コンテンツにスキップ

効率

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

効率(こうりつ、: efficiency)とは、一定の費用や時間を費したとき得られる結果(成果)の量[1]。入力(エネルギー)に対する、な出力(仕事)との比[要出典]。多くは「出力÷入力」の結果のパーセント表示で表される。経営では能率という用語が用いられる[1]

概略

[編集]

効率的効率化効率性などの言葉は、何かをしたり、望ましい結果を生み出したりする際に、材料、エネルギー、労力、資金、時間などを浪費せずに達成することを意味する。より一般的な意味では、物事を上手く、成功裏に、そして無駄なく行う能力のことである[2] [3] [4] [5] [6]

「効率それ自体は目標ではありません。効率そのものを欲しているのではなく、私たちが大切にしていることをよりよいかたちで達成するのに役立つから効率を求めるのです」 [7]

より数学的、あるいは科学的な用語では、最小量の入力(インプット)を使用して最大量の出力(アウトプット)を達成する状態を意味する。多くの場合、それは、最小限の投入量、または最小限の無駄、最小限の費用、最小限の労力で目的の結果を生み出すための、具体的な実行手順を含むことになる[8]。そのため、同じ言葉を使っていても、分野が変わると具体的に意味するところは大きく変わることがある。

一般に、効率は測定可能な概念であり、有用な入力の合計に対する有用な出力の比率によって算出される。多くの場合、効率は、理想状態の結果に対する百分率として表すことができる。たとえば、摩擦やその他の原因によってエネルギーが失われなかった場合、燃料またはその他の入力の100%が出力に反映されることになる。

分野によっては、比推力のようなパーセント表示とは異なる指標で効率を算出することもある。

計算法

[編集]

効率は、多くの場合、総入力に対する有効出力の比として計測される。これは、式r = P / Cで表すことができる。ここで、 Pは、C (コスト)ごとに生成される出力(プロダクト)である。

入力量と出力量が同じ単位あるいは変換可能な単位で示されていて、さらに普通の過程で入力が出力に変換されている場合、効率はパーセント表示されることが多い。たとえば、熱力学における熱機関エネルギー効率の分析では、Pは仕事の出力量であり、Cは高温熱源による入熱量となる。エネルギー保存の法則により、 PCを超えることはない。したがって、効率rが100%を超えることはないし、現実的な有限の温度では、さらに低い数値となる。

科学技術分野において

[編集]

物理学用語として

[編集]

経済学

[編集]
  • 効率性(経済効率性) - 無駄やその他の望ましくない要素が排除・回避される度合い
  • 市場効率(効率的市場仮説) - ある市場が、効率的市場の理想状態とどの程度一致するか
  • 効率比英語版 - 財務分析における考え方。経費に対する収益など。効率性分析を参照。

その他の科学分野

[編集]

関連項目

[編集]

参考文献

[編集]
  1. ^ a b 改訂新版 世界大百科事典 「能率」
  2. ^ efficiency”. Longman Dictionary of Contemporary English. 13 February 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。9 May 2018閲覧。
  3. ^ efficiency”. Vocabulary.com. 9 May 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。9 May 2018閲覧。
  4. ^ efficiency”. Merriam-Webster. 9 March 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。9 May 2018閲覧。
  5. ^ efficient”. The American Heritage Dictionary. Houghton Mifflin Harcourt. 14 July 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。9 May 2018閲覧。
  6. ^ "efficient". Oxford English Dictionary (3rd ed.). Oxford University Press. September 2005. (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入。)
  7. ^ Stone, Deborah (2012). Policy paradox: the art of political decision making. New York: W. W. Norton & Company Inc. 
  8. ^ Sickles, R., and Zelenyuk, V. (2019). Measurement of Productivity and Efficiency: Theory and Practice. Cambridge: Cambridge University Press. doi:10.1017/9781139565981
  9. ^ このため他の効率とは異なり、過給機があれば1(100%)を超えることは珍しくない