鹿児島の食料廃棄問題を救う?ピーマンの「苦み」を生かしたクラフトビールが誕生
鹿児島県東串良に農場を構える農業生産法人AGRIST FARMは、鹿児島市で福祉事業等を手がけるひふみよ株式会社が運営するクラフトビール醸造所「ひふみよブリューイング」のクラフトビール「P’man(ピーマン)」に原料を提供しています。
AGRIST FARMで栽培している「みおぎ」という品種のピーマンは、色が濃く、やわらかくて苦味が少ないことが特徴。ただ、規格外のものにおける食料廃棄が問題となっていました。
今回、「みおぎ」ピーマンの苦みを活かし、通常の黒ビールよりも飲みやすいクラフトビール「P’man」が誕生。黒ビールをベースに、ピーマン特有のさわやかな風味が加わり、芳醇な香りが楽しめるとのことです。ひふみよのアート事業「hifumiyo.artist」に所属する「N-Sinichi」がデザインしたラベルまで、とことんピーマンづくしになっています。
「P’man」はひふみよブリューイング新屋敷醸造所や東串良物産館ルピノンの里などで提供されているほか、瓶ビールはひふみよブリューイングのオンラインショップからも購入できるとのことです。
ピーマンとビール同士の共通点である「苦み」を生かしたアップサイクル。ピーマンの生産側であるAGRIST FARM の担当者は「苦みをいかにマイルドにするかをずっと考えていたので、苦みを生かして商品化することになぜ気が付かなかったのだろうと思いました」とコメントしています。
忌避されがちなピーマンの苦味を「和らげる」のではなく「生かす」発想の転換が素晴らしい取り組み。今後、他の自治体の農作物廃棄問題においても、解決の参考になるのではないでしょうか。アップサイクルしたビールを通じて、鹿児島県産の食材のアピールにもつながりそうなCSR事例でした。
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