島根県・奥出雲地方。森にある自然の素材のみを使い、人の力によって70時間かけて鉄を生み出す日本古来の製鉄法「たたら」を、現代も続けている世界で唯一の場所だ。
江戸時代の最盛期には、奥出雲を中心とした中国山地で、日本の鉄の8割以上を生産していたともいわれ、全国に鉄を供給していた「鉄の聖地」でもあった。
特に日本刀の原料である最上級の鋼「玉鋼(たまはがね)」は、「たたら」でしか生み出すことができないため、現在は、玉鋼の供給と伝統技術の継承を目的に、毎年冬の期間だけ、職人たちが操業を続けている。
そんな奥出雲へ、俳優・岡田准一さんが「たたら」を知る旅に出る。映画などで殺陣やアクション作りにいかすために、武術や格闘技を習っており、日本刀にも興味を持つ岡田さん。「『たたら製鉄』をこの目で見てみたい」と熱望していたが、今回、通常非公開とされる操業中の現場への立ち入りを許され、取材を敢行。
また、岡田さんは奥出雲の歴史や文化にも触れ、「たたら」と共に歩んできた町の秘密を知る。
出雲神話・ヤマタノオロチ伝説とのつながり。砂鉄と木炭を得るために森林を伐採した跡地を、棚田として再生させるサステナブルな取り組み。そして、「たたら」から自動車産業など近代日本のものづくりに繋がるストーリーにも迫ってゆく。1000年の時を越える「たたら」の営みが、現代の私たちに問いかけるメッセージとは―。
プロデューサー | 保津章二(TBS) | |
山本泰久(BSS) | ||
ディレクター | 八幡真和(BSS) |