「おまえはもう死んでいる!!」
1984年10月11日から1987年3月5日まで全152話が放送されたシリーズ。
原作は少年ジャンプに連載されて人気を集めていた武論尊、原哲夫の同名漫画「北斗の拳」。
過激な描写と熱いストーリーで人気を博したTVアニメ『北斗の拳』は、ふたつのシリーズに別れて放送された。
シンに奪われた恋人ユリアを取り戻すために荒野に立ったケンシロウの登場から北斗兄弟の長兄・ラオウとの決着を描いた前期シリーズ『北斗の拳』。そして、激戦から数年が経過し、動乱の世で再び現れたケンシロウと帝都の軍の戦い、さらにはケンシロウの生い立ちと北斗2000年の歴史が明かされる修羅の国での死闘を描くのが後期シリーズ、『北斗の拳2』。
北斗、南斗、元斗の男たちが入り乱れ、覇を争う世紀末…。
宿命によって繰り広げられるその戦いの果てに時代は誰を最強の男として選ぶのか・・・!?
■キャスト
ケンシロウ:神谷明
バット:鈴木三枝
リン:鈴木富子
シン:古川登志夫
ユリア:山本百合子
レイ:塩沢兼人
トキ:土師孝也
ラオウ:内海賢二
ナレーター:千葉繁
■スタッフ
原作: 武論尊、原哲夫
企画: 岡正・中屋喜伸・高見義雄
脚本: 上原正三・井上敏樹・戸田博司・花園由宇保・土屋斗紀雄・
大橋志吉 ほか
チーフディレクター:芦田豊雄
演出: 芦田豊雄・石黒育・佐々木正光・梅澤淳稔・石田昌久・上村修・
寒竹清隆・三谷章夫・又野弘道・才谷梅太郎・影山楙倫・
政木伸一・板野一郎・勝間田具治 ほか
キャラクターデザイン:須田正巳
美術デザイン:中村光毅(北斗の拳)/坂本信人(北斗の拳2)
音楽:青木望
199X年、世界は核の炎につつまれた…。荒廃した地上で、それでも人類は生き延びようとしていたが、そこは暴力が支配する恐怖の世界だった。灼熱の砂漠をさまよう一人の男は、たどりついた小さな村でリンという少女に出会う。その村の水と食料をねらって強盗団Z(ジード)が襲ってきた。リンを救うために立ち上がる男、ケンシロウ。その胸には北斗七星をかたどった七つの傷があった! いま、世紀末救世主伝説の幕が上がる!!
ケンシロウの強さに目をつけたコソ泥の少年・バットは、バギーを作って共に旅立つ。凶暴な武装集団KING一味に襲われていた老人を救ったケンシロウ。しかし、老人が半年をかけて探し出し、自分の村へ持ち帰ろうとしていた種モミを奪われてしまう。バットの作戦で種モミを取り返し、老人を村まで送り届けるが、ケンシロウたちの去ったあと、KING一味のスペードたちが再び襲撃をかけてきた。ケンシロウは村を救うことができるのか!?
バットは護送車に捕らえられたリンを目撃する。ケンシロウの後を追って村を出たのだが、KING一味に捕まってしまったのだ。KINGの部下・ダイヤが支配するドラドの町では、捕らえられた人々は奴隷や慰み物として扱われていた。町に忍びこみ、リンの居所を探すバット。ケンシロウは、大鉄棒をふるう怪力のダイヤと対峙する。さらに、仲間の復讐に燃える鉄の爪の使い手・クラブも迫ってくる。捕らえられたリンの運命は!?
リンを救い出したケンシロウ。バットは三人でドラドの町から逃げ出そうと言うが、まだ数十人の人々が捕らえられたままだった。ケンシロウは奴隷として死ぬまで働かされる運命の彼らを、ブラッディクロスの紋章はためく収容所から解放した。だが、KING配下のハート軍団が追撃してきた。拳法殺しと呼ばれるハートは、武器や通常の拳法技がまったく通じない特殊な肉体をもち、ケンシロウの拳さえ柔らかな腹に飲み込んでしまう!!
KINGが仇敵のシンだと確信したケンシロウは、一人その居城に向かう。シンは北斗神拳とならぶ暗殺拳・南斗聖拳の使い手であり、1年前に師の教えにそむいてケンシロウと戦い、その恋人ユリアを奪ったのだ。ケンシロウの胸の七つの傷は、シンが行った処刑によってつけられたものだった。ユリアはケンシロウを助けるため、シンを愛することを誓わざるをえなかった。ついにシンの居城にたどりついたケンシロウを、死の罠が待つ!!
ユリアとともに新しい都・サザンクロスへと移ったシン。それを追うケンシロウ、リン、バット一行は砂漠のなかのオアシスにたどりつく。そこは小さくても活気のある町だったが、町を守ることを名目に略奪を繰り返す『神の軍隊』ゴッド・アーミーに支配されていた。彼らは陸軍の特殊部隊レッド・ベレーの生き残りであり、その首領カーネルは超能力をもつ南斗拳法の使い手だった。ケンシロウはゴッド・アーミーに戦いを挑む!!
ゴッド・アーミーの新隊長は、町の人間を人質にとってケンシロウを誘い出す。人質となった両親を、その子供の眼前で殺した非道にケンシロウの怒りは凄まじく、部隊を完膚なきまでに叩き潰す。七つの傷の男出現の報を聞いたマッド軍曹は、手段を選ばぬゲリラ戦でケンシロウを捕縛、基地に連行して訓練兵のための生きたサンドバッグとした。 しかし、ケンシロウはゴッド・アーミー首領のカーネルを倒すために、わざと捕まったのだ!
ゴッド・アーミーの首領カーネルの姿を求め、基地にそびえる塔に入ったケンシロウ。武人像の間、猛獣の間と難なく突破していくが、警備隊のニードル・ナイフ攻撃が迫る! それすらも簡単にしのぎ、カーネルの間に到達したケンシロウが目にしたのは、仇敵シンの肖像画だった。シンこそがゴッド・アーミーの神であり、その命令を受けたカーネルは、超能力によってケンシロウの動きを見切り、殺人ブーメランで攻撃してくる!!
