第187回国会
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第187回国会(だい187かいこっかい)とは、2014年(平成26年)9月29日に召集された臨時国会。会期は11月30日までの63日間であったが、11月21日に衆議院が解散され、参議院は閉会、54日間となった[1][2]。
概要
[編集]安倍首相は、所信表明演説で、今国会を「地方創生国会」と位置づけるとともに、「女性が輝く社会」の構築をテーマとして上げた[3]。
各党・会派の議席数
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衆議院[編集]
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参議院[編集]
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主な審議議案
[編集]衆法(衆議院議員提出法律案)
[編集]提出回次 | 議案件名 | 結果 | 成立日 | 備考 |
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186 | サイバーセキュリティ基本法案 | 成立 | 11月6日 | サイバーセキュリティ戦略の策定・ サイバーセキュリティ戦略本部の設置、組織など |
186 | 公認心理師法案 | 未了 | - | 初となる心理職の国家資格を新設 |
187 | 空家対策推進特別措置法案 | 成立 | 11月19日 | 市町村が、倒壊のおそれがある特定空家の撤去や修繕命令・ また著しく景観を損なう等の特定空家の修繕命令を可能に |
187 | リベンジポルノ防止法案 | 成立 | 11月19日 | リベンジポルノの禁止やその処罰・ 画像削除についてのプロバイダー責任制限法の特例 |
187 | 医薬品医療機器等法改正法案 | 成立 | 11月19日 | 危険ドラッグを規制するため、販売停止命令を受けた物品と 同一の包装などである物品についても販売などを禁止可能に |
187 | 外国人漁業規制法及び漁業主権法改正法案 | 成立 | 11月19日 | 中国漁船サンゴ密漁問題を受けて、罰金や加算担保金の 金額を引き上げ |
閣法(内閣提出法律案)
[編集]提出回次 | 議案件名 | 結果 | 成立日 | 備考 |
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187 | 土砂災害防止法改正法案 | 成立 | 11月12日 | 都道府県に基礎調査の公表・市町村に 土砂災害警戒区域の警戒避難体制の整備を義務づけ |
187 | 災害対策基本法改正法案 | 成立 | 11月14日 | 道路管理者が災害時に放置車両を移動可能に |
187 | 感染症法改正案 | 成立 | 11月14日 | 中東呼吸器症候群を2類感染症に指定・ 重い感染症の患者から強制採血を可能に |
183 | テロ資金提供処罰法改正法案 | 成立 | 11月14日 | 資金以外の利益(土地、建物、物品など)の提供 ・間接支援者を処罰対象に追加 |
187 | テロリスト財産凍結特別措置法案 | 成立 | 11月19日 | 国連安保理決議の対象となるテロリストを指定し、 一定以上の財産の提出を義務・譲受け等を許可制に |
187 | 地方公共団体の議会の議員及び長の 選挙期日等の臨時特例に関する法律案 |
成立 | 11月19日 | 第18回統一地方選挙のため、地方公共団体の 議会の議員及び長の選挙期日などの特例 |
187 | 不当景品類及び不当表示防止法改正案 | 成立 | 11月19日 | 不当表示を行った事業者への課徴金制度の導入 |
187 | 地方創生関連2法案 (まち・ひと・しごと創生法案、地域再生法改正法案) |
成立 | 11月21日 | 地方創生の基本理念や総合戦略の策定などを規定・ 地方公共団体が首相に新たな措置を提案可能に |
187 | 銃砲刀剣類所持等取締法改正法案 | 成立 | 11月21日 | 空気銃射撃競技の年少射撃資格者の年齢を 「14歳から18歳」を「10歳から19歳」に改正 |
187 | 女性活躍推進法案 | 未了 | - | 企業に女性登用の数値目標の設定を義務化 |
187 | 労働者派遣法改正法案 | 未了 | - | 派遣労働者の受け入れ期間の制限を撤廃 |
条約
[編集]提出回次 | 議案件名 | 結果 | 承認日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
187 | 日豪経済連携協定 | 承認 | 11月7日 | 日・オーストラリア経済連携協定 外務省 |
187 | 原子力損害の補完的な補償に関する条約 | 承認 | 11月13日 | 原子力損害補完的保障条約 外務省 |
今国会の動き
[編集]召集前
[編集]会期中
[編集]9月
[編集]10月
[編集]- 10月7日 - 黒田東彦日本銀行総裁が参議院予算委員会に出席。民主党福山哲郎議員の求めで朝に出席が決定したため、日銀決定会合が1時間半に渡り中断した。日銀決定会合が中断するのは1998年以来16年ぶり[7]。
- 10月20日 - 小渕優子経済産業大臣、松島みどり法務大臣が辞任[8][9]。
11月
[編集]- 11月5日 - テロリスト財産凍結法案が衆議院内閣委員会で全会一致で可決[10]。
- 11月6日
- 11月14日 - 患者からの強制採血も可能とする改正感染症法が衆議院本会議で全会一致で可決、成立[14][15]。西アフリカでのエボラ出血熱流行などを受け、感染症の情報収集体制を強化する内容で、致死率が高いエボラ熱やペストなどの1類感染症、結核やH5N1型鳥インフルエンザなどの2類感染症、新型インフルエンザなどについて、患者が検体の提供を拒んだ場合でも採取を実施できるようになる[15]。参議院先議で参議院では11月7日に通過していた[14][15]。施行日は2016年(平成28年)4月1日[14][15]。
- 11月18日
