『スルミ presents トップジャム』は、ビジネスのトップリーダーをゲストに迎え、素顔に迫る番組です。
年内最後の放送となる今回のゲストは、映像ディレクターで、株式会社tonari(となり)代表取締役社長高橋弘樹さん。経済動画メディア「ReHacQ(リハック)」を中心に、様々なプラットフォームで動画コンテンツを制作されています。
テレビ東京在籍時に、番組をご一緒したこともあるという福田アナ。面と向かって話すのは実は今回が初めてだそう。さて、どんな話が飛び出すでしょうか。
福田:それではご紹介していきましょう。高橋さんは2005年、テレビ東京入社後、テレビでは「家、ついて行ってイイですか?」などを企画演出。この番組でギャラクシー賞、民放連賞(日本民間放送連盟賞)を受賞しました。インターネットでは、「日経テレ東大学」を企画制作統括した後、2023年3月に独立。経済動画メディアReHacQを立ち上げます。
石塚:去年、ReHacQを立ち上げられて、もう100万以上のフォロワーがいらっしゃるって見ましたが、どういうコンセプトでやられてるんですか?
高橋:ビジネス動画メディアってコンセプトで、ビジネスパーソンの方に何か楽しく社会のこととか経済のこととかを知ってもらうみたいな、うっすらそんな感じですね。
石塚:「NewsPicks」 みたいな感じですね。
高橋:NewsPicks がもうちょっと夕刊フジよりになった、みたいなそんな感じかな。
石塚:どうしてそういう動画メディアを立ち上げようと思われたんですか?
高橋:やっぱり経済ニュースとか社会のことを知りたいと思う人に届けたい、っていうのももちろんんだけど、普段そういうのに親しまない人にも見てもらいたいなと思ったので、そこに挑戦したいなと思いました。
石塚:メディアの第一線にいらっしゃった方に伺いたいなと思ったのが、今は結構フェイクニュース、特にSNS発信でフェイクニュースがさも本物のように広まっていってしまって、逆にそれをテレビが取り上げてしまうとか、逆にテレビで取り上げられたものの字幕だけ変えてそれが本物かのようにSNSとかで流れていってしまうっていうような事態を、どう見受けられてますか?
高橋:フェイクニュースは基本的には問題ですよね。なので、テクノロジーでの解決が望まれるところだと思います。
あとは受け手側としてリテラシー持つしかないなっていうのもありますね。それで言うと、今に始まったことではなくて、かなり真偽不明なところを、「……ではないか?」とは書きつつも、それが真実のように伝わるってことは、紙媒体のときからあった気がしていて。常に受け手のリテラシーは上げなきゃいけなくて、もちろん作り手のリテラシーはもっと上げなきゃいけないとは思うので、日々切磋琢磨、作り手と受け手がお互いに協力しながらやっていきつつ、テクノロジーで解決できるところは解決してくっていうのがいいと思いますね。
石塚:逆にディープフェイクとかAIでできてしまう時代なんで、もうむしろ本物にしか見えないっていうことで、受け手側のリテラシーがどんなに高まっても、わかんないってなっちゃうと思うんですよね。特に兵庫県知事の騒動は、結局SNSに支えられて再選をされたじゃないですか。高橋さんはどう感じられてましたか。
高橋:SNS単体というよりも、SNSの盛り上がり方っていくつかあるんですけど、兵庫県知事選のSNSのなんか盛り上がり方って反作用だったと思っていて。反作用ってことが、作用があった気がしました。
作用の方は元々のテレビ報道だった気が、僕は見ててしましたね。テレビ報道に疑義が生じたので、SNSでの盛り上がり方も、それは違うんじゃないかみたいに大きくなっていっちゃったと。作用も反作用も強くなればなるほど、なんか怪しい情報が混じってきますね。どっちにしろ、発火点のところの怪しさを取り除く努力をしないといけないんですよね。
石塚:SNSとテレビだと、発言力があるのはどっちだと思われますか。
