ルフィナミド(Rufinamide)は抗てんかん薬の一つである。レノックス・ガストー症候群の治療について他の抗てんかん薬との併用で用いる旨が承認されている[1][2]。他の痙攣性発作について承認されている国もある。商品名イノベロン

ルフィナミド
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com 患者向け情報(英語)
Consumer Drug Information
MedlinePlus a609001
ライセンス EMA:リンクUS FDA:リンク
法的規制
  • (Prescription only)
データベースID
CAS番号
106308-44-5 ×
ATCコード N03AF03 (WHO)
PubChem CID: 129228
ChemSpider 114471 チェック
UNII WFW942PR79 チェック
ChEMBL CHEMBL1201754en:Template:ebicite
化学的データ
化学式C10H8F2N4O
分子量238.194
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ルフィナミドは2008年11月に米国FDAに承認された。日本では2013年3月に承認された[3]。4歳以上の小児および成人に使用できる。2015年2月、米国で1歳〜3歳の小児に対して追加承認された[4]

有効性

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てんかんの部分発作に対する臨床試験の結果は限定的であったが、いくつかの臨床試験では部分発作に対するルフィナミドの有効性が示されている[5]

作用機序

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ルフィナミドの作用機序は定かではないが、一般の抗てんかん薬[6]と同様に電位依存性ナトリウムチャネルに作用する[7]との研究結果がある。電位依存性チャネルにわずかに作用し、ナトリウムチャネルのサブタイプのいくつかを不活性化する事で、神経の異常興奮を抑制すると思われる[8]。しかしこの作用機序ではルフィナミドの特徴的な有効性スペクトルを説明できない。

効能・効果

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他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないLennox‐Gastaut症候群における強直発作および脱力発作に対する抗てんかん薬との併用療法

用法・用量

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4歳以上の小児:体重15.0~30.0kgの場合:最初の2日間は1日200mgを1日2回に分けて食後に経口投与し、その後は2日ごとに1日用量として200mg以下ずつ漸増する。維持用量は1日1000mgとし、1日2回に分けて食後に経口投与する。なお、症状により、1日1000mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は2日以上の間隔をあけて1日用量として200mg以下ずつ行うこと。 体重30.1kg以上の場合:成人の用法・用量に従う。

成人:最初の2日間は1日400mgを1日2回に分けて食後に経口投与し、その後は2日ごとに1日用量として400mg以下ずつ漸増する。維持用量は体重30.1~50.0kgの患者には1日1800mg、体重50.1~70.0kgの患者には1日2400mg、体重70.1kg以上の患者には1日3200mgとし、1日2回に分けて食後に経口投与する。なお、症状により維持用量を超えない範囲で適宜増減するが、増量は2日以上の間隔をあけて1日用量として400mg以下ずつ行うこと。

出典

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  1. ^ Hakimian S, Cheng-Hakimian A, Anderson GD, Miller JW (August 2007). “Rufinamide: a new anti-epileptic medication”. Expert Opin Pharmacother 8 (12): 1931–40. doi:10.1517/14656566.8.12.1931. PMID 17696794. http://www.expertopin.com/doi/abs/10.1517/14656566.8.12.1931. 
  2. ^ イノベロン錠100mg/イノベロン錠200mg 添付文書” (2014年6月). 2015年2月18日閲覧。
  3. ^ 抗てんかん剤「イノベロン」日本において製造販売承認を取得”. エーザイ (2013年3月25日). 2015年2月18日閲覧。
  4. ^ 米国において抗てんかん剤「Banzel」(ルフィナミド)の小児適応に関する承認取得”. エーザイ (2015年2月16日). 2015年2月18日閲覧。
  5. ^ Brodie MJ, Rosenfeld WE, Vazquez B, Sachdeo R, Perdomo C, Mann A, Arroyo S (August 2009). “Rufinamide for the adjunctive treatment of partial seizures in adults and adolescents: a randomized placebo-controlled trial”. Epilepsia 50 (8): 1899–909. doi:10.1111/j.1528-1167.2009.02160.x. PMID 19490053. 
  6. ^ Rogawski, A.; Löscher, W. (Jul 2004). “The neurobiology of antiepileptic drugs”. Nature reviews. Neuroscience 5 (7): 553–564. doi:10.1038/nrn1430. ISSN 1471-003X. PMID 15208697. 
  7. ^ Rogawski, M. A. (2006). “Diverse mechanisms of antiepileptic drugs in the development pipeline”. Epilepsy Research 69 (3): 273–94. doi:10.1016/j.eplepsyres.2006.02.004. PMC 1562526. PMID 16621450. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1562526/. 
  8. ^ Gilchrist, J; Dutton, S; Diaz-Bustamante, M; McPherson, A; Olivares, N; Kalia, J; Escayg, A; Bosmans, F (2014). “Nav1.1 modulation by a novel triazole compound attenuates epileptic seizures in rodents”. ACS Chemical Biology 9 (5): 1204–12. doi:10.1021/cb500108p. PMC 4027953. PMID 24635129. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4027953/. 

外部リンク

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