ユリアを求め再び旅に出たケンシロウたちは、ミカとサムに出会う。二人は村から逃げてきたのだが、親兄弟に連れ戻されてしまう。その村は、湖の所有者である魔女パトラに、水利権として家畜をはじめ若い男女までをも貢いでいたのだ。ミカの弟・ジローの訴えに心を動かされた村長は、ケンシロウにパトラ一味の駆逐を依頼する。それを察知した一味は、ケンシロウ一行の眠る小屋に火を放った! 辛くも脱出したケンシロウに蝙蝠(こうもり)拳の空中攻撃が迫る!!
部下を失ったパトラは姿を消し、同時に湖は干上がってしまう。その謎を解くため山に向かったケンシロウは、南斗龍神拳の使い手・ドラゴンの居城にたどりつく。湖の水位はそこでコントロールされていたのだ。なぜかケンシロウを歓待するドラゴン。彼は世界を支配するためにケンシロウの力を欲していた。パトラを使って集めた若者たちを奴隷として売りさばき、酒池肉林の快楽にふけるドラゴンに、ケンシロウの怒りが爆発する!
廃墟をさまよう幼い少年・タキを救ったケンシロウ。タキはバットと同郷の出身で、井戸が涸れ大人たちが去ったその村では、トヨおばさんが残された子供たちと暮らし、新しい井戸を掘り続けていた。ケンシロウは障害となっていた堅い岩盤を砕き、井戸に水を導く。その情報を得たウォーリアーズの首領・ジャッカルは、直接ケンシロウと対決するのを避け、隙を狙って村に攻め込んできた。子供たちを守るため、トヨはジャッカルに銃を向けるが…。
子供をかばって死んだトヨの仇を討つため、ケンシロウはジャッカルを追い、ウォーリアーズのメンバーを次々と倒していく。跳刀地背拳(ちょうとうちはいけん)で隙を突こうとした部隊長のフォックスもケンシロウの敵ではなかった。根城の刑務所跡地『ビレニー・プリズン』に戻ったジャッカルたちだったが、すでに死神と化したケンシロウが待ちかまえていた! 恐怖にかられて裏切った子分を始末したジャッカルは、南斗爆殺拳で反撃してくる!!
ケンシロウから追われ続けるジャッカルは、KINGの間諜ジョーカーの命令で、ビレニー・プリズン地下特別刑務所に監禁されていたデビル・リバースの封印を解いた。超弩級の肉体を持ち、死刑すら生き延びたデビル・リバースは700人殺しの悪魔の化身と呼ばれ、5000年の歴史を持つ古代インドの殺人拳『羅漢仁王拳』を体得していた。通常の攻撃が通じないデビル・リバースに、ケンシロウは北斗神拳奥義『転龍呼吸法』をもって対抗する!!
サザンクロスを目指して南に向かうケンシロウ一行は、たどりついた火山のふもとのオアシスで、村人たちから略奪者と誤解される。その誤解を解いたのはデュラン医師だった。デュランは村人からの信頼を得て共に暮らしていたが、実はKING配下のダンテ部隊からの脱走者で、略奪者として働いていた過去の罪を償うために村人に奉仕していたのだ。そんなデュランをダンテが発見し、村人の命を保証するかわりにケンシロウを暗殺しろと強要してくる!
ケンシロウ一行がたどりついたのは不気味な鐘の音が響く町。そこでは食料や水は支配者であるザリア一人の所有物であり、他の人々にはわずかな量が配給されるだけだった。ケンシロウたちはカレンという町娘の家に泊まることになったが、真夜中になって鐘の音が響くと、なぜか町の人々が集団で襲ってきた。どうやら催眠術をかけられているらしい。リンもまた術をかけられて大聖堂に向かった。後を追うケンシロウを、ザリアの卑劣な罠が待ち受ける!
立ち寄った町で、バットはスネークという凶悪集団のメンバーに因縁をつけられるが、町はずれに住むセラ少年の取りなしで事なきを得た。この町ではジャンクを首領とするスネークと、バロン率いるスコルピオが町の覇権を争って対立していた。ジョーカーは両者に共同戦線を張らせ、打倒ケンシロウを命令する。スコルピオはそれに従うふりをしつつ、ケンシロウと組んでスネーク壊滅と町の支配を企む。スコルピオの甘言に乗ったケンシロウの真意は!?
シンの都・サザンクロスに、各地から続々と軍団が集結していた。ヒドラ隊長率いる武装バギー隊、ウルフ隊長率いる荒くれの壊し屋軍団、マハリ隊長のブラックバード隊…。全軍の前に立った大将軍バルコムは、これまでのケンシロウとの戦いを振り返り、その力を認めつつも北斗神拳の撃破を宣言する。ユリアはおつきの少女サキから、シンの軍団が七つの傷の男に挑むという話を聞き、ケンシロウとの約束を思い出す…。
大将軍バルコムの号令でKING軍団の全軍が出撃し、砂漠の村にいたケンシロウたちにウルフの軍団が襲撃をかけてきた。ウルフは巨大なハンマークレーン車や改造ショベルカーで建物もろとも村人を虐殺し、火炎放射器を使ってケンシロウを攻撃する。さらに、ゴラス率いるサンダー軍団が乱入、バットとリンを人質に取ってケンシロウを広い荒野に誘い出す。メンバー全員が元レーサーというサンダー軍団は、改造戦闘バイクに加え、戦車までも持ち出してきた!
ジーナの村を出て、KINGの軍団のタイヤ跡をたどるケンシロウ一行だったが、砂嵐に足止めされる。その頃サザンクロスでは、サキの兄テムジナが、救世主と信じるケンシロウを導くために脱走していた。ジーナの村にガレッキー率いるゴールドウルフ軍団が迫ったことを知り、村へと急ぐケンシロウ。そこにブラックバード軍団の小型ヘリ部隊が襲撃をかけてきた! さらにゴールドウルフ軍団の『南斗人間砲弾』が空から降り注ぐ!!