高橋:総体としてっていう意味で言うと、釣り合ってるかもしれないですね。だけど、発信者を解像度高く見ていくと、マスコミはもちろん強いですよね。SNSは1人1人の集合体なので、それぞれちっちゃい。ただプラットフォーム全体で見ると、SNSも大きくなってきたなと思います。
石塚:「PIVOT(ピポッド)」とかNewsPicks とか他のメディア、ネットメディアをどういうふうに見てるんですか。
高橋: PIVOTもReHacQもそこら辺はみんな手探りではあるのは間違いない。僕ら創業して2年経ってないですし、PIVOTも3年ぐらいじゃないすかね。かなり若いメディアなので、手探りですよね。
ただ、ちっちゃい会社ですから、二つとも手探りの中ですぐ方向を変えられたりするのは良さだし。反面やっぱり弱いですよね、記者クラブに入ってないですから。やっぱり取材対象へのアクセスってのは弱いですし。PIVOTもビジネスメディア界では存在感かなりありますけど、でもテレビに比べたら絶対出なきゃいけないってもんじゃないですからね。どうやってブッキング力をつけていくのかなっていうところが課題ですね。
石塚:今後、ReHacQはどういうものにしていこうみたいな展望はあるんですか。
高橋:テレビ東京を辞めたときに、やっぱりマスメディア作りたいみたいなことを言ってたんですよね。そのときにマスメディアを一応定義したのは、一定程度の時間帯、1個の番組に匹敵するところまでいけたら、マスメディアって言っていいかなと。
例えばニュースで言うとですね、「WBS(ワールドビジネスサテライト)」だと1時間の視聴率が1か1.5%ぐらいかな。だとすると、系列入れずにテレビ東京という企業単体で見ると、大体カバーしてるのが5000万弱ですね。1%っていうと50万ですか。つまり、積分の面積にして50万人が1時間見た、そういう発想です。つまり、YouTubeで50万人がアタマからケツまで見たというようなことができればなと。それは多分いろんな計算の仕方があるんですけど、積分という面積、ユニークユーザーベースの積分という面積でいうと、おそらくYouTubeで150万回再生ぐらいされると、テレビの視聴率1%くらい、キー局の視聴率1%くらいにあたるんですよね。
それをちゃんとコンスタントに打っていけるメディアになっていきたい、とそういう感じですかね。
石塚:テレビと比較してちゃんと視聴率まで考えてって、いうのがすごいですね。
高橋:なんか楽しそうじゃないですか。今までメディアって作れたけど、マスメディアって作れなかったじゃないですか。
僕がテレビマン育ちだからですけど、マスメディアってやっぱりね、やりがいあるんですよ。めちゃくちゃ難しいんですよ。20代の女性にターゲットを絞ったメディアだとやる企画とか見えやすいんだけど、やっぱ全世代にわかってもらうとかってとても難しい。ゲームクリアしがいがあるんですよね。
石塚:テレ東が例えばAという事実を言ってたとするじゃないですか。でも高橋さんはBという真実を見つけてきたとするじゃないですか。でもYouTubeで、そのBという真実を言ったとしても、テレ東がAって言ってんだったらAの方が正しいんじゃないのって世論は思っちゃうんじゃないかなって思うんですけど、その辺はどうですか。
高橋:その真実というのが難しいけど、真実が本当に物的証拠とかがある真実だったら、それがもう明るみに出たらどこでもちゃんと報道してくれると思う。難しいのは真実がわかんない場合がほとんどだからですね。そのときは見え方の説明になるので、その見え方の説明がどれだけ説得力を持ってるか。それは、マスメディアのほうがもちろん強いですよ。取材力もあるし、あとは信用力もありますからね。WEBメディアは弱っちい存在ですよね。そこはどこまでいってもそうですね。
福田:最後に、何かお知らせはありますか。
高橋:気になったら「ReHacQ」を登録してくれれば。それで嬉しいので。
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