『ジュマンジ』
ジュマンジ 。それはこの世で最も危険なゲーム!
<ストーリー>
いじめられっ子のアランが、ある日ふとしたことから土の中に埋もれていた木箱を見つける。
“JUMANJI" ゲーム盤での出来事が現実にも起きてしまう、この世で最も危険なゲーム。
そうとは知らず、帰宅したアランは、ガールフレンドのサラと早速ゲームを始めてしまう…。
部屋がジャングルと化し、階段に滝が流れ、動物の大群が街中を暴走し、道は大洪水で溢れかえる!
“JUMANJI"が巻き起こす超自然現象を『ジュラシック・パーク』の特撮チーム<ILM>が完璧に映像化し、日米で大ヒットを記録したSFXアドベンチャー大作。
成長しても子供の心を失わない純粋な主人公を数々のヒット作に出演し、アカデミー賞®助演男優賞に輝くロビン・ウィリアムズが熱演している。
『ジュマンジ』(原題: Jumanji)は、1995年のアメリカのアドベンチャー・ファンタジー映画。クリス・ヴァン・オールズバーグの同名の絵本を原作としてジョー・ジョンストンが監督、ジョナサン・ヘンズリーとグレッグ・テイラーが脚本を務め、ロビン・ウィリアムズ、ジョナサン・ハイドらが出演する。映画「ジュマンジ」シリーズの1作目。
作者のクリス・ヴァン・オールズバーグは脚本の草案を提供し、「ミステリーとシュールレアリズムの質を以て、映画を盛り上げたい」と語っている[3]。原作は幼い姉弟の物語だったが、映画は少年が主人公で、父と息子の絆がストーリーの主軸になっており、スキー事故で亡くなったジュディとピーター姉弟の両親をタイムパラドックスで取り戻すことにより、伏線を回収している。現実に起きるさまざまな現象や動物は、CG、アニマトロニクス、ミニチュアを駆使して製作された。当時において最先端の技術であった3DCGをふんだんに使うことで、本作品は注目された。また、現実世界でアラン少年が乗り越えるべき存在として描かれるアランの父親と、「ジュマンジ」でアランが乗り越えるべき存在として描かれるハンターを同じ役者が演じることで、アラン少年の成長物語としての性格を強めている。厳格だが息子を愛しているアランの父親と、ハチャメチャで残忍なハンターと言う対照的な2役をジョナサン・ハイドが好演しており、中年になったが精神的には子供のままであるアラン少年をロビン・ウィリアムズが好演している。
パリッシュ製靴工場の撮影に使用された建物
この作品は、1996年から1999年まで放送されたテレビアニメシリーズを生み、その後、関連作品として『ザスーラ』(2005年)が製作された。また、直接の続編として『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(2017年)と『ジュマンジ/ネクスト・レベル』(2019年)の2作品が製作されている。
ストーリー
1869年。深夜の森を馬車に乗って進む2人の少年がいた。怯えた様子の彼らは持っていた木箱を地面に掘った穴に埋めて足早に立ち去った。
それから100年後の1969年。少年アラン・パリッシュは、大規模な製靴工場を経営し、町の名士でもある父に反感を抱いていた。ある日彼は父の工場の拡張工事現場で古い木箱を掘り出す。中には「ジュマンジ」という名の双六形式のボードゲームが入っていた。ジュマンジを持ち帰ったアランはたまたま家を訪れた友達の少女サラ・ウィットルと共にゲームを始める。ところがサイコロをふると駒が勝手に動き出し、ゲーム盤中央の画面に「5か8の目が出るまでジャングルで待て」という文字が浮かび上がるとアランはゲーム盤に吸い込まれて消えてしまう。暖炉からはたくさんのコウモリが飛び出してきたため、サラは邸から逃げ出す。
更に26年後の1995年。アランの失踪を期に衰退したパリッシュ家の失脚以来空き家となっていた邸にジュディとピーターという姉弟とその叔母が引っ越してくる。姉弟の両親はカナダへのスキー旅行にでかける途中で交通事故死し、叔母がふたりを引き取って暮らすことになったのである。ある日、2人は屋根裏部屋でジュマンジをみつけ、叔母が出かけるのを待ってゲームを始める。しかしサイコロを振るたびに巨大な蚊の群れやいたずら好きの猿の群れ、凶暴なライオンが次々に現れる。更にサイコロの目が5になったことからおとなになったアランがこの世界に戻ってくる。アランは26年間をゲームの中のジャングルの世界で過ごしていたのだった。アランは父が経営していた製靴工場に向かうがそこは廃墟になっていた。父母は行方不明になったアランを探すために財産を使い果たして死んだのである。
