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レボノルゲストレル

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レボノルゲストレル
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 ノルレボ
Drugs.com monograph
MedlinePlus a610021
胎児危険度分類
  • X
法的規制
  • Rx-OTC
薬物動態データ
生物学的利用能~100%
血漿タンパク結合55%
代謝肝臓/CYP3A4[要出典]
半減期36 ± 13 時間
排泄腎臓: 45%; 糞便:32%
データベースID
CAS番号
797-63-7 チェック
ATCコード G03AC03 (WHO) G03AD01 (WHO)
PubChem CID: 13109
IUPHAR/BPS英語版 2881
DrugBank DB00367 チェック
ChemSpider 12560 チェック
UNII 5W7SIA7YZW チェック
KEGG D00950  チェック
ChEBI CHEBI:6443 チェック
ChEMBL CHEMBL1389 チェック
化学的データ
化学式C21H28O2
分子量312.446 g/mol
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レボノルゲストレル(Levonorgestrel)はホルモン製剤の一つであり、様々な避妊手段に用いられる[1]。商品名はノルレボで、緊急避妊薬として用いられる。

歴史

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レボノルゲストレルが最初に作られたのは1960年代で、1980年代に避妊薬として使用され始めた[2]。1999年にフランスで"NorLevo" としてフランスで正式に商品化され、以降、各国で正式に承認された。世界保健機関必須医薬品のひとつで、基本的な保健システムに欠かせない最も重要な医薬品である[3]ジェネリック医薬品として入手できる[4]。緊急避妊のために必要な服用量の卸売価格は、0.23 - 1.65米ドルである[5]。アメリカでは、あらゆる年齢層を対象に一般用医薬品として販売されている[6]

日本では導入が遅れ、2011年2月23日に緊急避妊薬ノルレボとして承認された(アジアで認可していないのは日本と北朝鮮だけであった)。一般用医薬品としては販売されておらず、2017年7月26日厚生労働省の「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」で一般用医薬品への転換が検討されたが、時期尚早として見送られた[7]。しかし、一般用医薬品としての発売を要望する声が多く寄せられたことから、2023年6月26日、厚生労働省は、同年夏から翌24年3月まで、全都道府県の、特定の条件を満たした薬局においてレボノルゲストレルを処方箋無しで試験的に発売する方針を決定した[8]。試験運用する薬局の条件は、研修を受けた薬剤師が販売する、夜間や土日祝日の対応が可能、近くの産婦人科などと連携できる、個室があるなどプライバシーが確保できる、の4点。

剤型

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錠剤は、海外ではプランBというブランドが主流で、ジェネリック医薬品もある。緊急避妊薬として120時間以内に効果があり、性交渉後時間が経つにつれて効果が薄れ、妊娠前にのみ効く[1]ため、「できる限り速やかに服用するよう指導し性交後72時間以内に投与すること」と添付文書に記載がある[9]エストロゲンと組み合わせた経口避妊薬[10]月経困難症治療剤もある。

子宮内避妊器具IUDを用いてレボノルゲストレルを放出する、ミレーナなどのIUSは、長期の避妊に役立つ[1]

一部の国では、インプラント可能なレボノルゲストレルも入手できる[11]

子宮頸部を閉鎖して排卵を減少させ、精子の通過を防止することで効果がある[1]

薬効薬理

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排卵抑制作用により避妊効果を示す[9]。受精阻害作用、受精卵着床阻害作用も関与する可能性が考えられている[9]

副作用等

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副作用は、消退出血(46.2%)、不正子宮出血(13.8%)、頭痛(12.3%)、悪心(9.2%)、閨怠感(7.7%)などがあり、その他にめまい、腹痛、嘔吐、下痢、乳房の痛み、月経遅延、月経過多、疲労などがある[12]。妊娠回避効果は100%ではなく、排卵日付近の性交渉ではレボノルゲストレルを使っても81 - 84%である[12]