テムジナの残した言葉『緑の大地、悪魔の目の中』からサザンクロスの場所が判明した。ジーナの村から旅立つケンシロウたちに、ボウガンを操る美女ジェニファーも同行する。ヒドラ率いる武装バギー軍団も、バットやジェニファーの活躍とケンシロウの北斗神拳の前に敗れさる。ケンシロウ接近の報を聞いたシンは、南斗列車砲の使用を命じる。砂漠を自走する巨大列車からの砲撃に行く手をはばまれる一行。その時、ジェニファーがおとりになるためバイクで走り出した!
ケンシロウにヘリ部隊で空爆をかけたバルコム将軍。しかし、ユリアからサキを遠ざけたシンは女神像を造りあげることに力を注ぎ、バルコムの働きを評価しようとしない。腹を立てたバルコムは、シンに対して同様に不満を抱える軍団幹部をあおり、KINGになりかわることを画策する。ケンシロウの死に疑いをいだくジョーカーは爆撃跡地に向かい、信じられないものを目撃する。その頃、サザンクロスを覆う日蝕のなか、シンvsバルコムの一対一の死闘が始まっていた!!
KING軍団の崩壊とともに、サザンクロスは炎上した。生還を信じて待っていたリンをバットに託し、ケンシロウは一人シンのもとへ向かう。残っていたKING親衛隊も一蹴、ついにシンとまみえるケンシロウ! 執念によってよみがえり、南斗聖拳の技を完全に見切るケンシロウは、すでにシンの知る彼ではなかった。ケンシロウの執念のもとを断とうと、ユリアに一撃をあびせるシン! しかし、執念をもしのぐ怒りの拳『北斗十字斬』がシンの胸にブラッディクロスを刻む!!
ケンシロウは最愛の女性ユリアと、強敵(とも)だった男シンを失って沈黙を続けていた。そんな彼を心配するリン。一行は砂漠でケマダ率いる牙一族が食料運搬トラックを襲っているのに遭遇、運転手を救出して村まで送る。湧き水を掘りあて野菜の栽培を始めた村には、わずかだが花も咲いていた。感動するリンに、やさしく言葉をかけるマミヤ。襲撃してきた牙一族に対し、マミヤは村人の先頭になり立ち向かう。しかし、装甲トレーラーがバリケードを破って突入してきた!
ケンシロウは牙一族の再襲撃に備え、マミヤの村にとどまることとなった。襲撃の機会をうかがうも、ケンシロウを恐れて二の足を踏むケマダの前に、砂漠から一人の男が現れた。南斗水鳥拳を使う凄腕の男・レイだ。ケマダはレイを新たな用心棒として村に潜り込ませる。リンは、マミヤを見つめるレイが、なぜかケンと同じ優しい目をしていることに気づく。再び襲ってきた牙一族を一蹴するケンシロウ。その前に牙一族と組んだレイが立ちはだかった!
牙一族を裏切りケンシロウとともに村を守ったレイは、胸に七つの傷を持つ男を探していた。村を出ていたマミヤの弟コウが牙一族に捕らえられ、皆の眼前で殺されてしまった。コウはマミヤの誕生日ケーキに使う野イチゴを取りに出かけたところを襲われたのだった。それを知っても人前では涙を流さぬマミヤ。彼女は、両親が命をかけて礎を築いた村を守るという義務に頑なまでに従おうとしていたのだ。ケンシロウはコウの仇を討つため、牙一族が潜む岩山に向かう!
ケマダ部隊を全滅させられ怒りに燃える牙大王は、ケマダの弟・キバラを隊長に復讐部隊をさしむけると同時に、ゴジバに命じてケンシロウとレイの身内を探させる。レイはマミヤに自分の妹アイリを重ねていた。アイリは結婚式の晩、盗賊によって両親を殺され、胸に七つの傷を持つ男に連れ去られたのだった。牙一族の本拠地に向かうケンシロウ、レイ、マミヤの三人を、キバラ部隊が華山群狼拳・妖滅の型で襲ってくる。そして、牙大王のもとにはアイリの情報が!
牙一族の本拠地を目指すケンシロウたち三人は、途中の村が一族に襲われて全滅したのを知る。本拠地に着いた三人の前に牙大王が率いる本隊が現れ、大王ですら手を焼く怪物・マダラが華山分裂拳で向かってくる。しかし、北斗神拳の前ではその牙も爪も無力。そこで牙大王はゴジバに命じて、探し出したレイの妹・アイリの姿をさらした。動揺するレイ。これまでの過酷な体験から誰にでも服従の姿勢をとるアイリには、レイの言葉が全く届かない…。
人質にしたアイリに刃を向ける牙大王に、手を出せないレイ。マミヤはケンシロウのフィアンセと偽り、アイリの身代わりを申し出る。そして隙をついて攻撃するも、牙大王の鋼鉄の肉体には通じなかった。アイリの解放を望むレイに、牙大王はケンシロウを殺すよう命じる。牙大王のもくろみは、北斗神拳と南斗聖拳との相討ちにあった。戦いに応じようとしないケンシロウだったが、アイリとマミヤが自ら命を断とうとするのを見て、秘伝・北斗聖極輪のかまえをとった!!
南斗虎破龍と北斗龍撃虎の激突により、相討ちとなって死んだかに見えたレイとケンシロウ。実は、アイリとマミヤを救出するために、お互いの秘孔を突き仮死状態となっていたのだった。怒った牙大王は岩盤を爆破、溶岩流でケンシロウとレイたちを引き離し、一対一の勝負に出る。奥義・華山鋼鎧呼法(こうがいこほう)で肉体を鋼鉄の鎧と化す牙大王。だが、ケンシロウは秘孔を突いてその技を無効化してしまう。追いつめられた牙大王は、隠し持った爆弾に手をのばす!