街は蚊の群れと猿の群れで大混乱に陥っていた。しかしジュマンジの注意書きには、一旦ゲームを始めたら途中でやめることはできず、ゴールした勝者が「ジュマンジ」と唱えるまでゲームから出てきたものは消えないと記されていた。アランは、26年前に始めたゲームを終了させるためにはサラにもゲームに参加してもらう必要があることに気づき、一人暮らしをしているサラの家を訪ねて彼女を説得し、渋るサラを家に呼ぶと4人でジュマンジを再開する。しかし、サイコロを振る度に、巨大な食虫植物、アランを付け狙うハンターのヴァン・ペルト、暴走するゾウやサイや鳥の群れなどが次々に現れる。鳥に奪われたゲーム盤を取り戻そうと街に出ると街は更に混乱を深めている。なんとかゲーム盤を取り戻し、銃を乱射するヴァン・ペルトからも逃れてゲームの続きを始めると今度は洪水とワニ、蜘蛛の群れ、地震が4人を襲い、ヴァン・ペルトも戻ってくる。崩壊しかけた邸でヴァン・ペルトに銃を突きつけられたアランだったが、手から落としたサイコロの目によって自身の駒がゴールに到達する。アランが「ジュマンジ」と唱えると、ゲームから出てきた動物たちすべてがヴァン・ペルトとともにゲーム盤に吸い込まれていく。
気が付くとアランとサラは26年前の子供時代に戻っていた。アランは反抗的であった自身の態度を父に謝罪し、親子の絆を再確認する。そしてサラとともにジュマンジを川へ流す。
それから26年後の1995年のクリスマス。アランはサラと結婚し、父の会社を継いで順風満帆の生活を送っていた。クリスマスパーティーを開いたアランとサラは、新たにパリッシュ社で働くことになったシェパード夫妻に娘と息子を紹介されるが、それは何とあのジュディとピーターだった。時が巻き戻ったため姉弟にはジュマンジに関する記憶はなく、アランやサラのことも知らない。アランとサラは笑顔で2人と握手を交わす。そしてシェパード夫妻がカナダへのスキー旅行を計画していることを聞くと慌てて引き留めるのだった。
フランスの海岸を2人の少女が歩いている。その先にはあのジュマンジが砂から顔を覗かせていた。
キャスト
役名 | 俳優 | ||||
---|---|---|---|---|---|
アラン・パリッシュ | ロビン・ウィリアムズ | ||||
サミュエル・アラン・パリッシュ | ジョナサン・ハイド | ||||
ヴァン・ペルト | |||||
ジュディ・シェパード | キルスティン・ダンスト | ||||
ピーター・シェパード | ブラッドリー・ピアース | ||||
サラ・ウィットル | ボニー・ハント | ||||
ノラ・シェパード | ビビ・ニューワース | ||||
カール・ベントレー | デヴィッド・アラン・グリア | ||||
キャロル・アン・パリッシュ | パトリシア・クラークソン | ||||
少年時代のアラン | アダム・ハン=バード | ||||
少女時代のサラ | ローラ・ベル・バンディ | ||||
ジム・シェパード | マルコム・スチュワート | ||||
マーサ・シェパード | アナベル・カーシャウ | ||||
駆除業者 | ジェームズ・ハンディ | ||||
バム | ロイド・ベリー | ||||
トーマス夫人 | ギリアン・バーバー | ||||
ベンジャミン | ブランドン・オブレィ | ||||
ケイレブ | サイラス・ティーディーク | ||||
ビリー・ジェサップ | ガリー・ジョセフ・トールップ |
神がダイスを振ってしまう話。
物凄く笑い、物凄く泣いてしまった。
ロビン・ウィリアムズを愛している。
原作絵本はこちら
作者のクリス・ヴァン・オールズバーグ
家も街ももう滅茶滅茶に破壊されるのだが、悲惨さはゼロ。むしろユーモアさえ漂う。
