世界の商品販促・ブランディングに繋げるプロモーションアプリ11選
Case:World unique promotion app
世界各地のユニークなプロモーションアプリをまとめて紹介します。
アプリを使って新たな顧客接点を創出したり、商品の販促やブランディングに繋げるためのユニークなアプリ事例を集めました。
1.遅延が最も少ないエアラインが贈る“時間潰しアプリ”
2009年から2010年の2年間続けて、ヨーロッパに拠点を置く航空会社の中で最も『フライトの遅延が少なく、定刻フライトを実現した』航空会社、スカンジナビア航空が制作したプロモーション用iPhoneアプリ「The Time Killer」。
このアプリは、フライト時間厳守のスカンジナビア航空を利用しないで他のエアラインを利用する人は、遅延の待ち時間でイライラすることが頻繁にあるだろうと考えて、そういった方々が気楽に時間潰し(Time Killer)ができるように、と制作されたアプリです。
具体的なコンテンツは、気楽に楽しめるシンプルなゲームが4種類搭載されています。
1つ目が「Spin the hamster」、iPhoneを回転させて丸いカゴの中にいるハムスターを走らせます。2つ目が「Blow the propeller」、iPhoneに息を横から吹きかけて風車を回します。3つ目が「Hold that thought」、iPhoneのディスプレイに指をおき、何かを思いつくまでの時間を測定します。4つ目が「Follow the footsteps」、ディスプレイに映し出された、足跡を指でタッチしてなぞります。
それぞれのゲームは点数化され、ユーザー同士で競うことができるようになっています。
そしてプロモーション用の映像の最後には、『遅延する飛行機を待つ間このアプリを使って時間つぶしをするよりも、時間通りのフライトを望むのであれば、スカンジナビア航空で次回のフライトを予約ください。』と締めくくっています。
2.近くで“恋人募集中”の人を見つけられるアプリ
アルゼンチンNO1の出会い系サイト「Zonacitas.com」が制作したプロモーション用iPoneアプリ『Single Finder』。
恋人がいない若者にとっては“ナイトライフ”を一緒に楽しむことのできるパートナーを見つけることへのモチベーションは物凄いものがあるため、そんな必死な彼らのパートナーを見つける手助けをしようとして企画制作されたアプリ。
アプリのコンセプトは、“Love is out there”。
このアプリを起動して、ユーザーが訪問したクラブやバーで「チェックイン」すると、その場所に現在いる男女それぞれ何人にシングル(恋人無し・伴侶無し)がいるかを数値化してくれるという仕組み。
3.広告の父、デイヴィッド・オグルヴィ氏に“プレゼン”できるアプリ
大手広告代理店、Ogilivyのセルフプロモーション。
Ogilvyの創業者であり、「広告の父」と呼ばれる“David Ogilvy“氏の、生誕100周年を記念して制作したiPhoneアプリ、“Pitch David Ogilivy” 。
このアプリを起動すると、『Have a big idea?』という文字がでかでかと書かれた画面が映し出されます。そして、画面をワンタッチすることで、Ogilvy氏と“コンタクト”ができるようになり、iPhoneを活用した彼とのビデオ会議のような形で、Ogilvy氏に“アイディア”をプレゼンすることができるようになります。
プレゼンしたアイディアが『ビッグアイディア』だと彼に認められれば、「brilliant!」や「well-done」などと褒められたりします。逆にイマイチなアイディアだと「I don’t like」と厳しい評価を下されます。
このアプリは、「広告マン・広告ウーマン」に対して、自身が『ナイスアイディア』だと自信を持った企画を、『広告の父』に簡単にぶつけられるという点に価値を見出されて制作されたようです。
プレゼン前に「広告の父」に褒められたら自身を持っちゃうこと間違いなしですね。
4.豊胸手術を疑似体験できるアプリ
[国名:USA/企業名:Elizabeth Kinsley]
アメリカ メリーランドの形成外科医「Elizabeth Kinsley」発案の豊胸手術を疑似体験できるiphoneアプリ『iAugment』。
高額な料金を支払わなくても、無料で胸を大きくした場合の状態を確認できる点がウリで、豊胸のレベル(何cc入れるか)もセレクトできるようになっています。
5. コンドーム販売促進アプリ
大手コンドームメーカーDurexが、ターゲットに「コンドームを装着しないとどうなるか!」をシミュレーションさせるiPhoneアプリ、その名も「Baby app」。
このアプリはBluetoothでiPhoneからiPhoneに感染するもので、このアプリに感染してしまうと、深夜や早朝に関係なくiPhone内の赤ちゃんが勝手に泣き出すという代物。
アプリを消去するには、Durexのコンドームの箱裏に印刷されているバーコードを読み取る方法以外にはないそうです。
6.交通マナーを守らせる賢いアプリ
[国名:ベルギー/団体名:Parents of child road victims]
ベルギーの交通マナー啓発団体「Parents of child road victims」が制作した交通マナーを守らせるためのiPhone アプリ「Slow down」。
『ドライブ中にお気に入りの音楽をかけているとついついスピードを出し過ぎてしまう』という体験は多くのドライバーにあるかと思いますが、こういったケースの事故を抑制するためのアプリ。
「Slow down」アプリを起動したまま運転中iPhoneで音楽を聴いていると、制限速度をオーバーすると同時に『音楽がスローになったり、ストップする』という仕掛けが施されています。