ケンシロウの名をかたる鉄仮面の男が現れ、数々の町で暴虐のかぎりをつくしていた。その男こそ、かつてアイリをさらった犯人だった。ケンシロウの三人の義兄のひとり・ジャギだ。師父リュウケンは男児に恵まれず、四人の養子をとった。しかし北斗神拳は一子相伝、奥義を伝えられたのはケンシロウひとりだった。それを恨むジャギは、ケンシロウの名を汚し、おびき出そうと行動を起こしたのだ。バットとリンをレイに託し、ケンシロウは宿命の対決に向かう!!
ジャギの暴虐が続く町で、彼の部下が幼い兄弟に因縁をつける。病弱な兄マコをかばう弟アキの姿に、ジャギはかつてのケンシロウを重ね、悪魔の罠を思いつく。ケンシロウは砂漠で、足に重りをつながれ放置されていたアキを救う。アキを町まで連れ帰ったケンシロウを、マコがボウガンで狙う。ジャギに秘孔を突かれて操られているのだ。ケンシロウはあえてボウガンを撃たせ、ジャギの呪縛を解く。傷を負ったケンシロウに、すかさずジャギの部下たちが襲いくる!!
ケンシロウはジャギの根城の高層ビルへ向かう。その屋上ヘリポートで対峙する二人。かつてジャギは、北斗神拳の伝承者争いに敗れてケンシロウを襲った。顔の傷はその戦いでついたものだったが、勝ったケンシロウはとどめをさせなかった。ジャギは敗れたことを認めず、シンをそそのかしてケンシロウからユリアを奪わせたのだ。それを知ったケンシロウの怒りの拳が、シンの、ユリアの、マコとアキ兄弟の分を重ねて、卑劣なジャギに炸裂する!!
死ぬ間際のジャギから二人の義兄が生きていることを知らされ、旅を続けるケンシロウ。立ち寄ったある町で『奇跡の村』の噂を聞く。その村にはトキと名乗る救世主が降り立ち、触れるだけですべての病人を治したという。だが、トキは一夜にして冷酷な殺人鬼に変身し、村人のほとんどを人体実験で殺し、生き残った者を特殊能力を持つケモノに変えてしまった。優しかったトキの変貌が信じられず、村へと向かうケンシロウの前に、三匹のケモノが立ちはだかる!!
リンをおそった不吉な予感。ケンシロウを心配するあまり、ひとり荒野へ旅立ったリンをバット、レイ、マミヤが追う。トキは新しい秘孔を探すため『木人形(デク)』を欲していた。失敗すれば身体が破壊される人体実験の素材は、いくらでも必要だったのだ。ケンシロウはゴビアの町で、トキの部下ハブとゴウム率いる木人形狩り部隊と遭遇していた。彼らはトキによって秘孔を突かれ、常人の数倍の能力を得て非道を行っていた。ケンシロウの怒りの拳が炸裂する!!
リンは砂漠でユウ少年に助けられ、その一家と共に旅していた。熱病にかかったユウを、噂で聞いた『奇跡の村』へ運ぶ両親とリン。トキはユウの治療の報酬として、父親に死の人体実験を強要する。間一髪、ケンシロウが現れてユウ親子を救う。トキはケンシロウに自らの変貌の理由を語る。彼はせっかく治療した村人を盗賊団に殺され、怒りのあまり盗賊団を皆殺しにした。その時、北斗神拳の本質が殺人拳であり、継承者の使命は秘孔を究極まで追求することだと悟ったというのだ!
『奇跡の村』にたどりつくレイたち三人。宮殿の中では、ユウの父親を殺したトキが、子供時代のケンシロウをかばってついた背中の傷を見せるが、ケンシロウの非情の拳は止まらなかった。恐れをなしたトキはユウの母親を楯に攻撃、ケンシロウの秘孔を突いて動きを封じる。宮殿前に現れたトキ親衛隊のなかに、かつて南斗聖拳をともに学んだ男ネバダがいたことから、レイはトキの正体がアミバだと知る。アミバは自らの顔を変え、背中に偽の傷までつけてトキになりすましていたのだ!!
奇跡の村で起こった悲劇は本当であり、トキは行方不明となっていた。じつは本来なら、心技体どれをとっても非のうちどころのないトキが、北斗神拳の伝承者となっていたはずだった。しかし核戦争の際、故障したシェルターの扉を閉めるため、トキはひとり外に残り死の灰を浴びてしまったのだ。トキの手がかりを探すマミヤは、たどりついた占い師の老婆から居所を教えられる。だが、トキのことを探る者を殺せとの命を受けたザコルたちが襲ってきた!!
トキは奇跡の村から連れ去られ、『鬼の哭(な)く街』カサンドラに捕らわれていた。そこは世紀末の世を支配しようとしている謎の男・拳王が、拳法狩りをするために作らせた巨大な監獄だった。ケンシロウたちの接近を知ったカサンドラの支配者・獄長ウイグルは、女が殺せないというケンシロウの弱点をつくため、女拳法家・蘭山紅拳の継承者・ベラをさしむける。父の遺言により女を捨てて継承者となったベラは、人質に取られている母親のため、心ならずもケンシロウに戦いを挑む!!
カサンドラに着いたケンシロウたちの前に、双子の門番ライガとフウガが立ちはだかった。彼らの二神風雷拳は、二人の間に挟んだ者を一瞬にして殺す技だ! しかし、ケンシロウは二人の拳に敵意よりも哀しみを感じ取る。本心では無益な人殺しをしたくないライガとフウガだったが、弟を人質に取られてやむなく戦っていたのだ。二人は瞬時の戦いで心まで見抜いたケンシロウを救世主と信じ、戦いを放棄する。だが、城壁のうえには人質となった弟の姿が!!
トキはケンシロウのカサンドラ到着を察知する。そのケンシロウたちの前にウイグル獄長が現れ、高速で二本の鞭を操る泰山流双条鞭で攻撃を仕掛けてきた。鞭を結び合わせて撃破するケンシロウ。怒ったウイグル獄長は、今度は何本もの鞭を操る泰山流千条鞭でケンシロウの動きを封じると、蒙古覇極道によって全身を一弾と化し、すべてのパワーを込めて体当たりした! 吹き飛ばされ、血へどを吐いて失神するケンシロウ!! 救世主伝説はここで途絶えてしまうのか!?
