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火山ガス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
噴き上がる火山ガス(地獄谷
北海道 登別温泉の爆裂火口からの火山ガス

火山ガス(かざんガス)は、火山火口噴気口から出る成分(火山噴出物)のうち、気体のもの。火山ガス(水蒸気や二酸化炭素を多く含む気体)を多く含むガスを火山性ガス(かざんせいガス)ということもある。

概要

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主成分は水蒸気二酸化炭素のほか、二酸化硫黄(亜硫酸ガス)も含まれる。通常は少量の水素ガス、一酸化炭素硫化水素塩化水素が含まれる。火山によってはフッ化水素[1]四フッ化ケイ素[1]メタンガス[1]アンモニア[1]硫化カルボニル[2]ヘリウム[3]ラドン水銀蒸気[4]などが含まれることもある。

毒性をもつ成分や酸欠により、動植物の生命に関わるほどの大危害を及ぼすことがある。熱によって周辺の生態に大きな影響があることも多いうえ、吸った動物人間が、その場で死亡することも珍しくない。また、中毒に気づかず手遅れとなり、死亡することもある。

噴火はしなくても、恒常的あるいは間歇的に火山ガスのみを噴出する火山も多い。

温度は数百以上であることが多い。

空気よりも密度が高いため、くぼ地にたまりやすい。

日本国内における主な被害

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対策

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火山ガスの濃度などを考慮し、自治体などが通行規制・登山規制・立入規制を行う[10][11]

救出が必要な場合
使用する道具は、水、ハンカチやタオルなどの布、ロープ
二重遭難にならないよう落ち着く。水に濡らしたタオルなどを口に当て、迅速に救助者にロープを結ぶ。ガスの影響のない高い所に戻り、引き上げる。必要に応じて、人工呼吸などの心肺蘇生法を行う。保温や揺さぶり呼びかけなどで意識をもどさせる。意識回復後は、水分を与え、眼の異常を訴えたら洗眼させる。必要なら医者に助けを求める[12]

脚注

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  1. ^ a b c d Volcanic Gases - Michigan Technological University
  2. ^ Component Of Volcanic Gas May Have Played A Significant Role In The Origins Of Life On Earth - Science Daily
  3. ^ Volcanic Gases and Their Effects - USGS
  4. ^ 火山ガスとエアロゾルの概要 - IVHHN
  5. ^ a b 中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会 2012, p. 35.
  6. ^ 井口正人 et al. 2019, p. 307.
  7. ^ a b 登山の女高生、集団ガス中毒 噴気の硫化水素を吸う 2人死亡し2人重体『朝日新聞』1976年8月3日夕刊、3版、7面
  8. ^ a b 八甲田山,気象庁
  9. ^ 火山ガスか、タケノコ採りの中2女子死亡…青森[リンク切れ] 2010年6月20日 YOMIURI ONLINE。2010年6月26日閲覧
  10. ^ 日本放送協会. “栗駒山の登山道規制 9月上旬から一部解除 火山ガス濃度低下|NHK 岩手県のニュース”. NHK NEWS WEB. NHK. 2022年8月24日閲覧。
  11. ^ 吾妻山に登山や観光で訪れる皆様へ - 福島県ホームページ”. www.pref.fukushima.lg.jp. 2022年8月24日閲覧。
  12. ^ 火山ガス事故防止のために 編集者:環境庁自然保護局、5p

参考文献

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  • 加藤祐三『軽石─海底火山からのメッセージ八坂書房、2009年。ISBN 978-4-89694-930-8http://www.yasakashobo.co.jp/books/detail.php?recordID=551 
  • 中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会「第2章 大正噴火の経過と災害」(pdf)、内閣府、2012年。 
  • 井口正人、中道治久、小林哲夫、岩松暉、幸福崇、田嶋祐哉、黒岩賢彦、上林嵩弘 ほか「桜島の大規模噴火を考える」『自然災害科学』第38巻第3号、日本自然災害学会、2019年、doi:10.24762/jndsj.38.3_279ISSN 0915-9010NAID 130007866142 

関連項目

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外部リンク

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