレパーチ
  マリア・ホセ・マルティネス・サンチェス
7–5, 6–2
準優勝 5. 2018年6月16日   スヘルトーヘンボス   キルステン・フリプケンス   デミ・シュールス
  エリーズ・メルテンス
3–3, 途中棄権
準優勝 6. 2020年1月12日   ブリスベン ハード   アシュリー・バーティ   謝淑薇
  バルボラ・ストリコバ
6-3, 6–7(7), [8–10]

4大大会シングルス成績

編集
略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 通算成績
全豪オープン A LQ 1R 1R 2R 1R 1R 3R 2R 4R A 7–8
全仏オープン LQ 1R 1R 4R 1R SF 2R 3R 2R 4R 1R 15–10
ウィンブルドン A 2R 1R LQ 1R 3R 1R QF 3R NH 1R 9–8
全米オープン LQ 2R 1R 1R 2R 1R 1R 3R 3R A A 6–8

外部リンク

編集
受賞
先代
  エレナ・オスタペンコ
WTA最も上達した選手賞
2018
次代
  ソフィア・ケニン