民法第840条
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条文
[編集](未成年後見人の選任)
- 第840条
- 前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様とする。
- 未成年後見人がある場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは未成年後見人の請求により又は職権で、更に未成年後見人を選任することができる。
- 未成年後見人を選任するには、未成年被後見人の年齢、心身の状態並びに生活及び財産の状況、未成年後見人となる者の職業及び経歴並びに未成年被後見人との利害関係の有無(未成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と未成年被後見人との利害関係の有無)、未成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。
改正経緯
[編集]2011年改正
[編集]- 2項及び3項が追加された。
- 民法典制定来、後見人は一人と定められていたが(明治民法第906条→戦後改正:第843条→1999年改正:第842条)、それを改めて複数人選任できるようになったこと、および法人を選任することができるようになった。
1999年改正
[編集]- 戦後改正により、明治第902条の趣旨を引き継いだ以下の条項があったが、成年後見制度整備に合わせ後見人選任に関する民法第843条に吸収された。
- 夫婦の一方が禁治産の宣告を受けたときは、他の一方は、その後見人となる。
解説
[編集]- 未成年後見人は、家庭に第三者が入ることを避ける法意から、親権者の意思を最重要視するため、最後に親権を行う者の遺言による指定があればそれが優先される(第839条)が、指定がない場合は、一定の請求権者の請求を契機として(職権により選任を審判できない)、家庭裁判所が選任する。
- 請求権者
- 未成年者本人
- 未成年者の親族
- 父母が親権を制限されていた場合であっても、未成年者の福祉の観点から選任請求は可能。
- 利害関係人
- 未成年被後見人が相続した財産の債権者等
- 児童相談所長(児童福祉法第33条の8)
参照条文
[編集]- 民法第839条(未成年後見人の指定)
参考
[編集]明治民法において、本条には後見人が被後見者を養子とすることを禁ずる以下の規定があった。戦後、家庭裁判所の許可の下これを認める民法第895条に改正・継承された。
- 後見人ハ被後見人ヲ養子ト為スコトヲ得ス其任務カ終了シタル後未タ管理ノ計算ヲ終ハラサル間亦同シ
- 前項ノ規定ハ第八百四十八条ノ場合ニハ之ヲ適用セス
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