村に残ったリンは、ケンシロウの無事を祈って花畑を育てていた。彼女はバットと二人で、ケンシロウとの旅を回想する。ユリアを奪ったシンとの決着。マミヤ、レイとともに牙一族を壊滅させ、レイの妹アイリを救出したケンシロウは、北斗神拳宿命の戦いに向かった。ケンシロウの名をかたった義兄ジャギは、拳王の名を叫んで死んだ。そして次兄トキを求めカサンドラに到着し、ウイグル獄長を倒したのだ。だが、カサンドラ解放の喜びに沸く人々の前に、拳王親衛隊が現れた!!
拳王親衛隊の姿に、人々は再び絶望に沈んでゆく。しかし、ケンシロウの一喝に自らを取り戻し、親衛隊との戦いに身を投じる。トキの獄舎への道を閉ざそうとする親衛隊のザルカとカシム。彼らには拳王からトキ抹殺の命令がくだっていた! 後を追うライガとフウガの前に、拳王に忠誠を誓った風雷拳の師であるソウジンが立ちはだかる。壮絶な師弟対決の結末は? ケンシロウたちはトキを救い出すことができるのか!?
ケンシロウたちはザルカとカシムを倒し、監獄塔最上階のトキのもとへ到達した。病に冒され、旅することがかなわぬトキは、あえて囚われの身となってケンシロウを待っていたのだった。だが、監獄塔が突如として崩壊を始める! トキとケンシロウの出会いを阻止するための最終手段が発動したのだ。さらにケンシロウたちの行く手に拳王決死隊が立ちはだかる。出口を死守せんとするライガとフウガには、決死隊隊長ブルグの刃が迫る!!
拳王とは北斗の長兄ラオウだった。かつてラオウは、北斗神拳をおのれのために使って『天』を目指すと宣言したのだ。ケンシロウはトキをマミヤに託して食料と車を調達しに行くが、たどりついた村はすでに拳王侵攻隊に襲われて全滅していた。侵攻隊がアイリたちのいる村に向かったことを知り、ひとり先に行くレイ。その頃トキは、自分だけでなくマミヤにも、見た者の死を予告する『死兆星』が見えると知って驚愕していた!!
拳王侵攻隊がリンたちのいる村を襲った。反抗する村人を惨殺し、村に火を放つ侵攻隊。ボウガンで撃たれたバットは傷つきながらも村を脱出、ケンシロウに危機を知らせようとする。一人で村へと急ぐレイは、傷ついたバットと出会って村の窮状を知らされる。その頃、降伏した村人たちは侵攻隊隊長に迫られ、拳王への忠誠の誓いとして紋章の焼き印を自らに押していた。しかしアイリをかくまって捕まったリンは、決然と焼き印を拒否する!!
リンを救い、拳王侵攻隊を倒してゆくレイ。侵攻隊隊長はレイの弱点であるアイリを探すよう命令する。一方、徒歩で村へと向かうケンシロウ、トキ、マミヤの三人は、道沿いの小さな店で休もうとするが、店番の老婆や客の老人たちに変装した拳王特殊部隊の攻撃を受ける。さらに拳王の本隊が村へと向かっているのを知り、ケンシロウ一人が先に村へと急ぐことになった。村では、隠れていたアイリが自ら侵攻隊の前に進み出ていた!!
戦う意志を持ったアイリに安心し、侵攻隊隊長を倒したレイ。だが、拳王自らが村に乗りこんでくる。その姿を見たとたん、リンは震えが止まらなくなる。必死で戦いを止めるリンの声をふりきり、ラオウに挑むレイ。アイリを救出し、自分に人間の心を取り戻させてくれたケンシロウたちの恩に報いるため、ラオウを倒そうというのだ。ラオウが身にまとう闘気に恐るべき力を感じ取ったレイは、命をかけて南斗究極奥義・断己相殺拳を繰り出す!!
レイは南斗究極奥義を見切ったラオウに倒された。到着したケンシロウの闘気を見て、ラオウも馬上のまま勝負に出る。だが、死んだかに見えたレイが意識を取り戻し、二人の勝負を止める。レイはラオウに秘孔を突かれ、あと三日間の命と宣告される。そこにトキが現れるが、彼もまたケンシロウはまだラオウに勝てないと言う。ラオウは、自身の拳に唯一対抗できるトキの拳がケンシロウに伝授されるのを恐れ、その前にかたをつけようとしていたのだった!
ケンシロウは、病死とされた師父リュウケンが、実はラオウに抹殺されていたことを知る。ラオウの北斗神拳を封じようとして果たせず、力尽きてしまったのだ。トキはケンシロウの秘孔を突いて動きを止め、死を覚悟してラオウとの戦いに臨む。ラオウの闘気を受け流し、呑み込もうとするトキ! ラオウは戦法を変え、トキの足と自分の足を重ねて貫き地面に固定、持久戦でトキが弱るのを待つ。トキの窮地を救うため、ボウガンを撃つマミヤ。だがラオウの二指真空把で、矢はマミヤにはね返ってきた!!
ケンシロウとラオウの対決は壮絶な相討ちとなり、落胆した部下たちは逃げ出してしまう。トキの制止により両者は拳をひき、ラオウは愛馬・黒王号とともに去っていった。ラオウに秘孔を突かれて余命三日となったレイは、徐々に体が崩壊を始めて苦しみだす。マミヤはレイの苦痛を和らげる薬を求め、薬の街メディスンシティーへ向かった。しかし、そこはラオウのためだけに薬を作っている呪われた地であり、犬を至上の友とするガルフが恐怖を武器に支配していた!!