これは全部ゲームだというようなムード故か。
逆に、ゲームムード前提ならこれくらい滅茶滅茶にやらなければ駄目ということだ。
ここまでやればもう事故とか災害ではない。空想、ファンタジー。逆にやり方が甘いと、事故や災害を想起させ悲惨さが滲む。ここは笑っちゃうくらい大規模に行かねば失敗するのだろう。
お手本はゴジラ。
またはキングコング。
ここまでやればもう、現実の異化完全完了。ファンタジーとは、この現実の異化作業に手間をかけねばならないのだろう。隙があってそこから現実味が漏れると、白ける、覚める、冷める、引く。
マジシャンのネタ仕込みのごとく。
ピーターという男の子が、叔母と一緒に越してきた。二人の両親はスキー旅行で事故死している。 |
叔母さんが家の契約書を出しに行っている間に、二人は蝙蝠の鳴き声を聞く。
鳴き声を追ってゆくと屋根裏部屋。
いくつもの箱の下に、ジュマンジと書かれた箱があり、開けるとボードゲーム。
指示通りにダイスを振ると、コマが勝手に動き出す。ここがゾクッとする。
裏から強力な磁石で操作されているような動きにも見えて、その原理がシンプルで懐かしい感じもする。
ジュディとピーターがダイスを投げて5が出ると、26年前に「5か8の目が出るまでジャングルで待て」とゲームに言われて(笑)ジャングルでその時が来るのを待っていたアランが出て来る(笑)。
ゲームは、正しい順番の人がダイスを振らないと起動しない。
アランの次は、あの時一緒にゲームをしていたサラ▼だ。さあサラを探しに行こうということになるが、
街は、その前にゲームの向こうのジャングルから出て来た動物たちや
ハンターで支離滅裂の大騒ぎ。
そんな中を、大人になったサラを探しに行くと、サラは同じ家に住んでいた。
しかし、目の前でアランが消えたことがトラウマになっていて、周囲に「本当のこと」を話しても嘘つき呼ばわりされ、心療内科に通いながら、スピリチュアルなことで生計を立てて隠れるように暮らしていたのだった。
サラとアランは、すぐに互いのことが分かる。サラもゲームに参加。このゲームは、上がりになって「ジュマンジ」と言えばゲームの中に世界が戻る。一度始めてしまったら、上がりになるまでやるしかないのだ。「あと3つで上がり」の位置で5が出たら、それは上がりではなく、2個戻っていると見た。ゲームを始めてしまったジュディとピーターは、叔母さん▼
が帰ってくるまでに、上がりにして家を元に戻さないと、ということになっている。
しかしダイスを振るたびジャングルがこっちにどんどん出てきて、
事態は次第に大変なことに。
4人は危機を乗り越えていくうちに、守り守られ、いつしか家族のようになってゆく。
ジュマンジはペリカンに咥えて持ち去られたり。
ジャングルからやって来たこのハンター▼に強奪されたり。
この▲ハチャメチャで残忍なハンターは、
▼厳格だが息子を愛しているアランの父親と同じジョナサン・ハイドが演じている。
親の二面性の表現という感じ。こどもに見せている父親の仮面と、個人基本の動物的本能と。
ファンタジーとは、物の二面性、対称性を表現することに非常に適しているのだろう。
4人は街に出て、ジュマンジを奪い返そうとする。
この間、ジュマンジの魔法がかかって猿化してゆくピーターが可愛いやら可笑しいやら可哀そうやらとても複雑な気分。
ここで、サラがアランに「ピーターを励ましてあげて」と言う。励ますって何をどう?と深刻半分笑いそうにもなるが、「母」としては当然な感情。アランは「分かった」とピーターに近づき、「嫌なことには、逃げすに立ち向かえ」と言う。これはアランが失踪の直前、父から言われた言葉だった。アランはいじめられっ子で、いじめっ子は集団。アランの父はアランに中学校の転校をプレゼント。しかしアランはここで父に反発。この学校の寄宿舎はこの家の寄付で出来たもの。そういう金持ちの家のお坊ちゃんだから因縁をつけられていじめられているというのに、こんなところに行ったら事態は一層悪化する。と息子と父の諍い。
