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Symposium22

2023, Japanese Journal of Physical Fitness and Sports Medicine

体力科学 第 72 巻 第 1 号 96-101(2023) 【シンポジウム 22 】 COVID-19パンデミックの身体活動・運動への影響 町 田 征 己 1, 2,小 熊 祐 子 3 (1 東京医科大学公衆衛生学分野,2 東京医科大学病院感染制御部,3 慶應義塾大学スポーツ医学研究センター) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミッ 各省庁やスポーツ団体などが作成・公表している運動場 クは身体活動・運動の実施にも大きな影響を及ぼしてい 面毎のガイドラインやマニュアルを参考にすることが求 る.緊急事態宣言や在宅勤務の推奨などの感染拡大防止 められる.さらに,運動施設やスポーツイベントなどの 策は,身体活動・運動の機会を減らすこととなり,メン 個別の感染症クラスター発生事例からの教訓などを踏ま タルヘルスの悪化など様々な健康問題を引き起こした. えることも効果的な対策を検討する上では重要である. また,パンデミックの長期化に伴い,身体活動量・運動 本シンポジウムでは,COVID-19 パンデミック下で市 量の減少が生活習慣病などの非感染性疾患に与える影響 民の身体活動の実施状況がどのように変化したのか,身 が懸念されると共に,最近では COVID-19 の重症化リス 体不活動と COVID-19重症化リスクの関係については現 クとしても身体不活動が注目されている.このような背 在のところどのような知見があるのか,スポーツイベン 景の下,パンデミック下においてどのように身体活動・ ト・運動施設・学校体育/運動部活動においてどのよう 運動を継続するのかは喫緊の問題となっているが,その な感染症対策が考えられるのか,という点について各領 知見は少なく現場では手探りの状況となっていることが 域の専門家を交えて議論を行った. 多い.身体活動・運動中の感染症対策を検討する上では,