中央区平尾の古民家で、18年にわたって営業している「食と酒 なかむた」。主人の中牟田太仁(たいじ)さんが作る丁寧な日本料理と厳選した日本酒のペアリングで、福岡の左党から一目置かれている存在だ。
基本的には夜のみの営業だが、この9月から週に2日月曜と火曜のみ寿司のランチを提供している。聞けば、実弟の寿司職人・幸仁(こうじ)さんが握る、期間限定の「間借り寿司」だという。こんな機会は滅多にないので、さっそく訪れることにした。
幸仁さんは高校の調理科を卒業後兄の後を追って和食の料理人を志し、25歳の時に寿司職人に転向。西中洲の老舗を経て、シーホーク・ヒルトンの寿司割烹「ともづな」の料理長を務めた実力者だ。現在は独立開業に向けて準備中で、新店舗が見つかるまでの間、兄・太仁さんの店を間借りしているというわけだ。
寿司ランチは握り10巻に玉子と手巻き、小鉢、デザート、味噌汁が付いて6,600円で、1日カウンター6席のみの完全予約制だ。
寿司営業の日に朝から柳橋で仕入れるというネタを使った握りのスタートは白身魚から。玄海産の天然真鯛は身が引き締まった食感で、同じ真鯛でも稚魚のカスゴは皮目を軽く炙って香りと甘み立たせている。それぞれのネタに対して適切な仕事を施すことで、持ち味を最大限に引き出すのが寿司職人の真骨頂だ。
シャリは佐賀県産ヒノヒカリに米酢と赤酢を合わせ、塩と砂糖で整えた若干甘めの味つけ。一貫ずつ手でつまんで一口で食べるのにちょうど良い大きさに握られている。写真は美しく光るコハダと程よく脂がのった中トロ。
最初から気になっていたのは、寿司を握る幸仁さんの背後で兄の太仁さんも何やら仕事をしている。そちらに目をやると、オーブンから取り出しのはフワッフワの厚焼き玉子だった。なんと寿司を握るタイミングを見計らいながら、終盤の口直しとして熱々の状態で提供されるのだ。ネタと向き合いながら集中して寿司を握る幸仁さんにとって、これ以上心強いサポートもないだろう。
握りが一通り終わった後は北海道産鮭の新鮮なスジコをバラして塩で洗い、軽く味付けをした手巻きでフィニッシュ。もう少し味わいたいという余韻を残しつつ、質・量ともにバランスに優れた寿司ランチであると感じられた。
寿司ランチは基本的に月・火曜日の提供だが、要望があれば5〜7名の貸切で夜の寿司コース(12,000円)の予約も可能。太仁さんが作る料理も加えた献立で、さらに本格的な兄弟によるコラボメニューをコースで堪能することができる。
間借り寿司としての営業は年内までの予定なので、この機会をぜひお見逃しなく!
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店舗名
食と酒 なかむた(店舗写真)
ジャンル
- 日本料理
- 日本酒
住所
福岡市中央区平尾1-12-3
電話番号
営業時間
寿司ランチ/毎週月・火曜の12:00〜14:00(要予約) 通常営業/18:00〜OS22:00
定休日
日曜
席数
- カウンター6席
- テーブル6席
個室
なし
メニュー
寿司ランチ6,600円、夜の寿司コース12,000円(貸切のみ)
喫煙について
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- ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
- ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
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