- 11月19日
- 「私事性的画像記録の提供被害防止法案」が参議院で可決、リベンジポルノ規制法が成立[18]。
- 「改正医薬品医療機器法」が参議院で可決、成立[19][20]。危険ドラッグの販売、広告の規制が強化される[19][20]。
- 「空家対策特別措置法」が参議院で全会一致で可決、成立[21][22]。国土交通省・総務省に空き家対策の基本方針を作成するよう義務付けるほか、空き家の所有者を把握して対策を実施しやすくするため、市町村が固定資産税の納税情報を活用できるようにすることが柱[21][22]。市町村には倒壊のおそれがある危険な空き家への立ち入り調査や、撤去や修繕を所有者に命令できる権限を付与する[21][22]。
- 「改正外国人漁業規制法」・「改正漁業主権法」が参議院本会議で可決、成立[23][24]。2014年(平成26年)11月27日公布、同年12月7日施行[24]。改正前の漁業主権法は最大1千万円の罰金、外国人漁業規制法は3年以下の懲役または最大400万円の罰金を科していたが、改正法は罰金額の上限を共に3千万円へ引き上げた[23][24]。漁業監督官らの立ち入り検査を拒否した場合の罰金も、外国人のみ改正前の10倍となる上限300万円となった[23][24]。
- 「テロリスト財産凍結法」が参議院で可決、成立[25]。2015年(平成27年)10月5日施行[26]。
- 11月21日
常任委員長
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9月29日:常任委員長選挙
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脚注
[編集]- ^ “2閣僚辞任や解散風…法案審議は停滞、成立は7割に”. 朝日新聞. (2014年11月21日) 2014年11月21日閲覧。
- ^ 国会会期一覧
- ^ a b 平成26年9月29日 第187回国会における所信表明演説 首相官邸ホームページ
- ^ 会派名及び会派別所属議員数 衆議院
- ^ 会派別所属議員数一覧 参議院
- ^ 2014年(平成26年)9月19日付官報特別号外第16号
- ^ “日銀決定会合の中断時間は1時間半 総裁国会出席で16年ぶり”. ロイター. (2014年10月7日) 2014年11月9日閲覧。
- ^ “小渕氏ら女性2閣僚辞任、経産相は宮沢洋一氏、法相に上川氏”. ハフィントン・ポスト. (2014年10月20日) 2014年11月9日閲覧。
- ^ “松島みどり法相が辞任「うちわかと言われれば、うちわの形」【会見詳報】”. ブルームバーグ. (2014年10月20日) 2014年11月9日閲覧。
- ^ “対テロ関連法案可決”. しんぶん赤旗. (2014年11月6日) 2014年11月9日閲覧。
- ^ “サイバーセキュリティ基本法成立”. ロイター. (2014年11月6日) 2014年11月9日閲覧。
- ^ a b “投票権「18歳以上」 与野党PT、未成年者も選挙違反処罰の座長試案で大筋了承”. 産経新聞. (2014年11月6日) 2014年11月9日閲覧。
- ^ “「18歳に選挙権」試案提示 公選法改正、与野党で議論”. 朝日新聞. (2014年11月6日) 2014年11月9日閲覧。
- ^ a b c “改正感染症法が成立=患者から強制採血可能に”. 時事通信社. (2014年11月14日) 2014年11月15日閲覧。
- ^ a b c d “改正感染症法:成立でエボラ出血熱など血液強制採取可能に”. 毎日新聞. (2014年11月14日) 2014年11月15日閲覧。
- ^ “安倍首相、21日の衆院解散表明 消費増税は先送り”. 朝日新聞. (2014年11月18日) 2014年11月20日閲覧。
- ^ “リベンジポルノ法案、衆議院で可決 元交際相手の画像を流出させたらどうなる?”. ハフィントン・ポスト. (2014年11月18日) 2014年11月18日閲覧。
- ^ “リベンジポルノ:防止法が成立 最高で懲役3年以下”. 毎日新聞. (2014年11月19日) 2014年11月19日閲覧。
- ^ a b “危険ドラッグ広域規制 改正薬事法が成立”. 東京新聞. (2014年11月19日) 2014年11月19日閲覧。
- ^ a b “危険ドラッグ規制強化、改正薬事法が成立 参院本会議”. 朝日新聞. (2014年11月19日) 2014年11月19日閲覧。
- ^ a b c “空き家対策法が成立 所有者情報、照会可能に”. 産経新聞. (2014年11月19日) 2014年11月19日閲覧。
- ^ a b c “空き家対策法が成立=国に基本方針義務付け”. 時事通信社. (2014年11月19日) 2014年11月19日閲覧。
- ^ a b c “サンゴ密漁抑止に期待 密漁厳罰化の改正法成立”. 産経新聞. (2014年11月19日) 2014年11月20日閲覧。
- ^ a b c d “サンゴ密漁対策、罰金上限大幅引き上げへ 改正法成立”. 朝日新聞. (2014年11月19日) 2014年11月20日閲覧。
- ^ “テロ財産凍結法、成立=国内取引を規制”. 時事通信社. (2014年11月19日) 2014年11月20日閲覧。
- ^ 国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法の施行期日を定める政令(平成27年10月2日政令第355号)
- ^ “地方創生関連2法が“ギリギリ”成立 解散で議論に遅れも”. 産経新聞. (2014年11月21日) 2014年11月21日閲覧。
- ^ “衆議院が解散、アベノミクス信認かけ来月14日投開票へ ”. ロイター. (2014年11月21日) 2014年11月21日閲覧。
- ^ “法案成立率は67.7%=解散で「女性活躍」など廃案-衆院解散”. 時事通信社. (2014年11月21日) 2014年11月21日閲覧。
- ^ 衆議院の役員等一覧
- ^ 法務大臣就任に伴い辞任
- ^ 参議院役員等一覧