ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会
『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』(仏: Bal du moulin de la Galette)は、ルノワールが35歳のときに描いた絵画作品。1877年の第3回印象派展に出品された作品でもある[1]。
フランス語: Bal du moulin de la Galette | |
作者 | ピエール=オーギュスト・ルノワール |
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製作年 | 1876年 |
種類 | 油彩、カンヴァス |
寸法 | 131 cm × 175 cm (52 in × 69 in) |
所蔵 | オルセー美術館、パリ |
パリのモンマルトルにあるダンスホール「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」での舞踏会を題材としている。単に『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』とも呼ばれる。画中の人物たちは、ルノワールの友人たちがモデルになっている。
ムーラン・ド・ラ・ギャレットに関する作品には、他に『庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰』がある[2]。
解説
編集当時、ルノワールはこのダンスホールの近くに住んでおり、アトリエから通いながら制作していた。だが、縦131センチ、横175センチもあるこの作品を持ち運ぶことは困難で、傷つくおそれもあるため、ダンスホールには半分ほどのサイズのキャンヴァスを持って行った。そして、現場で描いた小さい方の絵を持ち帰り、これをもとにして、アトリエでは大きい方の絵を描いた。
画中の人物たちはルノワールの友人たちであり、名前が判明している人物を挙げると、手前の左側でダンスをしている黒い帽子の男性は、キューバの画家のカルデナス、そのカルデナスの相方の女性が当時ルノワールのお気に入りのモデルであったマルゴ、中央下側のベンチに座っている女性がエステル、そのエステルの背後にいる女性がエステルの姉のジャンヌであり、この姉妹は素人モデルであった。また、右側のテーブルに座っている3人の男性のうち、背を向けて姉妹と会話しているのが画家のフラン=ラミ、その向かい側でタバコを口にくわえているのが画家のノルベール・グヌット、その右隣でメモを取っているのが批評家のリヴィエールである。
オルセー美術館の3階に展示されている。大きい方の絵は、同じ印象派の画家仲間であったギュスターヴ・カイユボット(1848-1894)が購入。彼の死後、フランス政府に寄贈され、オルセー美術館に至る。一方、小さい方の絵は、1990年に齊藤了英が7800万ドル(絵画史上、2位の価格)で落札した [4]後、バブル経済の崩壊によって海外へ流出。外国の蒐集家(スイスの人物と言われている)の手に渡った。
脚注
編集- ^ 『芸術新潮』2018年6月号、新潮社、 51頁。
- ^ “「プーシキン美術館展――旅するフランス風景画」東京・大阪で - モネ初来日作品など名作65点”. FASHION PRESS. 2018年8月12日閲覧。
- ^ “オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵「ルノワール」展 鑑賞ガイド”. 文化庁. 2019年1月19日閲覧。
- ^ Top10Land (2007年). “Top Ten Most Expensive Paintings Sold At Auction” [オークションで落札された最も高額な絵画上位10点] (英語). Top10Land. 2016年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月2日閲覧。
参考文献
編集外部リンク
編集ウィキメディア・コモンズには、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会に関するカテゴリがあります。