「ことばの未来」を手にしたのは、言語とは、何であろうかの疑問である。
その一つの理由は、「心」や「意識」が無造作に実体化され何んの疑問も持たれていない事。
二つ目は、概念や建前に踊り狂いしている感がある左翼系新聞を見ての感覚である。それは、言語の最悪の使用形態と思う。
さて、道元に「即心是仏」がある。
この「心」とは、「空」を意味し実体を意味してはいない。
佐野愛という人の著作がある。
大意、言語空間とは位相空間と云う説である。
それは、集合+ある種情報という意味である。
脳(意味・思考)自体、位相空間である。それは、質的拡がりを持つ無限次元である。三以上で無限、複雑系、カオスが現れる。
意味の発生とは、意味空間に於いて意味の収束が起こったという事である。それは、知覚ゲシュタルトが既に、起こっているという事も意味する。
全体集合の極限点に収束し発生する意味が「自我・私・意識・心」である。
直感とは、言語の統合を経ないで浮かび上がって来るものである。
これらの説明は、腑に落ちる。
この本の中で、カナダのモホーク族(二万五千人)の言語が紹介されている。
「埋葬する」は、その身体をわたしたちの母なる大地の毛布で包むと表現する。
「父親となる男性」は、子どもに自分の人生を貸すと表現する。
わたしは、それ単独では成り立たない。わたしは、常に関係性の一部である。
なので、病気は、「病気が私のところに来た」となる。
モホーク族は、スポンジの時期つまり最も貴重な学びの時期に強制的に固有言語を奪われ同化させられた。
現在は、言語保存法により資金提供を受けている。これは、良くも悪くも征服者が採る方法である。
パプアニューギニアのオクサブミンゴ語は、27進法である。
熱帯雨林と高地の激しい地形に800もの言語が存在している。恐らく、少数集団の地理的孤立により方言や孤立した言語の集積が生まれた。
カフカスのウビフ語は、子音81個、母音2個である。
ナイジェリアのヨルバ語は、文字でなくメロディで意味が異なる。そのため、トーキングドラムという太鼓の演奏で王家の歴史が伝承されている。
この本の内容の濃ゆさに眼を見張るが、言語「学」に肺腑を突くような驚きは、ない。
むしろ、能楽師安田登の論理以前の共通覚者(共感覚者)つまり、世界を二次元で捉えず多次元で捉える例えば、2は川3は山で2と3を組み合わせ、山の下に川が流れると云う認識の仕方、文字登場以前の認識の仕方があったという説に魅力がある。易に似ている。
日本を例に取ると、日本人にとっての死後の世界は、「古事記」以前はつまり、漢字導入以前は日常と同じ地平にある存在であったし、行き来出来る場所という認識であった。
「しぬ」は「萎ぬ」で、水を掛ければ息を吹き返すが如く、生と死の線引きが非常に曖昧であった。
「死」という漢字を充てた事に拠り死が絶対化した。
因果律もなかった。論理は、二次元的思考である。
こういう思考が、将来に豊かな稔りを齎すと思う。
校正ミスと思うが殷と周が逆になっている。
(追記)
近年に於ける、言語とコンピュータの関係を洩らしていた。
先ず、ディープラーニングによりコンピュータが人間に拠らず自ら、「特徴量=人間が世界を認識する際の重要な要素」を見つけることが出来るようになった。
また、言葉はヴェクター化する事が出来る。即ち、言葉の背景にある特徴量を数字として表現出来る事も明らかとなった。人間では大脳皮質の機能である。
その結果、自然言語処理が可能となり言語間の機械翻訳の精度が飛躍的に高まった。
次のステージとしては、質問に答える人工知能を作る事であった。それは、人間の海馬ように「記憶する機能」であった。
その前提として、言葉は、概念の集合として捉えることが出来るという事があった。
それは、突き詰めればQ&Aに置き換えられる。推論する機能である。
これらの研究を先導したのは、クォーク・リー(ベトナムで生まれ、育った。)、トーマス・ミコロワ(チェコ出身)、リチャード・ソッチャー(ドイツ出身)であるが、いずれもアメリカの企業でその才能を開花させた。
三人とも、「言語は数である」という共通認識を持っている。世界は、数学の秩序で動いているというのである。それ故、全ての事象は方程式で表わせるはずだと。事実、ニュートンやアインシュタインの方程式は、そこから様々な予測やテクノロジーの発明に繋がった。そして今後は、コンピュータによりあらゆる分野で自然の法則つまり高度な概念的知見が発見される可能性があるとするのである。
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WIRED VOL.19 (GQ JAPAN 2015年12月号増刊) /特集 ことばの未来 雑誌 – 2015/11/10
