WEDDING / FEATURE

神前式の準備に密着!和装へのこだわりと式に込めた“感謝”の想いとは?【稲垣啓太・稲垣貴子のウエディング日記 vol.1】

稲垣啓太・稲垣貴子ご夫妻の結婚式&披露宴の準備にVOGUE JAPANが独占密着。第一弾は、明治神宮で執り行われた神前式で2人がまとった和装の選定の様子をお届け。今回の結婚式に込められた想いについても語ってくれた。

伝統と歴史を重んじた神前式で選んだのは、白無垢

2024年6月15日、稲垣啓太稲垣貴子ご夫妻が明治神宮で神前式を挙げた。2022年1月11日に結婚を発表して以来、啓太さんはW杯出場や50キャップ(代表戦出場数)を達成、貴子さんは数々のランウェイショーを歩きブランドのアンバサダーを務めるなど、それぞれのフィールドでさらなる活躍を遂げている2人。互いに切磋琢磨しながら支え合う姿は、年月を重ねるごとに柔らかな輝きを増している。

稲垣ご夫妻が結婚式を挙げることを考え始めたのは、約1年ほど前のことだという。きっかけはお世話になった方々への”感謝”の気持ちだった。「結婚の報告をした際に数多くの方々からお祝いのメッセージを頂き、自分たちが本当にたくさんの方々に支えられているということを改めて実感しました。その感謝の思いをしっかりと皆さまに伝える場として、結婚式を挙げることになりました。2023年は夫がW杯出場という大切な年だったので、それを終えてからということで、約1年ほど前から2人で思い描いていました」(貴子さん)。

明治神宮で神前式を執り行うことは、ごく自然な流れで決まったという。「どのように、どこで、とふたりで話し合った時に自分たちは日本で生まれ育ち、日本人として大切にしなきゃいけない文化や歴史のことをまず考えました。我々が古来から受け継がれる伝統的な式をあげることに意味があるんじゃないかと思ったのが、神前式をあげようと思ったきっかけです」(貴子さん)。

白無垢から髪型まで、和装選びのすべてを啓太さんとともに行った。

貴子さんが神前式でまとったのは、最も格式高い日本古来の花嫁衣裳である白無垢だ。白無垢と一口に言っても、その質感や光沢、色合いはさまざま。さらに幾人もの匠の手により歳月をかけて織られた伝統の文様一つ一つすべてに大切な意味が込められているなど、実に奥が深い。

「どれも新品かのように美しく保管されている中から、4着ほど気になるものを絞り込んで羽織らせていただきました。光沢感や微妙な色の差異で顔の見え方もまったく違って見えるということが、とても興味深かったですね。普段ファッションのお仕事をさせていただいているのですが、こんなにも奥深い和の世界があるということに改めて感銘を受けました」(貴子さん)。

夫の啓太さんと二人で意見が一致したのが、背面に鳳凰の紋様が織り込まれている一着だった。

「僕としては、もうすべて似合うと思ってしまいました。色んなものを着てほしくなるので、これはどう、これもどうって勧めて(笑)。それが楽しかったですね。最終的に、同じタイミングで『これじゃない?』となったのが、今回選んだ白無垢でした。二人でそういう時間を共有できるというのも、結婚式までの楽しみ方の一つなのだと思います。」(啓太さん)。

披露宴で着用した黒い色打掛。

啓太さんの和装のこだわりは、紋付の家紋だ。「僕の場合は日本の伝統的なスタイルを大切にしたいということで、色は黒と決めていました。サイズの関係もあり、あまり選択肢がなかったのですぐに決まりました。唯一こだわったのは、紋付の家紋。代々伝わる家紋の石を持参して、入れていただきました」(啓太さん)。

披露宴のタキシードとドレスは当日までサプライズにする代わりに、会場や招待状などのしつらえ、和装に関しては二人で話し合いながら決めたという。

「全部当日までサプライズにするというカップルも多いと思います。ですが今回は来てくださる方のための式という思いが強かったので、和装に関してはチームワークのような感じで互いに相談して擦り合わせながら進めました。その代わり洋装に関しては、お互いにサプライズにすることにしたんです」(貴子さん)。

「大前提として今回の式は、お世話になっている方々に感謝の気持ちを伝えるための場所。そのためにしっかりと準備をしていく部分と、自分たちのために考える部分と、そのバランスを上手に取っていこうということを、ずっと2人で話していました」(啓太さん)。

互いに納得し、協力し合いながら準備を進めたという今回の神前式。穏やかでありながら凛とした佇まいを見せる2人らしい、心に残る時間となった。

Text: Airi Nakano Editor: Kyoko Osawa