よく見られる副作用は、吐き気、乳房の圧痛、頭痛、経血量の増加や減少または生理不順である。妊娠中に緊急避妊薬として使用した場合に、胎児に影響する証拠はない。授乳中に使用しても安全である。レボノルゲストレル配合の避妊薬を摂取しても、性感染症のリスクは下がらない。

本剤の成分に対する過敏症の既往がある場合、重篤な肝機能障害のある場合(代謝能の低下により肝臓への負担が増加し、症状が増悪する可能性がある)、妊婦(成立した妊娠には効果がない)には処方してはいけない[12]。その他肝障害のある場合、心疾患・腎疾患又はその既往歴のある場合(電解質代謝への影響によるナトリウムや体液の貯留により、症状が増悪する可能性がある)にも慎重を要する[12]。また、重度の消化管障害あるいは消化管の吸収不良症候群がある場合,本剤の有効性が期待できないおそれがある[12]

また、小林亨らの研究により、メダカの胚に対してレボノルゲストレルを曝露すると、濃度により雄への性転換や雌への性転換をもたらすことが明らかとなった[13][14]

出典

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  1. ^ a b c d Progestins (Etonogestrel, Levonorgestrel, Norethindrone)”. The American Society of Health-System Pharmacists. Aug 21, 2015閲覧。
  2. ^ Science and Political Controversy. Santa Barbara: ABC-CLIO. (2014). p. 97. ISBN 9781610693202. https://books.google.ca/books?id=0MqUAwAAQBAJ&pg=PA97 
  3. ^ WHO Model List of EssentialMedicines”. World Health Organization (October 2013). 22 April 2014閲覧。
  4. ^ Hamilton, Richard J. (2014). Tarascon pocket pharmacopoeia : 2014 deluxe lab-pocket edition (15th ed.). Sudbury: Jones & Bartlett Learning. pp. 310–312. ISBN 9781284053999. https://books.google.ca/books?id=BwqEAgAAQBAJ&pg=PA310 
  5. ^ Levonorgestrel”. International Drug Price Indicator Guide. 21 August 2015閲覧。[リンク切れ]
  6. ^ FDA approves Plan B One-Step emergency contraceptive for use without a prescription for all women of child-bearing potential” (June 20, 2013). 2 February 2016閲覧。
  7. ^ スイッチOTC薬、緊急避妊薬は「時期尚早」”. 日経ドラッグインフォメーション (2017年7月27日). 2017年10月27日閲覧。
  8. ^ 緊急避妊薬、処方箋不要に 厚労省、夏から試験運用共同通信、2023年6月26日
  9. ^ a b c ノルレボ錠添付文書 (PDF)
  10. ^ Postgraduate Gynecology.. Jaypee Brothers Medical Pub. (2011). p. 159. ISBN 9789350250822. https://books.google.ca/books?id=Kd7lNFPipaIC&pg=PT174 
  11. ^ “Chapter 1”. Research on reproductive health at WHO : biennial report 2000-2001. Geneva: World health organization. (2002). ISBN 9789241562089. https://books.google.ca/books?id=cvKaqyMOGjUC&pg=PT15 
  12. ^ a b c d e ノルレボ錠の添付文書および「使用上の注意」の解説より。新医薬品の「使用上の注意」の解説 緊急避妊剤ノルレボ®錠 0.75mg レボノルゲストレル錠 [リンク切れ]を参照
  13. ^ 「メダカ孵化仔魚を用いた化学物質の内分泌撹乱活性の新規検出系を確立」『メダカ孵化仔魚を用いた化学物質の内分泌撹乱活性の新規検出系を確立 | ニュース | 静岡県公立大学法人 静岡県立大学静岡県立大学、2023年4月4日。
  14. ^ Akiho Watanabe et al., "Levonorgestrel causes feminization and dose-dependent masculinization in medaka fish (Oryzias latipes) -- Endocrine-disruption activity and its correlation with sex reversal", Science of the Total Environment, Vol.876, Elsevier, June 10, 2023.

関連項目

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