その諍いの前に父がアランにアドバイスしたのがこの言葉。その言葉をその時ははねのけたものの、26年経ってこどもに、正にその言葉を言っているアランはそんな自分を嬉しく感じている。ああ、自分には紛れもなく父の血が流れている、自分も父と同じになったんだ、なれたんだ。それで良かった、というような、到達の安堵感。
このピーター▼の鳴き声がまるで子猿(笑)。可愛くも哀れで悶えるしかない。
ペリカンに奪われたジュマンジを取り戻そうと街に出ると街は更に混乱を深めている。なんとかジュマンジを取り戻し、銃を乱射するハンターからも逃れてゲームの続きを始めると、今度は洪水とワニ。ワニに襲われそうになったサラを助けると、
「ワニからわたしを助けてくれたのね」とサラがアランにキスしようとする。すると、ジュディとピーターは顔を見合わせてにっこり。この穏やかな、絵に描いたような家族愛シーンがとっても素敵。
蜘蛛の群れ、地震が4人を襲い、ハンターも戻ってくる。崩壊しかけた屋敷でハンターに銃を突きつけられたアランだったが、手から落としたサイコロの目によって自身の駒がゴールに到達する。アランが「ジュマンジ」と唱えると、ゲームから出てきた動物たちすべてがハンターとともにジュマンジに吸い込まれていく。
気が付くとアランとサラは26年前の子供時代に戻っていた。この二人▼は、見た目はこどもに戻っているが、意識はまだ大人。
サラはアランに、「こどもに戻る前に」と言いキスをする。するとアランは嬉しそうに微笑む。
家に戻ると、「あれから」まだ5分しか経っていない。
アランは、一度工場竣工パーティーに向かったが忘れ物を取りに来たお父さんに、反抗的であった自身の態度を謝罪し、二人は親子の絆を再確認する。
お父さんは、アランが大人になっていた世界では、「息子殺し」の汚名を着せられていた。
突然消えた息子を探すために全財産をなげうって破産し、死んで母と共に墓に入っていた。
こどもに戻ったアランは、サラとともにジュマンジを川へ流す。
★それから26年後の1995年のクリスマス。アランはサラと結婚し、父の会社を継いで順風満帆の生活を送っていた。クリスマスパーティーを開いたアランとサラは、新たにパリッシュ社で働くことになったシェパード夫妻に娘と息子を紹介されるが、それは何とあのジュディとピーターだった。★
★スキー事故で亡くなったジュディとピーター姉弟の両親をタイムパラドックスで取り戻すことにより、伏線を回収している。★
🔶🔶時間が一回巻き戻され、別の時間の流れになったので、ジュディとピーター姉弟は覚えてもいないし、両親も死んでない、死なない時空ルート再生。しかしこうして「あの二人」が初対面オーラでやって来ると、その感慨が凄い。人は無限にある時空ルートから瞬間瞬間選んで生き、そしてこんな風に誰かと会ったりしているのだから。このピーターの、本当に記憶にない表情が凄い。子役の嘘をつけない目の表情を考慮し、このシーンはアドベンチャーシーンで絡む前に撮ったのかもしれない。🔶🔶
時が巻き戻って別ルートで再生されたため、姉弟にはジュマンジに関する記憶はなく、アランやサラのことも知らない。アランとサラは笑顔で2人と握手を交わす。そしてシェパード夫妻がカナダへのスキー旅行を計画していることを聞くと、それはあの世界では死因だったため、慌てて引き留めるのだった。
何に感動するかというと、この二人はあのビジョンを共有しているということだ。
しかし恋愛とは二人だけの秘密のビジョンを共有することでもある。
フランスの海岸を2人の少女が歩いている。その先にはあのジュマンジが砂から顔を覗かせているのだった。というネバーエンディングストーリーエンディング。
『ジュマンジ』1995
この▲警察官カールは、アランのお父さんの靴工場で働いていた。アランが失踪する直前、ナイキのスニーカーのような靴を「未来の靴だぜ」と開発。しかしアランがベルトコンベアの切断ラインに間違って置いてしまったため、破壊されてしまった。もしあれが発売されていたら今頃大金持ちに……。という、過去を描くときに有効な方法。
監督のジョー・ジョンストン
映画
『ミクロキッズ』
『ジュマンジ』
『ジュラシック・パークIII』
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』