メディスンシティーで薬を探していたマミヤは、襲ってきた犬を倒したため、狗法眼(くほうがん)ガルフに処刑されようとしていた。危機一髪、後を追ってきたケンシロウとレイに助けられたマミヤは薬倉庫に向かうが、硫酸入りの玉を武器とするゾリゲが立ちはだかる。一方ケンシロウは、凶暴な犬たちをひとにらみで退散させ、ガルフと対峙した。ガルフは巨大な首輪状の鋼鉄製リングを武器にケンシロウに迫る!!
マミヤの肩に印されたUD(ユダ)の紋章! マミヤには、ユダにかしずく美女のひとりとして目をつけられ、両親を殺されたうえに誘拐されたという消せない過去があったのだ。彼女はその日以来女であることを捨て、戦いの日々を過ごしてきたのだった。マミヤの心の傷を消すため、レイは同じ南斗六聖拳のひとりであるユダを倒すことを決意する。彼は残り二日となった命をかけて、ケンシロウとともにユダの街へと旅立つ!!
たどりついたユダの部屋で待っていたのは、副官のダガールだった。すでにユダは女たちを連れてブルダンの街へ移ったという。ダガールを倒し、ユダを追うケンシロウとレイは、ノバをリーダーとする若者たちと出会う。彼らは、ユダの人狩り部隊にさらわれた恋人や姉妹を取り戻そうと、ブルダンの街へ向かおうとしていた。ケンシロウとレイの協力を得て、ユダの宮殿に乗りこんだ彼らの前に、女たちを人質にする幹部のゴーレムと部下たちが現れた!!
ブルダンの街へ移ったというのはユダの計略であり、じつは元の街に潜んでいた。ユダは妖星・裏切りの星を持つ男だった。ケンシロウとレイは村へと戻るが、あと一日の命となったレイは、ユダを倒せぬまま死んでいく無念を叫ぶ。トキはレイに、マミヤから託された毒薬を飲んで楽に死ぬか、ラオウに突かれた秘孔に対抗する秘孔を突くことにより、いましばらく命を長らえるかを選べと言う。迷うことなく後者を選び、トキに秘孔を突かれたレイを、凄まじい激痛が襲った!!
義のために生きようとする執念がラオウの拳の威力を上回り、レイはよみがえった。レイ復活の情報を得たユダは、自らレイにとどめをさそうと村に入り、マミヤを捕らえた。修行時代、一瞬とはいえレイの動きに魂を奪われ、生まれて初めて他人を美しいと思ってしまった若き日のユダは、それを屈辱と感じて、レイへの復讐の機会を待っていたのだった。そして今、レイの南斗水鳥拳とユダの南斗紅鶴拳が激突する!!
マミヤへの愛が支えとなり、格段に切れ味が鋭くなったレイの技にユダはついていけない。だが、ユダはあらかじめダムを爆破決壊させるよう部下に命じていた。水が流れこんだ村の土地は流砂となり、南斗水鳥拳の真髄である足の動きを封じてしまう。身動きのとれないレイを、ユダの南斗紅鶴拳奥義・伝衝裂波が切り刻む! ケンシロウは巨大な岩盤を切り取ると、それを栓にして決壊部分をふさぐ。水の流れが止まった。レイの最後の技、南斗水鳥拳奥義・飛翔白麗が華麗に舞う!!
ユダとの決着をつけたレイに最期の時がきた。レイはケンシロウやアイリたち、そしてマミヤに別れを告げ、部屋の中で独り生涯を回想するのだった。飢えた狼のような心で生きてきた自分が、ケンシロウたちやマミヤに出会うことによって人間の心を取り戻し、妹アイリを救出できたこと。ラオウによって後三日の命とされた自分に、ユダを倒しマミヤの心の傷を消すという最後の目的ができたこと…成すべきことを全て成し遂げたレイの口元には、満足げな微笑みが浮かんでいた…。
レイの最期を見届け再び旅に出るケンシロウが辿り着いたのは南斗六聖拳の一人サウザーの支配する街だった。新たな敵との闘いを予感するケンシロウ。南斗六聖拳は残り三星…。
南斗六聖拳の一人盲目のシュウ。ケンシロウは彼との闘いの中で、シュウの拳に殺気が無いことに気付く。彼はケンシロウがサウザーを倒す事ができる者か試していたのだ。シュウは敵なのか味方なのか!?
聖帝十字陵建設のためサウザーの部隊は子供をさらって働かせていた。子供たちの居場所を探るためリンとバットがオトリになりサウザーに捕まる。そして、シュウの言った一言がケンシロウに過去を思い出させる…。
聖帝正規軍ガルザスの部隊によってレジスタンスの青年ジェイが襲われ、そして彼の婚約者が隠れている村も襲われた。駆けつけたケンシロウを待っていたのは湖の中の刺客。北斗神拳が水中で炸裂する!
ケンシロウは南斗双斬拳の使い手ベジとギジの秘孔を突く。その後遂にサウザーと向き合うケンシロウ。極星十字拳を繰り出すサウザーにケンシロウは必殺の秘孔・人中極を突く!
サウザーの攻撃力に圧倒され、必殺の秘孔・人中極を突くも全く歯が立たないケンシロウ。サウザーに敗れたケンシロウは聖帝十字陵の人柱として、幽閉されてしまった。それを聞いたシュウの息子シバが聖帝部隊の前に…。
ケンシロウからシバが自分を助ける為に死んだことを聞き、悲しみの中にも息子を誇りに思うシュウ。そして、ケンシロウに眠り薬を飲ませると、自分亡き後の子供達の未来を託し、サウザーに挑む!
シュウの魂の叫びが、深く傷ついたケンシロウを呼び覚まし、ケンシロウはシュウを救いに十字陵に向かう。同じ頃、トキ、そしてまだ傷の癒えていないラオウが、サウザーの聖帝十字陵を目指していた。
聖帝十字陵に着いたケンシロウ。時同じくしてラオウ、トキも姿を現した。死の階段を上りきったシュウにサウザーのとどめの槍が刺さる…その時シュウの身に奇跡が!