なお、制限速度までスピードを落とすとまた音楽がスムーズに流れるという仕様です。
7.いざという時にコンドームを爆速でデリバリーしてくれるアプリ
大手コンドームブランドのDurexが、ドバイで毎日午後4時から午前4時の間に「注文から1時間以内にコンドームを届けてくれる」アプリをローンチ、その名も“SOS Condoms”。
いざという時にコンドームをもっていなくても、近くのコンビニなどに買いにいく必要がなく、オーダーする人の位置情報を取得して、正確に届けてくれるというコンセプト。コンドームのサイズも選べます。
こちらのアプリは21歳以上向け。
ピザのデリバリーアプリは日本でも人気がありますが、そもそも宅配をやっていないコンドームでそれをやってのける発想が愉快です。現在はドバイでテストマーケティング中だそうですが、今後日本を含む他国にも広がっていく可能性があるそうです。
8.サングラスブランド「レイバン」 “ひだまりスポット”を案内してくれるアプリ
世界一有名なサングラスブランドとして名高い「レイバン」向けに考案されたユニークなプロモーションアプリ「Bright Light」。こちらはストックホルムの学生が考案し、コンテストで優秀賞を受賞したものです。
「Bright Light」はユーザーの今いる場所の付近に存在する『sunny spots』(ひだまり、日なた)を紹介してくれるというコンセプトのアプリ。
都心部だと高いビルなどに遮られて日光を思う存分浴びたくてもなかなか「いい場所」が見つからないとお悩みの方に、影のない日なたの場所やその時間帯を案内してくれます。
GPS機能でユーザーが今いる場所がディスプレイに表示され、その付近にある「日光浴オススメスポット」が赤色のマークで表示されます。ユーザーはこのマークをタッチすることで、今の季節だったら「この場所は何時から何時まで日があたるよ」と調べることができるようになっています。
さらに、ディスプレイのスライドバーを横にスライドさせることで、「何時になるとどこら辺までが影になるか」を簡単にビジュアルで見ることなんかもできるという仕掛けがあります。日光のあたる場所と時間のシミュレーションですね。
「レイバン」のサングラスをもっと有効に楽しく活用してもらうために、サングラスを使うシチュエーションとなる『ひだまり』を手の平の中で簡単に見つけられるという主旨です。
とっても便利とは言えないけれど「少し便利で」、「ターゲットがクスッと笑えて」、「ブランドメッセージの浸透に繋がる」ような、三拍子揃ったプロモーションアプリ。
9.世界初の“ネコと対戦ゲーム”が楽しめるiPadアプリ
大手ペットフードメーカーの「Friskies」が、ブランディングの一環として制作した“ネコと人間の対戦用iPadアプリ”、『You vs. Cat』。
こちらのアプリでは、ネコとエアホッケー勝負を楽しむことができます。
ネコの大好きな「Friskies」のキャットフードをホッケーのパックに見立てて、ネコと人間がどちらが瞬時に指を早く動かして、パックを打ち返し、相手のゴールに入れられるかを競うというコンセプトのゲーム。
10.iPadでオリジナルピザを創作してオーダーできるアドバゲームアプリ
大手宅配ピザのドミノピザが開発したプロモーション用iPadアプリ「Pizza Hero」。
このアプリでは、ピザ作りをiPad上でゲームとして体験しながら、自分が作ったオリジナルピザをiPadからそのまま注文して、自宅に届けてもらうことができます。
ピザの作り方はいたって簡単。
まずは生地をのばして、続いてソースを塗って、チーズをパラパラとふりかけて、サラミなどの好きな具材をトッピングして出来上がりです。
iPadのディスプレイでピザの完成イメージを見ながら、オリジナルピザを考えて、創作できるのでイメージにマッチした満足度の高いピザがオーダーできるようです。
加えて、このアプリにはピザの作成時間やクオリティ(上手に作れたかどうか)を点数化(Pizza Score)して、競うことのできるゲーム機能も搭載されています。「Pizza Hero」(ピザ作りの英雄)というアプリ名はこの機能からつけられているみたいです。
11.豪マクドナルド、食材の産地をARで表示する「トレーサビリティ・アプリ」
オーストラリアでマクドナルドが制作したユニークなiPhoneアプリ、“TrackMyMacca’s App”(※オーストラリアではMacca’sがマクドナルドの愛称)。
アプリを起動してハンバーガーのパッケージに記載されているコードを読み取ると、各食材の産地をARで表示してくれるという仕掛け。
パッケージにiPhoneをかざすと、バーガーに使用されている各種食材がARで表示されます。例えば、ARで表示された「Beef」のマークをタッチすると、牛肉の産地にまつわるストーリーがARアニメーションとテキストで表示されるようになっています。合わせて産地の農家の情報なども表示されます。
スキャンした後にその事実をワンタッチでFacebookにも投稿して友達に共有できるようにもなっています。
食材の産地(トレーサビリティ情報)をテキストや写真で表示させるのではなく、ARでポップに仕立て上げているのが特長。「一人一人の顧客との関係を大切にしたい」という実直な思いを、遊び心溢れる手法で表現し、コミュニケートしている点が素晴らしいですね。
短期的なお客さんの増加には直結しないかもしれませんが、中長期的な視点でみると『信頼され、愛されるマクドナルドブランド』を構築していくためには有効な手立ての一つなのではないかと思いました。
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