マツヨイグサ(待宵草、学名: Oenothera stricta)は、アカバナ科マツヨイグサ属一年草。南米原産。日本では帰化植物の一つとされる。中国名も待宵草[1]

マツヨイグサ
Oenothera stricta subsp. stricta
Oenothera stricta subsp. stricta
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
: フトモモ目 Myrtales
: アカバナ科 Onagraceae
亜科 : Onagroideae
: Onagreae
: マツヨイグサ属 Oenothera
: マツヨイグサ O. stricta
学名
Oenothera stricta Ledeb. ex Link (1821)[1]
シノニム
和名
マツヨイグサ(待宵草)
英名
evening primrose(属の総称)[3]
sundrops
亜種
  • O. s. subsp. altissima
  • O. s. subsp. argentinae
  • O. s. subsp. stricta

分布

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原産地は南アメリカ[4]

日本へは嘉永年間(1848 - 1853年)に船来し、当初観賞用として植えられていたが、のちに逸出して野生化した[3]大正から昭和初期にかけては、本州以南の各地に分布[3]昭和30年代に同属のオオマツヨイグサ O. erythrosepala とともに空き地などに大群落を形成した。しかし近年はこれも同属のメマツヨイグサ O. biennis に押され、姿を見る機会は減った。

形態・生態

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二年草[3]。草丈は30 - 90センチメートル (cm) になる[3]は紫褐色に染まることが多く、まばらに毛が生える[3]は濃緑色で、白い中央脈が目立つ[3]葉縁にはまばらな波状の鋸歯がある[3]

は無柄で子房下位[3]花弁は4個、花色が黄色で、花径は約3 cm程度である[3]。花は萎れると赤く変化する[4]。夕方に花径3 - 5 cm位の黄色い花を咲かせ、翌日の朝には黄赤色に変わってしぼんでしまう一日花子房は円柱形で基部が細まり、果時には長さ2.8 cm、浅い4本の溝がある[3]は下部が2 - 4 cmの筒形になり、萼片が4個つく[3]。熟した果実は4片に裂けて、裂片は著しく反り返り、中から種子が現れる[3]。種子は長さ1.5ミリメートル (mm) で角張らずに滑らかである[3]

オオマツヨイグサO. erythrosepala)と似た環境に自生するので紛らわしいが、オオマツヨイグサに較べ丈が低く、葉が細いことから区別できる。

出典

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Oenothera stricta Ledeb. ex Link マツヨイグサ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年9月1日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Oenothera odorata auct. non Jacq. マツヨイグサ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年9月1日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n 長田武正 1976, p. 173.
  4. ^ a b 亀田龍吉『ポケット図鑑 身近な草花300 郊外』文一総合出版、2019年、99頁。 

参考文献

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  • 長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社、1976年6月1日。ISBN 4-586-30053-1 
  • 平野隆久写真『野に咲く花』林弥栄監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、1989年、220-223頁。ISBN 4-635-07001-8 
  • 『植物の世界4 種子植物 双子葉類4』朝日新聞社〈朝日百科〉、1997年。ISBN 4-02-380010-4 
  • 池田清彦監修、Deco編『外来生物事典』東京書籍、2006年。ISBN 4-487-80118-4 

関連項目

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外部リンク

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