ケンシロウとサウザーが向かい合う。サウザーの最初の一撃にケンシロウはシュウの死に報いるためシュウの技で応えた。サウザーの拳がケンシロウを撃つ。しかし次の瞬間サウザーの額も割れ激しく出血する!
サウザーは帝王の誇りを賭けた不敗の拳「天翔十字凰」ケンシロウは北斗神拳秘奥義「天破の構え」で対抗する。南斗と北斗、二人の奥義のを尽くした戦いが始まった!鳳凰のごとく舞い上がったサウザーの拳がケンを切り裂く。
ラオウの身体に闘気がみなぎり、鋭い眼光が戻ってきた。その頃、拳法家としての血が騒いだトキは、ラオウと戦い、その拳を封じる決心をする。そして先代リュウケンと後継者争いをしたコウリュウもトキと同じ決心をする。
傷の具合を計るためラオウが選んだ相手はコウリュウ。コウリュウは相討ちを狙い七星抹殺を放った。その頃トキはラオウの完全復活が近いことを知る。そして、トキにはラオウを倒さねばならない理由があった。
過去と現在が交錯する中、戦うトキとラオウ。ラオウの無想陰殺による無意識無想の蹴りがトキの胸に決まる。そしてとどめの手刀をトキが剛拳で受け止めた時、ラオウの頭上にも死兆星が輝いた。両者は今、互角になった!!
宿命の幕を閉じるトキとラオウ。ラオウの闘勁呼法によって全闘力を拳に集約させたトキ。トキの蹴りにラオウの身体が宙を舞った。勝機と見たトキは天翔百裂拳を激しく叩き込む。しかし、トキの剛の拳はラオウには効かなかった!
かつては拳王が支配していた村も、今は無法者が支配する村になっていた。その村でケンシロウは何者にも与しない孤独の星の男リュウガと出会う。リュウガは無法者たちに向けて泰山天狼拳を放つ!
南斗六星からもはぐれ、北斗にも与しない孤独な星、天狼星。その天狼星の男リュウガは混乱をおさめるのは先ず恐怖と感じ、拳王ラオウに忠誠を誓った。そしてケンシロウとの戦いを決意。ラオウにその意思を伝える。
サバト一味に支配された村を訪れたケンシロウは、大食い男サバトの秘孔を突いて撃破。明るさの戻った村を後にしたケンシロウの前にリュウガが現われる。しかしリュウガの瞳の輝きを見たケンシロウは戦いを避ける…。
リュウガが制圧した村に現われたケンシロウにガロウの刃が襲いかかる。そこでケンシロウはリュウガがトキの住む村に行ったことを知った。ケンシロウを悲しみの淵に落とすために、死期の迫ったトキにリュウガの拳が迫る!!
連れ去られたトキを追って、リュウガの城に乗り込んだケンシロウ。トキの死を知らされたケンシロウの怒りが爆発する!!しかしケンシロウは、天狼の星の男・リュウガもまた真の平和を求め、宿命に殉じた一人だという事を知る。
ケンシロウを宿命の旅に旅立たせた男。戦いを繰り返し領土を広げ、それによって得た全てをユリアに捧げ、自らをKINGと名乗ったシン。ケンシロウはそういう形でしか愛を表現できなかったシンとの戦いを振り返る。
優雅にして華麗、しかし残虐無情の必殺拳「南斗水鳥拳」の使い手レイ。人のために生きる義星の男・レイは、ケンシロウに報いるためにラオウと激しく戦う。ケンシロウがこの乱世において、初めて友と呼べた男・レイを振り返る。
この世で自分こそが一番美しいと思っていた、赤く輝く妖星の男ユダ。しかし、修行時代に見たレイの南斗聖拳「飛燕流舞」の美しさに心奪われた自分を許せない。ケンシロウは、命を駆けて戦ったレイとユダを思い出す。
少年だったケンシロウの命と引換えに自らの光を断った南斗白鷺拳のシュウ。その時、シュウは未来の希望に生きる仁の星の宿命に目ざめた。そして死の階段を上りきったシュウの壮絶な死をケンシロウは振り返っていた。
南斗聖拳に崩壊をもたらしたユダ。そのユダを陰で操り真に南斗聖拳を崩壊させたのが拳王でさえ戦いを避けた将星の男・サウザー。ケンシロウはサウザーとの秘奥義を尽くした戦いを弔いの炎の中に見ていた。
各地に軍隊を進め、着実に領土をひろげる拳王。一方、弔いの炎が消え、再び宿命の旅に出たケンシロウたちが訪れた村は水が豊富な村だった。しかし、その貴重な水を拳王の部下、転界無王拳のブーガルが独占してしまった。
拳王の配下、ダビデによって作られた殺人マシーン・グレンと戦うケンシロウ。ダビデの呪縛を離れて生まれ変わったグレンにダビデの部隊が矢を放つ!!一人の男の運命をねじ曲げるダビデにケンシロウの怒りは爆発する!
拳王をおびき出すため各地で拳王侵攻隊を撃破する風の旅団。そして拳王の本隊が動き出した。ラオウの前に現われたヒューイの勤めはラオウの力を見極める事。ラオウは「五車風裂拳」を繰り出すヒューイに強烈な一撃を放った!
人の命より車を大事にする拳王先遣隊隊長モーガン。気ままに車を乗り回し、村人をひき殺すなどその暴走ぶりにケンシロウの怒りは爆発。そんなモーガンにとどめを刺したのはバットだった。
拳王の本隊と向かい合ったシュレンの部隊。シュレンの怒りの炎が拳王の本隊を襲い「五車炎情拳」がラオウに放たれた。その頃ケンシロウたちは拳王の手先に追われていた大男を救う。しかしその男の左腕には五つの星があった。
ケンシロウたちのあとをついてくる謎の大男フドウ。そんな時ケンシロウがコグレ一味と戦い、撃破したとき残党が陰からケンシロウを狙う。フドウは五車星の証である「五車山峨斬」でその一人を真っ二つにした。
拳王の名をかたる野盗一味に「交首破顔拳」「岩山両斬波」を決めたケンシロウ。そのケンシロウにフドウが説く。小悪党がはびこる乱世をおさめるために最後の将に会わねばならない、と。その頃ジュウザのもとにリハクの使者が現われた。
ケンシロウの前に現われた拳王配下の長槍騎兵隊。ケンシロウは隊長ヤコブの秘孔を突いた。その頃リハクの頼みを拒んでいたジュウザの城に盗賊ゲルガが女を取り返しにきた。ゲルガの拳にジュウザは我流の拳で応戦する!