Condé Nast Japan (コンデナスト・ジャパン)
(著),
WIRED編集部
(編集)
◆特集 ことばの未来 「自然言語」をめぐる冒険
いま、「ことば」という人類の発展を支えた基盤テクノロジーに
自動翻訳マシンや人工知能といった、新たなテクノロジーが干渉し始めている。
ヒトをヒトたらしめていたことばを機械とシェアしている現在
ことばを考えることは、いったいなにを考えることなのだろうか。
◇ことばと世界 コンピューターはいかにそれを理解するのか
◇文学のイノヴェイション カズオ・イシグロ/円城塔/宮内悠介/関口涼子
◇読む機械 自然言語処理の新たな地平
Googleクォーク・リー、Facebookトーマス・ミコロフ、MetaMindリチャード・ソッチャー。
AI研究の先駆者3人に、予防医学の俊英・石川善樹が迫る。
◇いま「ことばの未来」を考えることは「○○の未来」を考えることである
◇たったひとりのことば 絶滅する言語と失われゆく「世界」
◇池田純一 「ヨハネスブルクのアダムと黄金の天使」
◇データはことば、日々を綴る ステファニーとジョージアの未来の絵手紙
◆帝国再興 独占! かくして「フォース」は再び覚醒する
4000億円以上の価値を有するハリウッド最大のフランチャイズをいかにリブートするか。
J.J.エイブラムス、キャスリーン・ケネディ、ジョン・ウィリアムズほか、
キーパーソンの証言から明かされた『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の知られざる舞台裏を独占公開!
またその製作現場を、巨匠アニー・リーボヴィッツが撮影!
◆Spiber:人工合成クモ糸素材は、人類未到の領域へ
「クモの糸」の人工合成に成功し、世界で初めてその量産化を成し遂げたバイオヴェンチャーSpiber。
THE NORTH FACEをパートナーに迎えたSpiberの、飛躍の瞬間に立ち会った。
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SNSや動画サイトから見るに堪えないコンテンツを削除する仕事に、世界で10万人が従事。
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その他
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など
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登録情報
- ASIN : B014V16OS0
- 出版社 : コンデナスト・ジャパン; 不定版 (2015/11/10)
- 発売日 : 2015/11/10
- 言語 : 日本語
- Amazon 売れ筋ランキング: - 144,391位雑誌 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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2016年1月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
海外よりも日本の事例がもっと知りたかったです。 言葉の概念が曖昧な感じでした・・・
2016年1月8日に日本でレビュー済み
「言語の翻訳」や「小説の自動生成」などなど
昨今話題のディープラーニングを使用した自然言語処理で
これから言語はどのように扱われていくのか、という
「文学」「言語学」と、WIREDの軸である「テクノロジー」が
上手く融合した記事が掲載されている。
AIやディープラーニング、自然言語処理といった分野にご興味のある方は
買って損は無いと思う。
興味がない人が居ないと思うが、
もしも自然言語処理というワードがピンと来ない人も
買って損は無いと思う。
というのも、巻末にはいつものスタートアップ系記事が掲載されいている上に
公式サイトからPDFをダウンロードしておけば、
興味が出てきた時にもう一度、読みなおすことが出来る。
なんといってもWIREDはデザインが良いので見るだけでも楽しい。
特にメイン特集に使われているイラストを描いているのは
今注目の漫画家、宮崎夏次系氏である。
オリジナル描きおろしなのでこれだけでも一見の価値があるように思える。
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今注目の漫画家、宮崎夏次系氏である。
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