拳王の手先ドルフィの村に連行されたケンシロウたち。その村で老人の死を目にしたケンシロウの怒りが爆発。しかし襲い掛かってきたドルフィの「泰山黒影拳」には裏技があった。その頃ジュウザは南斗最後の将の素顔を見ていた。
橋の検問所で、バルダの部隊にケンシロウが「北斗円環斬襲脚」を決めていた頃、進軍を続けるラオウの本隊の前にジュウザの部隊が立ちはだかった。向かい合うラオウとジュウザ。ジュウザの最初の一撃がラオウの兜を粉々にする。
南斗の都を目指すケンシロウたちの前に拳王刺客隊のジェニモが現れた。ジェニモの二刀流をかわしケンシロウは拳を叩き込む!その頃ジュウザと拳王が攻防を繰り返す中、一瞬の隙をついてジュウザが拳王の黒王号を奪う。
黒王号を奪われて足を止められたラオウは、ケンシロウの足も止めるため、ザクの部隊をケンシロウのもとに送り込んだ。ザクの部隊を怪力で退けたフドウだが、フドウが養っていた子供たちが蛇咬帯の使い手・ヒルカに連れ去られた!
子供たちを救い出すために底なしの流砂地に飛び込んだフドウ。ケンシロウは南斗最後の将と会うよりもフドウの救出に走った。左腕一本でフドウの巨体を引っ張り上げたケンシロウに、冷酷非情な男ヒルカの蛇咬帯が巻きついた!
最後の将のため再び拳王と戦うジュウザは最初の一撃にかけた。ラオウの拳をかいくぐり、懐に飛び込んで「撃壁背水掌」を放つ!しかしラオウはジュウザの秘孔・鏡明を突いていた。その頃ケンシロウは最後の将の正体を知った。
最後の将が誰かを知ったケンシロウは、立ちはだかる拳王の部隊を蹴散らして走る。最後の力を振り絞って戦い、死しても戦う雲のジュウザにラオウは最後の将の正体を悟る。世紀末救世主と世紀末覇者が最後の将を目指す…!
北斗神拳2000年の歴史を打ち破った男、ラオウ。ラオウとケンシロウの争いは、継承者がケンシロウに決まった日から始まった。最後の将の城で、海のリハクが娘のトウにケンシロウとラオウ、そして北斗神拳の歴史を語る…。
世紀末、覇者の鍵を握る南斗最後の将、ユリア。先に城に入ったのはラオウ。ユリアを目指すケンシロウの前に拳王影部隊が立ちはだかっていた。黒王号とともに群がる南斗の兵を蹴散らし、ラオウは遂にユリアの前に立った。
ラオウを倒さねばユリアの命はないと感じたケンシロウは、ユリアとの再会を前にラオウのもとへ走った。リハクとラオウの戦いに割って入ったケンシロウはラオウと向き合う。ケンシロウは最初の一撃でラオウを吹き飛ばす…!
ケンシロウの北斗神拳究極奥義「無想転生」を前に足が震え恐怖を感じるラオウ。ラオウが放つ「天将奔烈」にも後退しないケンシロウ。ケンシロウの一撃がラオウの顔に傷をつけた。死を覚悟したラオウはケンシロウとの相討ちを狙う。
目に傷を負い、光を失ったケンシロウは拳王を追って荒野に出た。荒野で遭遇した拳王部隊をケンシロウはシュウの技「烈脚空舞」で撃破する。一方ケンシロウとの戦いで感じた恐怖を克服するため、ラオウはフドウの前に現れた…。
かつて鬼と呼ばれたフドウ。そしてそのフドウに恐怖を感じた若き日のラオウ。子供たちを守るため、善人のフドウは鬼のフドウとなってラオウの前に立った。その頃ケンシロウはラオウがフドウの村に行った事を知るのだが…。
激しく戦うラオウとフドウ。しかし戦いは終止ラオウが優勢。とどめの肘がフドウの背中に炸裂した。その時ラオウはフドウと子供達の哀しみに満ちた瞳に、ケンシロウの姿をみた。その瞳に恐怖が蘇ったラオウは思わず退いていた。
南斗慈母星のユリアを守るためラオウの前に散っていった五車星の男たち。ヒューイ、シュレン、ジュウザ、フドウの姿を弔いの炎の中に見る五車星最後の男、海のリハク。そしてケンシロウは彼らの魂を無駄にしないと誓う。
拳王敗れるの報を受けた拳王部隊に混乱が生じ、ラオウの野望が足下から崩れだした。ラオウはケンシロウとフドウとの戦いで自分に無いものとは「哀しみ」だと悟る。そしてその「哀しみ」はユリアを失うことで得られると思うのだった。
北斗2000年の歴史の中で最も神聖な修行の場、北斗練気闘座で向かい合うケンシロウとラオウ。哀しみを背負った者のみが体得できる無想転生のケンシロウ。そして愛する者を涙してまで手にかけたラオウも無想転生を身にまとっていた。
激しい闘気を放つラオウ。その闘気の中に入ったケンシロウは、次の一撃がお互いの最後の一撃になるとラオウに告げる。生涯の全てをこめて拳を繰り出すラオウ。しかしケンシロウの拳がラオウの手を貫きその胸を激しく叩いた!!
北斗練気闘座ではじめて出会ったケンシロウとユリア。そして北斗神拳の後継者になったケンシロウが、目の前から消えたユリアを再びとり戻すまでの長い宿命の旅。哀しみを背負うたびに強さを増していったケンシロウの足跡を辿る…。